2008年09月
2008年09月17日
車庫の下にて
季節の変わり目、きっちり体調
を崩しまして高熱にうなされる
日々が続き、ブログも凍結状態
やっと何とか再開します。
今日は本当に久しぶりの酒なの
で、やはり日本酒を冷やで
肴は真鯛の酒蒸しをあしらった
冷やし茶碗蒸しを少々。
冷たい茶碗蒸しって言うのは、自分の中で物凄く好きな物のひとつです。旨いですよ
昨日いつも良く行くカフェに寄り、読書をしていた。この店は一見凄く流行りそうなのだが何故かいつも暇で、気に入ってよく使っている。いつもは店内の隅っこの席に決まって案内されるのだが、今日は新人の女の子のアルバイトの子が気を使ってくれたのか、テラス席に案内された。あとから気づいた店長に移動しますかというような目配せをされたが、僕もすぐに結構ですという目配せを返した。
いつものたいして美味くもないカフェオレを飲んでいると、20メートル位離れているはす向かいの車庫の下で20歳前後のふっくらした男の子がリュックの横にちょこんと座って何やら独り言をほざいている・・・エッセイ・随筆ランキング
少し集中して聞いてみると、
「何でやねん、なんでやねん、ナンデヤネン」
とそれぞれイントネーションを変えながらリュックに向かって裏券で突っ込んでいる。そして何度も首を傾げて
「ねんのところが巧くいかんなー」
と言っている。どうやら漫才の練習をいているらしい。しかし、この子はどうも焦点が狂っているように思える。何故まず「なんでやねん」という関西弁を覚えようとしているのだ。そうこうしていると青年は次の練習に入った。手つきは今までと同じようにリュックに突っ込みながら言葉が変わったのである。
「アホか、遅れてきた転校生か?」
察するとおりこの子はツッコミなのだろう。そして多分これはボケに対して何かに例えて突っ込んでいるのだろう。クリームシチューの上田や南海キャンディーズの山ちゃんなんかが良くやる、時として非常に鬱陶しいことのあるアレである。
「アホか、刺激的なピーナッツか?」
油断していると次が来る。刺激的なピーナッツってどんなボケに対してのツッコミなんだ。
「アホか、名前が和田の癖に我慢強くないのか?」
どういうことだ。これはもしかして、あいうえお順で呼ばれると和田は最後のほうだから我慢強いということなのか。
「アホか、今は足し算の話はしてへん、餅だけ付いてろ」
これに至ってはボケの状況が全く想像がつかない。この子に才能があるとは思えないから相方に言われた通りに頑張って練習しているのだろう。
そうこうしているうちに少年は練習を止め、座り込んでリュックの後ろにあったビーニール袋から牛丼を取り出し食べ始めようとしたとき、青年の携帯電話が鳴った。
暫くゴニョゴニョと話した後、こう言った。
「お願いだから、山下君、一緒に天下取ろうよ」
空しく肩を落とすように電話を切り、もう一度箸を持ち直し、牛丼を食べ始めた。
そうこの子はまさかの相方もまだ居ないのである。それであの練習である。呆然としていると、青年がこう叫んだ。
「牛丼の宝石箱やー」
諦めろ。君は画期的に間違えている。
しかし、今は何が評価されるか分からないからなー
[今日の一品]
鯛を切り身にして器に昆布一枚と酒を浸して酒蒸しにする。10分くらい蒸したら取り出し余熱が取れたら冷蔵庫に入れて冷ます。次に茶碗蒸し、全卵一個に対して出汁180ccを入れ、よく混ぜてから裏ごし薄口醤油と味醂で味を整え器に流し10分ほど蒸す。これも余熱を摂ったら冷蔵庫で冷ます。両方冷えたら、茶碗蒸しの上に鯛の切り身を乗せ、煮凝りも一緒に乗せ芽ネギをあしらう。旨いですよ。
