まずは三兄弟と飛猿のシーン。三兄弟がみせたネタはいつも通りだったが、飛猿は「どうしてお前ら最後まで、そんなに自信なさそうなんだ?」と。ははは、たしかに。そして、「メイサ、どう思う?」といきなりメイサちゃんにふる。メイサちゃん、びっくり。さすがにとまどっていてちょっと間があいたが「こいつら、まったく役に立たない」と。きゃははは。ナイス。
うきはが登場してから。うきはにやられて「痛い,痛い」と転げ回る飛猿。いつもよりかなり長く回ったので、途中で斗真もメイサちゃんも吹き出しそうに。飛猿「いつもより2回も多くまわっちゃったじゃないか!」。そして、「あずみ、その男には気をつけろ!」の後、毎回、斗真のネタをいろいろ言う訳だが、この日は昼も夜も同じで「その男は、スタバのおねえちゃんに『俺、生田斗真だけど、今、舞台出てて、俺がすごくカッコいいから見に来て。4日までやってるから。』と言い、何も買わずに出て来た」と。
昼は、いつも通り、飛猿の言葉を無視してそのまま芝居を続けた。ところが夜は、飛猿がいった後、メイサちゃんが「うきは、さっきのはホントなのか?」といきなりつっこみ。メイサちゃんが飛猿のアドリブをあんなふうに拾うなんて、さすがは大千秋楽。斗真もそうくるとは思ってなかったみたいで、ちょっと笑いながら「ラテを買った」とうきはモードで。きゃはは。これがあまりにおかしくて、しばらく後を引いてしまった。
客いじりの影武者。清正のリクエストは「いかにも大阪のおばちゃん」。これを赤坂くんがまったく笑わずに言うのがおかしくて。赤坂くんは、大真面目な顔して、お客さんに向かって「殿!」って言うし、ほんとにこのシーンで笑わずにがんばるので、いつもそれがいっそうおかしかったなあ。
三兄弟が仕官の面接をうけるシーン。いつも通り3回不合格になった後、三郎がやったネタは電話相談。「もしもし?僕の友達で、30過ぎてもローラースケート履いてシャカリキコロンブスとか言っている人がいるんですけど、だいじょうぶでしょうか?」ははは、これは赤坂くんのことなわけで、それをうけた赤坂くん「無礼者!!」と膝を立てて刀を持ったのかな。うまいっ!!勘兵衛に「無礼者!」と言われてしまっては、今回も三兄弟は「不採用」ってことで。
そして、じいと勘兵衛の立ち会い。巻き戻したときの最後、「手がどうだったっけな」って感じの動作は東京の最後の頃にやっていたのだが、この日は、最後、右手を左手を見比べて「どっちだっけ?」というフリ。それをうけて斗真が右手でやってみせて教えて上げるというアドリブ。それをじいはまじめな顔でやるもんだからおかしくて。斗真たちも下を向いて笑っていた。特に斗真はかなり笑ってしまっていたな。
秀頼とあずみのシーン。あずみに贈り物をあげたいとごねる秀頼。普段は、床に仰向けになって手足をばたつかせるのだが、大千秋楽は、後半、飛猿の「いたい、いたい」とゴロゴロ回るのを秀頼が。かわいい〜〜。そしてコマを回すところ。いつもは、自分が回るときはターンをするわけだが、今回は、側転。おお〜〜。そうきたか。やっぱりかわいい〜〜。
アドリブはこんな感じかな。
「あずみ2」予告編の補足。斗真の役は織田武信。黒川くんは金井虎之介、吉浦くんは立花彦四郎。この二人、どっちがどっちというのは、マンガで「あずみを好きだ」と言う順番から。
カーテンコールの補足。メイサちゃんの挨拶の中で「稽古がきつくて、ムカツクくらいだったけど」って言葉があった。そして「最後は秀頼さまとのところでは噛んじゃったし、(ハセジュンにむかって)秀頼様、ほんとにごめんなさい。(ハセジュン、「だいじょうぶ、だいじょうぶ」という笑顔)、こんな声だし、みなさん、ごめんなさい。そしてほんとにありがとう。」って感じだったかな。あと、斗真は最初に「こんな赤い髪ですみません」って言ってた。「泣きそう」って言っていたのはその後。
以上がレポ。以下、私の感想。
センターブロックでみると、表情がよくみえるのもいいのだが、私にとっては、なによりもセリフがより生で聞こえるのが嬉しい。
