2008年04月11日
第184話 「ラブ オア ゼロ」
「ええっと、カロリーゼロので良いんすか?」
「は?」
「それともライトにします??」
真夏のリハの後、スタジオの外に出て自動販売機の前での四人。
「・・・・・あのな、お前な」
「はあ」
「コーラっていったら赤い缶にキマってんだろ?それ以外にあるか?」
「はあ、でも今ならカロリーオフのやつとか」
「分かってないなあ、なんだ?お前そんなの飲むのか?」
「だいたい俺カロリーオフのやつ」
「やっぱりお前は贅沢もんだよなあ」
「??」
「なんでわざわざカロリーオフなんて飲む必要あんのよ?」
「だって太ったら格好悪いし・・・」
「馬鹿じゃねえの!太って困るんなら水飲めよ、ジュースなんて買うんじゃネエよ!」
「で、でも」
「でもじゃねえだろ!良いか?世の中には栄養やカロリーが足んなくて死んでいく奴らがいっぱいいるんだぞ。俺らは恵まれれててよ、そんな奴らの分もちゃんと飲み食いしなきゃいけねえだろ。金払って食べて、血にも肉にもならねえなんて馬鹿にしてんだろ!なあルー??」
「あ、ああそうだな」
「え?トールさんいつも低カロリーの・・・」
「うるせえ!俺と行ったら赤だろ!コークも赤い缶に決まってんだろ!」
「はあ、」
「つう事で赤い缶のコーラ4本な、山本さんも同じで良いんですよね?」
「ああ、俺はファンタのグレープにしようかと」
「「「はあ???」」」
「は?」
「それともライトにします??」
真夏のリハの後、スタジオの外に出て自動販売機の前での四人。
「・・・・・あのな、お前な」
「はあ」
「コーラっていったら赤い缶にキマってんだろ?それ以外にあるか?」
「はあ、でも今ならカロリーオフのやつとか」
「分かってないなあ、なんだ?お前そんなの飲むのか?」
「だいたい俺カロリーオフのやつ」
「やっぱりお前は贅沢もんだよなあ」
「??」
「なんでわざわざカロリーオフなんて飲む必要あんのよ?」
「だって太ったら格好悪いし・・・」
「馬鹿じゃねえの!太って困るんなら水飲めよ、ジュースなんて買うんじゃネエよ!」
「で、でも」
「でもじゃねえだろ!良いか?世の中には栄養やカロリーが足んなくて死んでいく奴らがいっぱいいるんだぞ。俺らは恵まれれててよ、そんな奴らの分もちゃんと飲み食いしなきゃいけねえだろ。金払って食べて、血にも肉にもならねえなんて馬鹿にしてんだろ!なあルー??」
「あ、ああそうだな」
「え?トールさんいつも低カロリーの・・・」
「うるせえ!俺と行ったら赤だろ!コークも赤い缶に決まってんだろ!」
「はあ、」
「つう事で赤い缶のコーラ4本な、山本さんも同じで良いんですよね?」
「ああ、俺はファンタのグレープにしようかと」
「「「はあ???」」」
2008年04月09日
第183話 「マネー オア ラブ」
「よ!」
「「「あ?」」」
「あのさ、こいつ鏡子。練習見たいって言うんで連れてきたんだわ」
「「「はあ・・・」」」
リハにやって来た風間。イキナリ女を同伴で面食らうメンバー。
基本的に大吉はその活動に女人を絡めた事はなかった。プライベートでは各自自由であったがバンド活動にそれを持ち込む事は暗黙の了解のようになっていた。
リハが終わると風間はとっとと鏡子という女性と帰っていった。
そして残りのメンバーがラーメン屋でミーティング。
「つうか何なんだよあの女は??」
「あまりに突然なんで吃驚しましたよ」
「俺が思うに二人は突き合ってるな」
「それを言うなら付き合うじゃないですか??」
「ああ、そうとも言う」
「おいおい、そんな事は別に良いじゃんか。それよりも今後の事よ。俺たち今良い感じできてるわけじゃない。それをなんだか分けわかんねえ女に壊されたくないわけ。わかんだろ??」
「そうね、分からないでもないかもしれない」