を崩しまして高熱にうなされる
日々が続き、ブログも凍結状態
やっと何とか再開します。
今日は本当に久しぶりの酒なの
で、やはり日本酒を冷やで
肴は真鯛の酒蒸しをあしらった
冷やし茶碗蒸しを少々。
冷たい茶碗蒸しって言うのは、自分の中で物凄く好きな物のひとつです。旨いですよ
昨日いつも良く行くカフェに寄り、読書をしていた。この店は一見凄く流行りそうなのだが何故かいつも暇で、気に入ってよく使っている。いつもは店内の隅っこの席に決まって案内されるのだが、今日は新人の女の子のアルバイトの子が気を使ってくれたのか、テラス席に案内された。あとから気づいた店長に移動しますかというような目配せをされたが、僕もすぐに結構ですという目配せを返した。
いつものたいして美味くもないカフェオレを飲んでいると、20メートル位離れているはす向かいの車庫の下で20歳前後のふっくらした男の子がリュックの横にちょこんと座って何やら独り言をほざいている・・・エッセイ・随筆ランキング
少し集中して聞いてみると、
「何でやねん、なんでやねん、ナンデヤネン」
とそれぞれイントネーションを変えながらリュックに向かって裏券で突っ込んでいる。そして何度も首を傾げて
「ねんのところが巧くいかんなー」
と言っている。どうやら漫才の練習をいているらしい。しかし、この子はどうも焦点が狂っているように思える。何故まず「なんでやねん」という関西弁を覚えようとしているのだ。そうこうしていると青年は次の練習に入った。手つきは今までと同じようにリュックに突っ込みながら言葉が変わったのである。
「アホか、遅れてきた転校生か?」
察するとおりこの子はツッコミなのだろう。そして多分これはボケに対して何かに例えて突っ込んでいるのだろう。クリームシチューの上田や南海キャンディーズの山ちゃんなんかが良くやる、時として非常に鬱陶しいことのあるアレである。
「アホか、刺激的なピーナッツか?」
油断していると次が来る。刺激的なピーナッツってどんなボケに対してのツッコミなんだ。
「アホか、名前が和田の癖に我慢強くないのか?」
どういうことだ。これはもしかして、あいうえお順で呼ばれると和田は最後のほうだから我慢強いということなのか。
「アホか、今は足し算の話はしてへん、餅だけ付いてろ」
これに至ってはボケの状況が全く想像がつかない。この子に才能があるとは思えないから相方に言われた通りに頑張って練習しているのだろう。
そうこうしているうちに少年は練習を止め、座り込んでリュックの後ろにあったビーニール袋から牛丼を取り出し食べ始めようとしたとき、青年の携帯電話が鳴った。
暫くゴニョゴニョと話した後、こう言った。
「お願いだから、山下君、一緒に天下取ろうよ」
空しく肩を落とすように電話を切り、もう一度箸を持ち直し、牛丼を食べ始めた。
そうこの子はまさかの相方もまだ居ないのである。それであの練習である。呆然としていると、青年がこう叫んだ。
「牛丼の宝石箱やー」
諦めろ。君は画期的に間違えている。
しかし、今は何が評価されるか分からないからなー
[今日の一品]
鯛を切り身にして器に昆布一枚と酒を浸して酒蒸しにする。10分くらい蒸したら取り出し余熱が取れたら冷蔵庫に入れて冷ます。次に茶碗蒸し、全卵一個に対して出汁180ccを入れ、よく混ぜてから裏ごし薄口醤油と味醂で味を整え器に流し10分ほど蒸す。これも余熱を摂ったら冷蔵庫で冷ます。両方冷えたら、茶碗蒸しの上に鯛の切り身を乗せ、煮凝りも一緒に乗せ芽ネギをあしらう。旨いですよ。
2008年09月04日
どこを間違えたの?