昨日も書いたが、大千秋楽、どの役者さんもほんとうに気持がこもった芝居をしていたと思う。セリフのひとつひとつに心を込めてしゃべっていたように感じた。秀頼は、前半、よりはじけていて、かわいくて、ほんとにあずみを好きで好きでという気持が溢れていたし、「あずみを守る」ために城門をあけさせるところは、あずみに語りかけるときの優しい感じと、家臣たちに向かって凛々しく言い放つところのメリハリがより強くなった。「あずみはすごいな」ってあたりからの優しい語りがほんとによかった。秀頼の最後のシーン、いきなり刀を抜いて切り捨てるところのカッコいいこと。あのあたり、実際、うまくなったなあと思う。ああダメだ、秀頼を思い出すだけで泣けてしまう。
秀頼の最後の前、淀君にも泣かされてしまった大千秋楽。それまでの強い態度が一変、あずみに秀頼を頼むところがほんとに優しくて、秀頼を思う母の気持が伝わって来て、このシーンであまり泣いたことはないのだが、このときは涙がボロボロ。もう、最後だと思ってみてたせいか、必要以上に泣きモードだったのかもしれない。
うきはとあずみが指切りしようとするところで、仲をさくように「くせ者じゃ〜」と叫ぶのは秀頼。うきはのプロポーズにも泣けたのだが、「余はいったい、何をしていたのじゃ」と言う秀頼の切なさにも泣けたね。
そしてうきは。とにかく、歌いながらの立ち回り、風まで吹いてかっこいいったらないわけで、あの中で、あずみの肩を抱いてかばうようにセンターに出てくるところがすごい好き。斗真の歌は口パクだけど、去年よりうまいと思うので、録音し直したんじゃないかなあ。斗真は、とにかくセリフに説得力があって、ほんとにいい舞台役者になったと思うが、それだけ声がしっかり出るようになって、歌もよくなったんじゃないのかな。斗真の歌が聴きたいなあ。
あずみと戦って、あずみを助けるシーンは、だんだん傷ついていくところがたまらない。最後の最後にもう一度、前に出てきたときの斗真の気迫がすごかったし、「俺の剣はあずみを守るためにある。・・・ここで死んでも、俺はお前のそばにいる」というセリフがほんとに胸にしみた。
仲間をすべて失ったあずみに、飛猿が「秀頼様を助けてくれ」というところ。「おまえじゃなきゃダメなんだ、おまえじゃなきゃ」が、やっぱりくるんだよね。意識的にうきはと同じ言葉を使っているのだろうが、こういうところがうまいよね。秀頼も、城門を開けるとき、「あずみのことは余が必ず守る」と言うのだが、それもうきはのセリフとダブるわけで、私はそのセリフにも弱い。
三兄弟は、大千秋楽は、「予定より人数が多いな」と言ったので、逃げてしまうのかと心配したが、やはり清家さんが「俺の地元じゃ〜」と戦ってくれたので、やはりそこで涙。だって、清家さんの動きがよくてほんとにかっこいいし。
あずみが家康を斬るところ、メイサちゃんの声が枯れちゃっていても、メイサちゃんの顔を見ているだけで泣けた。ほんとにいい目をしているなあ。
で、最後はやっぱり勘兵衛。赤坂くんは今年から参加だったわけだが、勘兵衛はどんどんよくなったなあ。立ち姿が完璧に剣客で、最初から十分及第点だったが、公演を通じて、立ち回りは更にうまくなったし、勘兵衛の人物像も深みをまして、とにかく最後のシーンのセリフと表情の穏やかさにほんとに泣かされた。
去年、最初に見たとき、ここまでハマるとは思わなかった。斗真は最初からめちゃくちゃカッコよかったけど、ハセジュンがものすごくよくなったのが大きいなあ。去年の最初と最後で全然違ったし、去年の最後と今年の最初も違ったし、今年の公演の中でも、さらにどんどんよくなって、本当にチャーミングで魅力的な秀頼になった。斗真は、今年はさらに迫力が増していたし、メイサちゃんも殺陣も芝居もうまくなって、パワーアップしていた今年の公演。何回も見ると、殺陣がほんとによくできているのわかって、そういうところも好きだった。清家さん、ありがとう。
そして、岡村さん、小山先生、スタッフのみなさん、キャストの皆さん、本当にすてきな舞台をありがとう。また帰って来てくれることを待ってます。