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今週の中京テレビ「スポーツスタジアム」スポスタは、今季から晴れて2軍監督に就任、ひとあし先に開幕しているウェスタンリーグで辣腕?を振るう井上監督の特集を放送してくれてました。

上に立つ者にしか分からない喜びがある。そして、指導者ゆえの人知れぬ苦悩も。井上一樹、39歳。職業・2軍監督。役職が変わり、新たな喜びを味わった。

井上2軍監督「うれしかったですねぇ。これがオレの(2軍監督としての)初勝利のボールなんだと思ってねぇ」

時には厳しく。もっと明るく元気に。

井上「『あれ?この子、自分のプレーに対して不安に思ってるな』っていうのを察したら、そこでひと言ふた言、必ず声かけてあげる」

日本中で新たな生活が始まるこの季節。1年生監督・井上一樹を追った。


(2日午前8時 ナゴヤ球場)
どんなに朝が早くても、井上は選手を見かけたら必ず声をかける。

井上「準規おはよう」
準規「おはようございます」
井上「きょうお前だろ?、アタマで行くの」
準規「はい!」
井上「しっかり放れよ」
準規「はい」

些細なやりとりを大事にしている。


グラウンドでは選手全員に気を配る。頑張るヤツにはとことん付き合う。みんなのやる気を引き出す。


誰よりも野球、そしてドラゴンズを愛した。そんな男をファンも愛した。ドラゴンズ一筋22年。だが、井上の野球人生は決してエリートではない。

1990年、投手として入団したものの、5年目に打者へ転向。努力を重ねてようやくつかんだレギュラーポジション。プロ野球選手の喜びも苦しみも経験したからこそ、若者との信頼関係を結ぶことができる。

直倫「相変わらず熱い監督で、調子が悪いときでも声をかけてくれたりして、すごく助かってます」

中田亮二「盛り上げてくれるっていう、自分たちのテンションを高めさせてくれるっていう、そういう監督だと思います」

野本「すごい勝ちにこだわるというか、そういう姿勢がすごい見られるんで、選手も奮起すると思います」


3月15日。ウェスタンリーグ開幕戦。井上監督の初采配試合。井上は言う。「エラーや三振は全くかまわない。気を抜いたプレー、手を抜いたプレーは絶対に許さない」と。そんな井上の教えを守り、若者たちは監督に初勝利をプレゼントした。試合後、選手は井上に手渡した。ウィニングボール。選手全員の贈り物。

井上「記念すべきボール的なものを持ってないんですけど、でも、僕の中での初采配でのウィニングボール、『あっそういえば』みたいな感じでいただいたんで…いただいたっていうか、コソッとキャッチャーの松井が持ってきましたから。これは大事に持って帰ります」
スタンドのファン「井上さーん、新しいボールをくださーい」
井上「………聞こえないフリした。これは絶対あげれないもん、だってねぇ(笑)」

コーチは全員年上。そして、ひと回り以上年が離れた選手たちの心を、井上がひとつにする。2軍監督という難しい立場の苦悩。小林コーチは彼の思わぬ素顔を見ていた。

――グラウンドで「考え込んでるなぁ」というのは?
小林コーチ「多少あるよ。たまにはね。たまにはそういうこともある。『うーん、コイツどうしたらいいんだろう?』って多少ね。ふとしたときに。現役時代に、自分のことではそういうことがあったかも分からんけど、今は選手に対しての、ジレンマというか、それはあるんじゃないかとは」


(3月30日 ヤフードーム)
監督だからこそ感じるジレンマ。この日、あの井上一樹が珍しく怒りをあらわにした。試合前、井上はゴールデンルーキー・吉川大幾に走塁の指導を行っていた。監督自ら身ぶり手ぶりで教える盗塁のタイミングに、プロ1年生も真剣に耳を傾けていた。

その4時間後、ゲーム終盤。井上は吉川を代走に送る。さっそく訪れた実戦のチャンス。だが…(タイミング完全アウト、ノースライディングの盗塁死)。ミスはかまわん。だが、気を抜いたプレーは絶対に許さん。井上の表情が曇った。

(ゲーム後、ベンチ前ミーティング)
井上「ねぇ大幾、いま奈良原コーチ言ったけど、あんなこと見せられたら、オレもう使えなくなっちゃうよ。今回はお前に言っておく。猶予を与えておく。ノースライディングなんて考えられない。な?。『打つ瞬間見損ねた』じゃなくて、お前素人じゃないんだよ?もう。プロの世界入ってきたんだよ。な?。仮にもPL学園というエリート学校出てるんだから。『野球知らないの?この人』ってみんなに思われちゃうよ、みんなが見てたら。だろ?。だから今回は猶予与えてやるから。次そんなことあったら、もうホント使わないよオレ。分かった?。それぐらいお前も厳しく受け止めろ。あり得ない。きょうのこの試合忘れるな」