最近は急に和食が食べたくなる時
がある。
僕もそれなりの年齢になって来た
ということだろう。
それも鮮度の良い天然魚をさっと
煮付けたような一品が。
今日は真鯛を隠元と一緒にさっと
煮付けてみた。旨いねー。
鯛の骨の周りの身をしゃぶりながら、日本酒のグラスを傾けていると、昨晩の蕎麦屋での光景を思い出す・・・エッセイ・随筆ランキング
以前はよく行っていたが、久しぶりに暖簾をくぐった。
30席くらいある店内はカウンターとテーブルひとつを残して満席だった。
僕は「結構入ってるなあ」なんて思って少し立ち止まっていると、女将さんが「あ、どうも」と声を掛けてきて、「こちらへどうぞ」と、ひとつ残っているテーブル席に通された。
何にしようかメニューを選んでいると、突然女将さんが瓶ビールとグラスを持ってきて、
「お疲れさま」
と声を掛け、僕にグラスに渡し、物凄い笑顔で注いでくれた。
僕は別にビールを頼むつもりは無かったのだが、悪い気はしなかったので、一息で飲んで、女将さんに声を掛け、天麩羅そばを頼んだ。すると、女将さんはほとんど僕の注文を聞かないうちから、テーブルの上に置いてある紙袋を指差して。
「好きですねー」
といいながら去っていった。
暫くすると、テーブルの上に天麩羅そばが置かれた。急にビールを一気に飲んだのでほろ酔い気分のまま、丼に箸を運ぶと、唖然とした。
天麩羅そばにそばが入ってないのである。
僕はもう一度ビールを口に運び、ゆっくりグラスを置くと、入り口のほうで女将さんの明るい「いらっしゃいませ」の声が聞こえたあと、私のテーブルの前に綺麗な30代の女性が女将さんと一緒に立っていた。
僕とその女性はしばし見詰め合った後、その女性は女将さんのほうを向き、自分の顔の前で右手を横に振った。
その一分後には、僕は席をカウンターに移動され、五分後にはちゃんとそばの入った天麩羅そばが置かれ、女将さんは申し分けなさそうな顔で
「ビールはサービスですから」
と言われた。
僕は誰かと間違われたのである。
あまり経験が無いのである。付け加え、その日の服装は、グラミチのピンク色の短パンに黒い半袖のヘリンボーンのシャツ、右手の人差し指にはごついシルバーのリングをはめた33歳である。蕎麦屋にはそんなに数の多い方のいでたちではないと思う。
どんな人と間違われたのだろう。
ヒントとしては、まず、必ずビールを飲むこと、あと、あの蕎麦屋で有名な天抜きを食べること、そして、最後は女将さんに「好きだねー」と言われるようなものが入っている紙袋をいつも持っているということ。
ちなみに私の紙袋の中には、詰め替え用のファブリーズと電気髭剃りである。
まさか女将さんがファブリーズと髭剃りと分かっていて、「好きだねー」と言ったとは考えられない。もしも分かっていたとしたら、その似ている人は僕には想像も付かないがよっぽどの変態だろう。
髭剃りにファブリーズを掛けるのか、ファブリーズの袋の中に髭剃りを入れ、冷蔵庫で冷やして、いや、それとも詰め替え用のファブリーズを充電の切れかけた髭剃りのこの部分で・・・これは答えが出ない。
そんな事をしていると、もう一度入り口で女将さんの「いらっしゃいませ」の声の後に、さっき僕が座っていた席に男性が通され、椅子に腰を降ろした。
40過ぎのよれよれのグレーのスーツを着た頭の禿げ上がった、おじさんである。それだけではない。驚くことは紙袋など一切持っていないし、ビールを女将さんが出した後に、おじさんが発した「ありがとう」が異常になまっていたことだ。
どこを間違えたの?
