2010年07月16日
『文字をつくる 9人の書体デザイナー』のデザインコンセプト その2
『文字をつくる 9人の書体デザイナー』のデザインコンセプトを、ブックデザインを担当してくださった山口信博さん、大野あかりさんに聞くシリーズその2。
前回は、本全体のデザインコンセプトと、使用している書体についてのお話を載せました。続く今回は、カバーデザインと写真についてのお話です。さっそくどうぞ。
(本の外観写真:撮影 雨宮秀也)
* * * *
山口信博さん、大野あかりさんに聞く
『文字をつくる 9人の書体デザイナー』デザインコンセプト その2
■ カバーのデザインについて
雪さんの文章を読んで、書体デザイナーの方々の文字に対する考えかたや、文字をデザインする時の発想のしかた、その制作のプロセスに、こんなにも違いがあるのかと驚きました。
その違いを、日本語の単位である正方形を使ってアイコンとしてグラフィカルに表そうと考えました。
この本では無色透明なデザインを心がけましたが、唯一イメージ的で恣意的な部分です。
それぞれの形の意味は、見る人に自由に想像していただけたらと思いますが、このデザインの理由を簡単に説明させていただきます。
〈鳥海修さん〉
文字が「空気や水のように」あたりまえの存在であってほしいという鳥海さんの言葉から、シンプルに、白い正方形にしました。
〈杉本幸治さん〉
文字をデザインするというよりは、設計するという感覚に近いという杉本さん。精密な数値を用いて文字を作る様子を、グリッドで表しています。
〈鈴木功さん〉
文字設計をプロジェクトとして考えておられる鈴木さん。長体の展開まで初めから構想に入れてデザインしたというアクシスフォントのイメージから。
〈西塚涼子さん〉
かづらき書体のイメージです。正方形のマス目から解放された、自由でのびやかな日本語の散らし書きの雰囲気が出せたらと思いました。
〈大平善道さん〉
写植オペレーターからスタートされた大平さん。カメラマンの雨宮さんが撮影された、大平さんが写植の文字盤を持っている写真が印象的でした。写植の文字盤のイメージです。
〈片岡朗さん〉
太さではなく、形の違いでファミリー展開を考えておられるのが片岡さんらしいと思いました。角のとれた大きさの違う2つの四角形で表しています。
〈小林章さん〉
「文字から不快な要素をあらかじめ取り除くのが書体デザイナーの仕事」と語る小林さん。細かい調整を何度も繰り返して文字がつくられている様子を表しています。
〈小宮山博史さん〉
「静かに、表に出ず……」「書体はただ、読者のためだけにある」
そういう小宮山さんの言葉に力強さを感じて、黒い正方形に。
〈小塚昌彦さん〉
大量の文字をチームで短期間に効率よく作るために、漢字の分類分けから始めたという小塚さん。漢字が、つくりやへんなどのエレメントからなっていることを表しています。
■ 写真について
写真は、雨宮秀也さんにお願いしました。
彼は、さあ写真を撮りますといって身構えて写真を撮りません。彼が身構えていないので、被写体の人々も身構えない自然な姿になります。いつ撮ったのかわからないうちに重要なポイントはちゃんと押さえてあるという人です。
そういうパーソナリティですから、最初に大きな方向性とポイントを打ち合わせしておけば、あとは現場で彼が感じたことをいきいきと撮ってもらえばいいと思っています。
今回も成功したと思っています。
山口信博
大野あかり
* * * *
山口さん、大野さん、ご解説ありがとうございました!