「つうか、どっちなのかよくわかんないっすよ!」
「「「どうする??」」」
「「「あ?」」」
「あのさ、こいつ鏡子。練習見たいって言うんで連れてきたんだわ」
「「「はあ・・・」」」
リハにやって来た風間。イキナリ女を同伴で面食らうメンバー。
基本的に大吉はその活動に女人を絡めた事はなかった。プライベートでは各自自由であったがバンド活動にそれを持ち込む事は暗黙の了解のようになっていた。
リハが終わると風間はとっとと鏡子という女性と帰っていった。
そして残りのメンバーがラーメン屋でミーティング。
「つうか何なんだよあの女は??」
「あまりに突然なんで吃驚しましたよ」
「俺が思うに二人は突き合ってるな」
「それを言うなら付き合うじゃないですか??」
「ああ、そうとも言う」
「おいおい、そんな事は別に良いじゃんか。それよりも今後の事よ。俺たち今良い感じできてるわけじゃない。それをなんだか分けわかんねえ女に壊されたくないわけ。わかんだろ??」
「そうね、分からないでもないかもしれない」
「つうか、どっちなのかよくわかんないっすよ!」
「「「どうする??」」」
2007年09月11日
第182話「タイム イズ マネー」
「つうかさ、〈メジャー感〉ってどうなのよ??」
「ああ、」
ここは川林のアパート。
ホップス片手にセブンスターの川林、
エビアン水とカクテルバーを並べて飲みながらの風間。
「『お前らプロになりたいのか?そこらへんのナリキリバンドマンのお兄ちゃんたちで良いのか??』だってよ!」
「そりゃあプロになりたいわな」
14型のテレビデオからストーンズのライブ映像が流れている。ブライアンジョーンズ追悼のハイドパークのライブだ。
「『ポズンジェラシー』も『フライバード』も没、、、」
「アレンジかえたり、結構粘ったんだけどな」
「もう2ヶ月も通ってんのによ」
「結局最後は『メジャー感が感じられない』で終わりだもんな」
「結局メジャー感かあ」
「ふう・・・・」
さっきもリハの後、ラーメン屋でさんざん話した話題だった。
山本と淡口と別れ二人で蒸し返していた。
〈エクスペリエンス〉と契約して月日が経っていた。メジャーレコードデビューを目指しパートナーシップをとりともに頑張って行くという内容。
担当のディレクターがついているのだが、〈大吉〉の持っていく楽曲に中々首を縦に振ってくれない事から平行線をたどっている。
「また、アレンジし直しだな」
「まあ、シャアネエだろ」
「曲変える?」
「それもなあ、なんか負けた感じがして気が進まないよな」
川林が煙を吐き出す。
風間がため息をつく。
霧雨のような雨がアパートを包み込む。
貨物電車の走る音がたまに聞こえる。
「ま、いずれにせよまた来週だしよ。俺もまたアイディア出してみるわ。そんじゃあな!」
「あ、もう帰んの?雨だぜ」
「まあ、ちょっと濡れて行くわ。そんな気分」
白のジャックパーセルを引っ掛けて風間が帰って行った。
仰向けになり天井を見ながら川林がつぶやく。
「『そんな気分』か・・・・。俺には時間がないんだよな・・・・」
静かな夜。となりの部屋のおっちゃんのいびきが聞こえる。
「ああ、」
ここは川林のアパート。
ホップス片手にセブンスターの川林、
エビアン水とカクテルバーを並べて飲みながらの風間。
「『お前らプロになりたいのか?そこらへんのナリキリバンドマンのお兄ちゃんたちで良いのか??』だってよ!」
「そりゃあプロになりたいわな」
14型のテレビデオからストーンズのライブ映像が流れている。ブライアンジョーンズ追悼のハイドパークのライブだ。
「『ポズンジェラシー』も『フライバード』も没、、、」
「アレンジかえたり、結構粘ったんだけどな」
「もう2ヶ月も通ってんのによ」
「結局最後は『メジャー感が感じられない』で終わりだもんな」
