辞世千人一首 ウエブ公開版

古今の和歌辞世千人・1000首を集成した貴重資料です。配列は時系列順。のちに「辞世づくりガイド」も載せる予定です。

辞世詠976 村松信郎 むらまつのぶろう 

胸のうち(から)になれと喀き喀くに はや堪へがたし血汐のにほひ

●教師で歌人。昭和二十八年(1953)病没、享年28

辞世詠975 釈迢空〔折口信夫〕 しゃくちょうくう 

いまははた 老いかがまりて 誰よりも かれよりも低き しはぶきをする

●国文学者・民俗学者で歌人。昭和二十八年(1953)九月三日病没、享年六十六。

辞世詠974 斉藤瀏 さいとうりゅう 

(いき)にほこり(しに)にほこりて現身(うつしみ)の わが尊さを行き(とほ)してむ 

●軍人で歌人。昭和二十八年(1953)七月五日病没、享年七十四。

辞世詠973 三井甲之 みついこうし 

ますらをのかなしきいのちつみかさね つみかさねまもるやまとしねまを

●国家主義の歌人。昭和二十八年(1953)四月三日病没、享年六十九。

辞世詠972 斎藤茂吉 さいとうもきち 

いつしかも日がしづみゆきうつせみの われもおのづからきはまるらしも

●歌人。昭和二十八年(1953)二月二十五日病没、享年七十二。

辞世詠971 若木規夫 わかぎのりお 

血尿垂りモルヒネ中毒となり 死を待つ特攻隊員たりしわが末路

●伝未詳も、昭和二十七年(1952)病没。


辞世詠970 土井晩翠 どい(つちい)ばんすい 

身にあまるほまれをうけて唯なみだ 感謝をさゝぐ一切の恩

●詩人で英文学者。昭和二十七年(1952)十月19日病没、享年八十二。

*いくつかある詩碑の一つにある一首。仙台青葉城跡に建てられた「荒城の月」を記念した際の遺詠である。


辞世詠969 木村光太郎 きむらこうたろう 

六尺の臥床に思ひかけめぐる 総てをいまだあきらめ切れず

●会社員で歌人。昭和二十六年に病没、享年四十。

辞世詠968 岡 麓 おかふもと 

つれだちて逝けりとならばいとせめて なぐさまましをわが妻わが子

●歌人で書家。昭和二十六年(1951)九月七日病没、享年七十五。

*便箋に残された遺詠八首の一。

辞世詠967 永井隆 ながいたかし 

白ばらの花より香り立つごとく この身をはなれ昇りゆくらむ

●医学者。昭和二十六年(1951)五月一日病没、享年四十三。

*長崎での被爆で白血病にかかり死亡。病床記『長崎の鐘』はベストセラーに。

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