その日の夜。井上の指導者としての苦悩を垣間見た。

井上「厳しい言い方かもしれませんけど、『そんなモン考えられねぇぞ』と、きょうはもうハッキリ言いましたよ。これからね、きょうあの失敗が、吉川大幾という子を大きくするための糧として、彼が受け止めるかどうかですよねぇ。この人のためを思って、自分の気持ちを高ぶらせて怒るっていうのは、たとえば怒られた方はシュンとなったとしても、怒った方も気持ちのいいものではないですよね。それは分かってるんですよ。だから僕も、怒る前に1回かみしめて、この子がホントに受け止めてくれるかどうかっていうことを、ちゃんと自分の中で整理してから言葉にするようにはしてます。どうなんだろ?アイツ自分のこと怖いのかな?(笑)。ホントチラチラとオレがいるとこ探すから」

(試合メモを見る井上監督)
井上「細かくは見せれないけど、たとえばきょう指示したこととか、それから指示したことの反省点っていうのをメモ書きするんですけど」

いくら遅くなろうとも、その日のメモは必ずチェックする。それも大事な仕事だ。


翌朝、井上はひとりでホテル近くの公園を走っていた。公園に集まる人や風景を見ながらのジョギングで、井上は心をリフレッシュさせる。

井上「公園って楽しいなぁ。グラウンドは多少プレッシャーがあるんでねぇ。これはもう全然プライベートな時間なんで」

明るく元気にがモットーの井上。悩む姿や弱い自分を決して人には見せない。そんな井上と旧知の仲、川又が、彼の胸の内を聞いた。

川又「監督業、ずいぶん慣れました?」
井上「慣れましたねぇもうね。キャンプ入って1週間、10日ぐらいですかねぇ、ちょっと浮き足立ってるかなぁって自分でも思ってましたけど。『監督!』なんて遠いところから呼ばれたときに、『…あオレか!』みたいなね、そういうキャンプの始まりでしたけど、今はもう、『あ、これはオレが決めなきゃいけない。これはコーチに任せよう』とか、そういうことは、もう慣れてきました」

川又「ここまで、ものすごく怒った、っていうことはあるの?」
井上「『オレの方針はこれだけだ。簡単だ。気を抜くな、手を抜くな、そしてメリハリを付けろ』っていうことを言ってきたんですね。もちろん試合になればエラーもありますし、みっともない三振もあるんですけども、ただ、行くまでの課程ですよね。彼が一生懸命やってのエラーだったのか、ボールにホントに食らいついての三振だったのか、っていうところを見て、それで『コイツ駄目だわ』っていうところをまだ見せてませんから、僕はまだ真剣に『オラーッ!』って怒ったことはまだないですね」
川又「そういう姿を見てみたいねぇ」
井上「ボク言ってるんですよ。『オレに怒鳴らせるなよ』と」
川又「僕もクラブチームの監督とかやったりしてるんだけど、プロの場合は言ったことに対して、すぐ反応してうまくやれたりとかできると思うんだよね。そんなことない?」
井上「いや、これがねぇ、みんながみんなじゃないですよ。言って、『そうそうそう、あーそうそうそう』ってすぐ言える子と、何回言ってもできない子もやっぱりいますから。だからそれも監督してる中で、ヤキモキする部分と、『そうそうそう』ってすぐ手を叩いて喜んであげられる部分があるっていうのも、面白いところなのかなと思いますねぇ」

川又「じゃあ今はかなり充実してる?」
井上「そうですねぇ。充実してますよ。ありがたいポジションをいただいてるなって。バッティングピッチャーしてあげたりとか、へろへろになるまでティーバッティングを投げてあげたりだとかいうのは、今のところすごく楽しいので、それに『あー、あいつスイングスピード速くなったなぁ』『グラブさばきが良くなったなぁ』っていうのを見ると、何かやりがいがある仕事だなぁって思いますね」

充実した今を送る井上一樹。彼が考える2軍監督の指名とは―。

井上「ドラゴンズが落ちることのないように、必ず代わりが出てくるというか、キチッとしたニューフェースっていうのをしっかり育てていかなきゃいけないっていう部分。あとは人間形成がキッチリできる。『キッチリやりましょう』っていうことを僕は言ってますから。人に迷惑をかけるなと。自分が助けになると思ったら進んでやれ、みたいなことを言ってますから。一社会人として立派な野球選手、野球選手としても立派な野球選手っていうものを育て上げるのが、僕の今置かれている立場…使命っていえば使命ですかねぇ。そういうものを目指してます」
川又「底をしっかり」
井上「きちんとした土台をつくってあげるっていうことですかね」




モコ感想:現役時代とは全く別の意味で、苦悩もあり、また喜びも感じているようですね。コーチ陣は海千山千(笑)の顔ぶれで、みんな井上監督より年上の人ばっかりですが、若い監督を盛り立てるということでは逆にこういう陣容の方がいいのかもしれませんね。

決して真っすぐに現役生活を突き進んだわけではない井上監督だからこそ、してあげられるアドバイスっていうのは少なくなさそうですし、そういう意味でも天職なのかもしれません。井上組の中から、近い将来のドラをしょって立つような選手が数多く出てくることを期待したいと思います。
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