「結局メジャー感かあ」
「ふう・・・・」
さっきもリハの後、ラーメン屋でさんざん話した話題だった。
山本と淡口と別れ二人で蒸し返していた。
〈エクスペリエンス〉と契約して月日が経っていた。メジャーレコードデビューを目指しパートナーシップをとりともに頑張って行くという内容。
担当のディレクターがついているのだが、〈大吉〉の持っていく楽曲に中々首を縦に振ってくれない事から平行線をたどっている。
「また、アレンジし直しだな」
「まあ、シャアネエだろ」
「曲変える?」
「それもなあ、なんか負けた感じがして気が進まないよな」
川林が煙を吐き出す。
風間がため息をつく。
霧雨のような雨がアパートを包み込む。
貨物電車の走る音がたまに聞こえる。
「ま、いずれにせよまた来週だしよ。俺もまたアイディア出してみるわ。そんじゃあな!」
「あ、もう帰んの?雨だぜ」
「まあ、ちょっと濡れて行くわ。そんな気分」
白のジャックパーセルを引っ掛けて風間が帰って行った。
仰向けになり天井を見ながら川林がつぶやく。
「『そんな気分』か・・・・。俺には時間がないんだよな・・・・」
静かな夜。となりの部屋のおっちゃんのいびきが聞こえる。
2007年06月10日
第181話「タイム アフター タイム」
「おーーっす!オケオメ!!」
「うっす」
「おめでとうございます!」
「今年も4649!」
1995年正月。〈大吉〉初練習@新中野の〈スタジアム〉。帰省したメンバーあり、そのままステイした者あり、新年初顔&音合わせの巻。
リフレッシュしたメンバーが集う。
「まずはこれ、俺からのお土産な!」
川林が紙袋から取り出す。神戸名物〈外人墓地センベエ〉
「凄いなこれ」
「頂きます!」
「おお、サンクス」
「で、みんなは?」
「俺地元なんで」
「格好つけやがってこのやろう!埼玉だったら草加センベエくらい持って来いよな」
「スンマセン・・・」
「俺は帰ってないから」
「ま、ジュンジュンは良いとして山本さんは??」
「ああ、スマン、実家に帰ったは帰ったんだが色々とバタバタしてお土産を買っている暇がなかった・・・」
「また言い訳っすか??じゃあこの後、新年1発目のご馳走として鮨あたりお願いしますね!!」
「あ、ああ・・・」
「俺なんか凄いぜ、もう一発お年玉だから。実はさ、去年オーディションバリバリ応募したジャン、そんで一件連絡が来ました!!」
「「「おおお!」」」
「何処のレコード会社よ?」
「それがレコード会社じゃないんだけどさ」
「「「?」」」
「なんかの音楽事務所なんだったてさ」
「でもテープ送ったのって全部どっかのレーベルだったジャン」
「そのテープを聞いてじゃなくて、どうやらライブのフライヤーを見て連絡してきたのよ」
「はあ?」
「そんでテープを送ったらまた連絡がきて、気に入ってくれたみたいで是非会いたいと!」
「ふーん」
「なんか怪しいんじゃないですか?」
「なんか臭うな」
「臭うのは山本さんの革ジャンだけっすよ!」
「そ、そうか、結構陰干ししたりしてるんだが・・・」
「もっと詳しく聞かせろよ」
「今日、また電話して詳しく聞く事になってるわけ。そんでまたみんなに発表するわ!」
「なんか良くわかんねえけど、まあ気に入ってくれてるって言うのは嬉しいわな」
「だろ?あのテープでビビっと来たって言うのは結構良いセンスしてると思うわけ」
「他のとこは?」
「全然音沙汰なし」
「そっかあ」
「まあ俺達の才能ってのもさ、ある意味いち早くみつけた奴がラッキーって言うか」
「まあ早いもん勝ちってのはあるわな」
「でしょ?つーことでバッチリそこらへん聞いておくからさ」
「今年は俺も本腰入れて頑張ろうと思っているわけで・・・」
「山本さん!去年は本腰じゃなかったってコトすか?」
