今週の『ドラHOT+』は、ナゴヤドームの放送ブースから生放送。この日の対戦相手・イーグルスの副会長、闘将・星野仙一さんがゲストで登場したほか、終盤には記者会見を終えて駆けつけてくれた荒木との楽しいやりとりもありました。




峰「きょういかがでした、荒木さんの2000本安打。ご自分が(ドラフトで)指名してドラゴンズに入った人が2000本っていうのは、何かまた感慨があるんじゃないですか?」
星野「(立浪)和義は打つだろうと。2000本も2500本も打つだろうという計算はあったんだけど、荒木が2000本は想像しなかったな。必死にトレーニングし、練習し、無事これ名馬という男だね」(すぐ後ろに立浪さんが座ってます)

峰「ドラゴンズが強い時代があったんですけど、あのときはアライバというふたりの刺激もよかったんでしょうかね」
星野「今でも思い出すんだけど、荒木と井端と、いま阪神で活躍してる(福留)孝介、この3人を徹底的に朝から晩までやったね。いまの選手はついてこられないぐらいやったね」

峰「星野さんがそうやって鍛えてくれた糧があるということですよね」
星野「そう思いたいけどね、そのときは憎まれてたからね(苦笑)」
峰「そういうことがあって、いい(2000本を打った直後の)ハグがあったりとかいうのは素晴らしいことですよね」
星野「ユニフォーム脱いだ後に感謝してくれればいいと。ユニフォームを着てるときは憎まれてもいいと。まぁ和義なんかはうま〜く手を抜いてたけどね、アイツは」
立浪「いやまぁそれなりに頑張ってはいたんですけど…ただ星野さんにはみんな感謝してますよね、荒木も含めてですね」

峰「先ほど立浪さんもおっしゃってたんですけど『(荒木が)まさか2000本打つとは思わなかった』。失礼ですけど、みんなそういう感じだったんですか?」
星野「失礼じゃない。ホントにみんなが思ってた。ただ身体能力は、はるかに和義より上」
立浪「はい」
峰「いま守備とか走塁なんかを見てても、やっぱり素晴らしいですもんね」
星野「和義も素晴らしかったんだけど、その上を行ってたね。ドラゴンズでも歴代ナンバーワンぐらいの身体能力じゃない?」
峰「そういうものはあったんですか?」
立浪「ありましたありました」
星野「最初『こんなん使えるかい!』って思ってたの。細かったし高校出だったし、『使えるかい!』って思ってたんだけど、だんだん何か守らせてみたいな、走らせてみたいな、そういう気持ちにこっちがさせられたのね。あとは棒だけ、バットだけだと。マシンに向かってガンガンやっていった結果が2000よ」

峰「誰もが2000本打てるわけじゃないじゃないですか。プロ野球選手のほんのひと握りの人だけじゃないですか。そこまで来るっていうのは、荒木さんでいえば努力っていうことですか?」
星野「まぁ努力は当たり前だけどね。僕なんか努力の固まりだから。僕の嫌なことを選手にやらせてたから(笑)。いやでもホントそう。努力に優るものはねぇなと。でも時々、努力をいっくらしても裏切るけどね。でもユニフォーム脱いだ後の人生に、その努力が役立つのよ」
峰「その上で厳しい指導があったということですね。だから立浪さんも、みんなが感謝してるっていうのはそういうことですね」
星野「ホンマか?お前。ホントに感謝してるか?(笑)」
立浪「ホントに感謝してます(苦笑)」
星野「でも僕はね、メチャクチャ可愛いのみんな」