世の中はまだまだ僕の分からない世界がうようよしている。
[今日の一品]
鍋に切り身がかぶる位の水と日本酒を同量と生姜を一欠け入れ、沸かした後に鯛を入れる。暫く炊いた後灰汁を取り、砂糖少々と味醂と醤油で味を決める。隠元を入れて10分ほど煮付け器に盛り付ける。旨いね。ホッとします。
がある。
僕もそれなりの年齢になって来た
ということだろう。
それも鮮度の良い天然魚をさっと
煮付けたような一品が。
今日は真鯛を隠元と一緒にさっと
煮付けてみた。旨いねー。
鯛の骨の周りの身をしゃぶりながら、日本酒のグラスを傾けていると、昨晩の蕎麦屋での光景を思い出す・・・エッセイ・随筆ランキング
以前はよく行っていたが、久しぶりに暖簾をくぐった。
30席くらいある店内はカウンターとテーブルひとつを残して満席だった。
僕は「結構入ってるなあ」なんて思って少し立ち止まっていると、女将さんが「あ、どうも」と声を掛けてきて、「こちらへどうぞ」と、ひとつ残っているテーブル席に通された。
何にしようかメニューを選んでいると、突然女将さんが瓶ビールとグラスを持ってきて、
「お疲れさま」
と声を掛け、僕にグラスに渡し、物凄い笑顔で注いでくれた。
僕は別にビールを頼むつもりは無かったのだが、悪い気はしなかったので、一息で飲んで、女将さんに声を掛け、天麩羅そばを頼んだ。すると、女将さんはほとんど僕の注文を聞かないうちから、テーブルの上に置いてある紙袋を指差して。
「好きですねー」
といいながら去っていった。
暫くすると、テーブルの上に天麩羅そばが置かれた。急にビールを一気に飲んだのでほろ酔い気分のまま、丼に箸を運ぶと、唖然とした。
天麩羅そばにそばが入ってないのである。
僕はもう一度ビールを口に運び、ゆっくりグラスを置くと、入り口のほうで女将さんの明るい「いらっしゃいませ」の声が聞こえたあと、私のテーブルの前に綺麗な30代の女性が女将さんと一緒に立っていた。
僕とその女性はしばし見詰め合った後、その女性は女将さんのほうを向き、自分の顔の前で右手を横に振った。
その一分後には、僕は席をカウンターに移動され、五分後にはちゃんとそばの入った天麩羅そばが置かれ、女将さんは申し分けなさそうな顔で
「ビールはサービスですから」
と言われた。
僕は誰かと間違われたのである。
あまり経験が無いのである。付け加え、その日の服装は、グラミチのピンク色の短パンに黒い半袖のヘリンボーンのシャツ、右手の人差し指にはごついシルバーのリングをはめた33歳である。蕎麦屋にはそんなに数の多い方のいでたちではないと思う。
どんな人と間違われたのだろう。
ヒントとしては、まず、必ずビールを飲むこと、あと、あの蕎麦屋で有名な天抜きを食べること、そして、最後は女将さんに「好きだねー」と言われるようなものが入っている紙袋をいつも持っているということ。
ちなみに私の紙袋の中には、詰め替え用のファブリーズと電気髭剃りである。
まさか女将さんがファブリーズと髭剃りと分かっていて、「好きだねー」と言ったとは考えられない。もしも分かっていたとしたら、その似ている人は僕には想像も付かないがよっぽどの変態だろう。
髭剃りにファブリーズを掛けるのか、ファブリーズの袋の中に髭剃りを入れ、冷蔵庫で冷やして、いや、それとも詰め替え用のファブリーズを充電の切れかけた髭剃りのこの部分で・・・これは答えが出ない。
そんな事をしていると、もう一度入り口で女将さんの「いらっしゃいませ」の声の後に、さっき僕が座っていた席に男性が通され、椅子に腰を降ろした。
40過ぎのよれよれのグレーのスーツを着た頭の禿げ上がった、おじさんである。それだけではない。驚くことは紙袋など一切持っていないし、ビールを女将さんが出した後に、おじさんが発した「ありがとう」が異常になまっていたことだ。
どこを間違えたの?
世の中はまだまだ僕の分からない世界がうようよしている。
[今日の一品]
鍋に切り身がかぶる位の水と日本酒を同量と生姜を一欠け入れ、沸かした後に鯛を入れる。暫く炊いた後灰汁を取り、砂糖少々と味醂と醤油で味を決める。隠元を入れて10分ほど煮付け器に盛り付ける。旨いね。ホッとします。