「い、いや、そう言う訳ではない」
「今年はマジで頼みますよ!録音だって一発どりだと山本さんのおかげで難航するんすから」
「それでだ・・・・」
おもむろに振り返り大きな紙袋を出す。
「これをゲットしてきた」
「「「おお!」」」
タスカムのカセットテープ用8トラックMTR。
「これなら納得いくまでレコーディングに打ちこめると思って。中古で安いところをみつけた」
「流石は山本さん!」
「よ、ヴァギー!男前」
「これで山本さんがいくら間違っても大丈夫ですね」
「「「あ」」」
「ス,スイマセン」
「お前、せっかく大きな買い物した山本さんに失礼だぞ」
「そうだぞ、確かに山本さんのミスによる録音のリスクは減るけど、それだけのためにわざわざ買ったわけじゃないっすよね?」
「ああ、これで録音のクオリティーも上がるはずだ」
「「そっすよ」」
「よし!早速試してみましょうよ。おい、お前!生意気言った罰としてカセットテープ買って来い!」
「は、はい・・・」
「ああ、このマシンはハイポジ専用になっている」
「分かりました!!!」
〈大吉〉の新年が始まる
「うっす」
「おめでとうございます!」
「今年も4649!」
1995年正月。〈大吉〉初練習@新中野の〈スタジアム〉。帰省したメンバーあり、そのままステイした者あり、新年初顔&音合わせの巻。
リフレッシュしたメンバーが集う。
「まずはこれ、俺からのお土産な!」
川林が紙袋から取り出す。神戸名物〈外人墓地センベエ〉
「凄いなこれ」
「頂きます!」
「おお、サンクス」
「で、みんなは?」
「俺地元なんで」
「格好つけやがってこのやろう!埼玉だったら草加センベエくらい持って来いよな」
「スンマセン・・・」
「俺は帰ってないから」
「ま、ジュンジュンは良いとして山本さんは??」
「ああ、スマン、実家に帰ったは帰ったんだが色々とバタバタしてお土産を買っている暇がなかった・・・」
「また言い訳っすか??じゃあこの後、新年1発目のご馳走として鮨あたりお願いしますね!!」
「あ、ああ・・・」
「俺なんか凄いぜ、もう一発お年玉だから。実はさ、去年オーディションバリバリ応募したジャン、そんで一件連絡が来ました!!」
「「「おおお!」」」
「何処のレコード会社よ?」
「それがレコード会社じゃないんだけどさ」
「「「?」」」
「なんかの音楽事務所なんだったてさ」
「でもテープ送ったのって全部どっかのレーベルだったジャン」
「そのテープを聞いてじゃなくて、どうやらライブのフライヤーを見て連絡してきたのよ」
「はあ?」
「そんでテープを送ったらまた連絡がきて、気に入ってくれたみたいで是非会いたいと!」
「ふーん」
「なんか怪しいんじゃないですか?」
「なんか臭うな」
「臭うのは山本さんの革ジャンだけっすよ!」
「そ、そうか、結構陰干ししたりしてるんだが・・・」
「もっと詳しく聞かせろよ」
「今日、また電話して詳しく聞く事になってるわけ。そんでまたみんなに発表するわ!」
「なんか良くわかんねえけど、まあ気に入ってくれてるって言うのは嬉しいわな」
「だろ?あのテープでビビっと来たって言うのは結構良いセンスしてると思うわけ」
「他のとこは?」
「全然音沙汰なし」
「そっかあ」
「まあ俺達の才能ってのもさ、ある意味いち早くみつけた奴がラッキーって言うか」
「まあ早いもん勝ちってのはあるわな」
「でしょ?つーことでバッチリそこらへん聞いておくからさ」
「今年は俺も本腰入れて頑張ろうと思っているわけで・・・」
「山本さん!去年は本腰じゃなかったってコトすか?」
「い、いや、そう言う訳ではない」
「今年はマジで頼みますよ!録音だって一発どりだと山本さんのおかげで難航するんすから」
「それでだ・・・・」
おもむろに振り返り大きな紙袋を出す。
「これをゲットしてきた」