峰「僕も古くからお付き合いしてるんですけど、選手の言葉なんか聞いてウルウルしてましたもんね、監督時代にね。そういう気持ちが、大きく育った選手を見ると余計可愛くてしょうがないですよね」
星野「そいつらがいろんな球団に散らばって、指導者になってほしいと。なりつつあるけどね」
峰「まだまだちゃんと見ていただかないといけないですね」
星野「うん、まだ死ぬわけにいかんなぁ(笑)」
峰「そういう目で見てくださる方がいると、やりがいも起きると思いますよ」
星野「そうだろねぇ。和義いつ監督やるのかなぁとかね、昌がいつピッチングコーチやるのか、どっかへ呼ばれるのかなとかね。それ楽しみにしてる」

峰「星野シンジケートができますね」
星野「シンジケート(苦笑)そこまでパワーないけどね。でも自分の教え子が指導者になる、これうれしいね」
峰「指導者ができるように育てたっていうのもありますもんね」
星野「われわれの時代はスパルタだったからね。今はそれ通用しないからね。でも楽天にはパワハラっていうのはないんですよ」

峰「時間が迫ってまいりましたけど、もしかしたら荒木さんがこちらにご挨拶に来るかも分からないという」
上山「お時間次第ですね」
峰「来なきゃいけないですよね?」
星野「遅いなぁ。一番最初に来なきゃいけないよ」
峰「会見よりも最初ですよね」
星野「そうだよ。オレはじーっとしてベンチで『次打つか』『次打つか』花束持ってねぇ。花が枯れるんじゃないかと思ったよ」
峰「でもよかったじゃないですか、2打席目で。これが4打席目だったらどうしよう…毎回お待ちになってたんですか?」
星野「そう」
上山「解説席から下まで降りてっていうのを繰り返してらっしゃった」
星野「そうそう」

峰「いらっしゃいました?」
星野「コラ!遅いじゃないか!(笑)」
立浪「おめでとう」
上山「2000安打を達成された荒木選手にお越しいただきました」
荒木「ありがとうございます」
星野「中途半端なバッティングでヒット打ったな。あのときどうだったの?『抜けたー!』って思ったの?」
荒木「(笑)思ってました」
峰「中途半端じゃないですよね?」
荒木「中途半端でした(笑)」
峰「あれ、立浪さんちゃんと振ってたって言ってましたよ」
立浪「中途半端に見えたけど、振ってたよね?ちゃんとね」
荒木「最後は振りました」
星野「いやあれは遠心力で振っただけだって」

峰「今ずっとお話ししてて、まさかこんな立派な選手になるとはっていうことをおっしゃってますよ」
荒木「ホント僕もそう思います」

峰「どうでした?打った瞬間は」
荒木「ホッとしました」
峰「花束を受け取ったじゃないですか。あのときの気持ちはいかがですか?」
荒木「泣きそうになりました」
峰「見てるこっちも泣きそうになりましたもん。やっぱりいいですね、師弟愛っていうのは」
荒木「きょうの日のために打ってきましたから」
星野「ホントよくやった(笑)」

峰「ということでもう時間ということですけども。最後に皆さん拍手で、おめでとうございます」
荒木「ありがとうございます」




モコ感想:星野さんもドラゴンズの監督を長くやられていたので、そのころ星野監督からドラフト指名を受けた選手たち、近藤コーチや立浪さん、タイガースの矢野コーチなど、今は指導者や解説者になっている人が多くいますねぇ。

荒木はドラゴンズ史上ナンバーワンの身体能力の持ち主だった、と星野さんが語っておられましたが、きのう6月7日のゲームでも、あわや1、2塁間を抜けそうな清田の当たりを捕って、暴走気味だったセカンドランナーを刺しにバックホーム、スギがタッチを焦って捕球できなかったので得点されてしまったため、残念ながらプレーとしては成立しませんでしたが、素晴らしい動きでした。高い身体能力は今もまだ衰えていないところを見せつけてくれました。

しかしながら、チームに招き入れてくれた当時の監督が要職を務めるイーグルス戦で達成できたというのも運命なんでしょうかね。花束を渡すシーンは感動的でした。

ひとまず大きな区切りの記録には達しましたが、まだまだチームの先頭に立って引っ張っていってほしいと思います。
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