「「「おお!」」」
タスカムのカセットテープ用8トラックMTR。
「これなら納得いくまでレコーディングに打ちこめると思って。中古で安いところをみつけた」
「流石は山本さん!」
「よ、ヴァギー!男前」
「これで山本さんがいくら間違っても大丈夫ですね」
「「「あ」」」
「ス,スイマセン」
「お前、せっかく大きな買い物した山本さんに失礼だぞ」
「そうだぞ、確かに山本さんのミスによる録音のリスクは減るけど、それだけのためにわざわざ買ったわけじゃないっすよね?」
「ああ、これで録音のクオリティーも上がるはずだ」
「「そっすよ」」
「よし!早速試してみましょうよ。おい、お前!生意気言った罰としてカセットテープ買って来い!」
「は、はい・・・」
「ああ、このマシンはハイポジ専用になっている」
「分かりました!!!」
〈大吉〉の新年が始まる
2007年06月03日
第180話「イット イズ タイム」
「山本さん、いつもスイマセン」
「おう」
雨の中の青梅街道。山本の愛車〈スズキワゴンR〉の車中に淡口と二人。リハが終わり、軽いミーティングの後、風間と川林を降ろし淡口の自宅、和光経由で東村山のアパートへ帰る。これがいつものパターンだ。
遅刻する事を避ける為に淡口は行きは電車を使う。終電がなくなる帰りは山本にお世話になると言うわけだ。
「ところでリュージ」
「はい?」
「お前、ライブであまりお客さん呼んでないような気がするんだが?」
「はあ」
「前のバンドでは結構ファンとかいたんじゃないのか?」
「はい」
「女の取りまきとか」
「はあ」
「どうした?」
「それなんすけどね、俺、結構強引にバンド抜けたんでメンバーからハブにされてるんすよ。そんで女達もメンバーに気遣って俺を避けてるんです。誘っても来てくんないんすよ。ビジュアル系の人間ってつながり強いから難しいんです。それが何か?」
「そうか、いや別に・・・・」
ちょっと残念そうな山本。
「それより山本さんは何で正式にメンバーになろうって思ったんすか?俺が入る時と一緒でしたよね?」
「あ、ああ」
あの時の事を思い出す。淡口が入り女のファンも増えるんじゃないかと下心満点で加入を宣言したあの日・・・。
「俺もギター弾きとして音楽と関わっていたかったし、まあその為ならドラムでも良いかなと。ギター弾きって結構余ってるからな」
「確かにそうっすよね。トールさんもギタリストなのに今はベースだし、俺なんか恵まれてんのかなあ」
「お前のギターはなかなか味わいがあって良いと思うぞ」
「あざっす。トールさんに言われたとおりに弾いてるだけなんすけどね!」
「まあな」
「でもブッチャケ今じゃもうバンドブームも終わってるし、メジャーになるって言っても結構難しいと思うんすよね」
「そうか?」
「今はビジュアル系じゃないすか?あとはなあヒップホップみたいな奴かなあ、商売になるのは」
「お前結構現実的だな」
「オヤジが商売してるんで!でもトールさん達とバンドやるって事に喜び感じてるんで」
「そっか」
「あと俺、来年引っ越ししますんで。いつまでも親のすねかじってんじゃネエ!って言われてるし、気合入れて独立っす」
「そっか」
「そしたら山本さんも俺を送る手間も省けるし、睡眠不足も解消されるんじゃないですか?」
「そうだな。確かに先週はトータルで3時間しか寝れなかった」
「マジっすか???だって練習の日は分かりますけど週2回っすよ!他の日は何してんすか??」
「まあ、色々と野暮用があってな。庭の草むしりとかベランダの掃除とか」
「庭ってアパートっすよね?ベランダは分かるとして、庭があるんすか??」
「大家さんのな。高齢の方だから手伝ってるんだ」
「夜にっすか?」
「ああ、まあそんな時もある」
「・・・・・・・・・・」
フロントガラスに叩きつける雨粒。さっきより強くなってきたようだ。ワイパーを1段階早くする。
「まあ、俺達二人、あの二人の足引っ張らないように頑張るしかないっすね」
「ああそうだな。。」
お互いにずっと先の方を見つめながら会話を交わす。車は少ない
「なあリュージ?」
「・・・・・・・・・・・・」
「おいリュージ?あ、」
「zzzzzzzzzzzzzzzzz」
「なんだ寝ちまったか」
カーステレオを上げる。ビートルズのヤーブルースがうねりを上げる。
「おう」
雨の中の青梅街道。山本の愛車〈スズキワゴンR〉の車中に淡口と二人。リハが終わり、軽いミーティングの後、風間と川林を降ろし淡口の自宅、和光経由で東村山のアパートへ帰る。これがいつものパターンだ。
遅刻する事を避ける為に淡口は行きは電車を使う。終電がなくなる帰りは山本にお世話になると言うわけだ。
「ところでリュージ」
「はい?」
「お前、ライブであまりお客さん呼んでないような気がするんだが?」
「はあ」
「前のバンドでは結構ファンとかいたんじゃないのか?」
「はい」
「女の取りまきとか」
「はあ」
「どうした?」
「それなんすけどね、俺、結構強引にバンド抜けたんでメンバーからハブにされてるんすよ。そんで女達もメンバーに気遣って俺を避けてるんです。誘っても来てくんないんすよ。ビジュアル系の人間ってつながり強いから難しいんです。それが何か?」
「そうか、いや別に・・・・」
ちょっと残念そうな山本。
「それより山本さんは何で正式にメンバーになろうって思ったんすか?俺が入る時と一緒でしたよね?」
「あ、ああ」
あの時の事を思い出す。淡口が入り女のファンも増えるんじゃないかと下心満点で加入を宣言したあの日・・・。
「俺もギター弾きとして音楽と関わっていたかったし、まあその為ならドラムでも良いかなと。ギター弾きって結構余ってるからな」
「確かにそうっすよね。トールさんもギタリストなのに今はベースだし、俺なんか恵まれてんのかなあ」
「お前のギターはなかなか味わいがあって良いと思うぞ」
「あざっす。トールさんに言われたとおりに弾いてるだけなんすけどね!」
「まあな」
「でもブッチャケ今じゃもうバンドブームも終わってるし、メジャーになるって言っても結構難しいと思うんすよね」
「そうか?」
「今はビジュアル系じゃないすか?あとはなあヒップホップみたいな奴かなあ、商売になるのは」
「お前結構現実的だな」
「オヤジが商売してるんで!でもトールさん達とバンドやるって事に喜び感じてるんで」
「そっか」
「あと俺、来年引っ越ししますんで。いつまでも親のすねかじってんじゃネエ!って言われてるし、気合入れて独立っす」
「そっか」
「そしたら山本さんも俺を送る手間も省けるし、睡眠不足も解消されるんじゃないですか?」
「そうだな。確かに先週はトータルで3時間しか寝れなかった」
「マジっすか???だって練習の日は分かりますけど週2回っすよ!他の日は何してんすか??」
「まあ、色々と野暮用があってな。庭の草むしりとかベランダの掃除とか」
「庭ってアパートっすよね?ベランダは分かるとして、庭があるんすか??」
「大家さんのな。高齢の方だから手伝ってるんだ」
「夜にっすか?」
「ああ、まあそんな時もある」
「・・・・・・・・・・」
フロントガラスに叩きつける雨粒。さっきより強くなってきたようだ。ワイパーを1段階早くする。
「まあ、俺達二人、あの二人の足引っ張らないように頑張るしかないっすね」
「ああそうだな。。」
お互いにずっと先の方を見つめながら会話を交わす。車は少ない
「なあリュージ?」
「・・・・・・・・・・・・」
「おいリュージ?あ、」
「zzzzzzzzzzzzzzzzz」
「なんだ寝ちまったか」
カーステレオを上げる。ビートルズのヤーブルースがうねりを上げる。