そして雨宮さん、素敵な写真を本当にありがとうございました。
前回は、本全体のデザインコンセプトと、使用している書体についてのお話を載せました。続く今回は、カバーデザインと写真についてのお話です。さっそくどうぞ。
(本の外観写真:撮影 雨宮秀也)
* * * *
山口信博さん、大野あかりさんに聞く
『文字をつくる 9人の書体デザイナー』デザインコンセプト その2
■ カバーのデザインについて

雪さんの文章を読んで、書体デザイナーの方々の文字に対する考えかたや、文字をデザインする時の発想のしかた、その制作のプロセスに、こんなにも違いがあるのかと驚きました。
その違いを、日本語の単位である正方形を使ってアイコンとしてグラフィカルに表そうと考えました。
この本では無色透明なデザインを心がけましたが、唯一イメージ的で恣意的な部分です。
それぞれの形の意味は、見る人に自由に想像していただけたらと思いますが、このデザインの理由を簡単に説明させていただきます。
〈鳥海修さん〉
文字が「空気や水のように」あたりまえの存在であってほしいという鳥海さんの言葉から、シンプルに、白い正方形にしました。
〈杉本幸治さん〉
文字をデザインするというよりは、設計するという感覚に近いという杉本さん。精密な数値を用いて文字を作る様子を、グリッドで表しています。
〈鈴木功さん〉
文字設計をプロジェクトとして考えておられる鈴木さん。長体の展開まで初めから構想に入れてデザインしたというアクシスフォントのイメージから。
〈西塚涼子さん〉
かづらき書体のイメージです。正方形のマス目から解放された、自由でのびやかな日本語の散らし書きの雰囲気が出せたらと思いました。
〈大平善道さん〉
写植オペレーターからスタートされた大平さん。カメラマンの雨宮さんが撮影された、大平さんが写植の文字盤を持っている写真が印象的でした。写植の文字盤のイメージです。
〈片岡朗さん〉
太さではなく、形の違いでファミリー展開を考えておられるのが片岡さんらしいと思いました。角のとれた大きさの違う2つの四角形で表しています。
〈小林章さん〉
「文字から不快な要素をあらかじめ取り除くのが書体デザイナーの仕事」と語る小林さん。細かい調整を何度も繰り返して文字がつくられている様子を表しています。
〈小宮山博史さん〉
「静かに、表に出ず……」「書体はただ、読者のためだけにある」
そういう小宮山さんの言葉に力強さを感じて、黒い正方形に。
〈小塚昌彦さん〉
大量の文字をチームで短期間に効率よく作るために、漢字の分類分けから始めたという小塚さん。漢字が、つくりやへんなどのエレメントからなっていることを表しています。
■ 写真について
写真は、雨宮秀也さんにお願いしました。
彼は、さあ写真を撮りますといって身構えて写真を撮りません。彼が身構えていないので、被写体の人々も身構えない自然な姿になります。いつ撮ったのかわからないうちに重要なポイントはちゃんと押さえてあるという人です。
そういうパーソナリティですから、最初に大きな方向性とポイントを打ち合わせしておけば、あとは現場で彼が感じたことをいきいきと撮ってもらえばいいと思っています。
今回も成功したと思っています。
山口信博
大野あかり
* * * *
山口さん、大野さん、ご解説ありがとうございました!
そして雨宮さん、素敵な写真を本当にありがとうございました。
mojibook at 22:33|Permalink│TrackBack(0)│
2010年07月14日
『文字をつくる 9人の書体デザイナー』のデザインコンセプト
はやいもので、『文字をつくる 9人の書体デザイナー』を発売してから約1カ月が経ちました。
その後もご感想をお寄せいただいていますが、本の内容についてもさることながら、本書のデザインや写真について、たくさんのお褒めの言葉をいただいています。カバーにデザインされた9人それぞれのマークの意味へのご質問も何度か受けました。
そこで今回は、ブックデザインを担当してくださった山口デザイン事務所の山口信博さん、大野あかりさんに、デザインコンセプトをお話いただこうと思います。
山口さんには、これまで『デザインノート』誌で何度か取材させていただいたことがありましたが、お仕事をお願いするのは初めてのことでした。しかし今回、「文字になんとなく興味はあるけれど、あまりよく知らない……」というかたにも手に取っていただきやすい、写真をふんだんに使った「見て読んで楽しい本」にしたい、と考えたときに浮かんだのが、山口さんがこれまでデザインされてきた本の数々でした。
文字や文字組みにこだわりをもち、手仕事に関心を注いでおられることは、これまでのお仕事を拝見しているとわかります。山口さんならきっと、今回の本のコンセプトに共感してくださるに違いない。そう思って、デザインをお願いしました。
撮影を担当してくださった雨宮秀也さんは、山口さんからのご紹介でした。お仕事をお願いした後で、雨宮さんもまた、文字にとても興味を持っていらしたと知りました。今回、このチームで本を制作できたこと、本当によかったと思っています。
…前置きが長くなってしまい、すみません。では、山口さん、大野さんからいただいたデザインコンセプトについてのお話をお読みください。
(本の外観写真:撮影 雨宮秀也)
* * * *
山口信博さん、大野あかりさんに聞く
『文字をつくる 9人の書体デザイナー』デザインコンセプト
その後もご感想をお寄せいただいていますが、本の内容についてもさることながら、本書のデザインや写真について、たくさんのお褒めの言葉をいただいています。カバーにデザインされた9人それぞれのマークの意味へのご質問も何度か受けました。
そこで今回は、ブックデザインを担当してくださった山口デザイン事務所の山口信博さん、大野あかりさんに、デザインコンセプトをお話いただこうと思います。
山口さんには、これまで『デザインノート』誌で何度か取材させていただいたことがありましたが、お仕事をお願いするのは初めてのことでした。しかし今回、「文字になんとなく興味はあるけれど、あまりよく知らない……」というかたにも手に取っていただきやすい、写真をふんだんに使った「見て読んで楽しい本」にしたい、と考えたときに浮かんだのが、山口さんがこれまでデザインされてきた本の数々でした。
文字や文字組みにこだわりをもち、手仕事に関心を注いでおられることは、これまでのお仕事を拝見しているとわかります。山口さんならきっと、今回の本のコンセプトに共感してくださるに違いない。そう思って、デザインをお願いしました。
撮影を担当してくださった雨宮秀也さんは、山口さんからのご紹介でした。お仕事をお願いした後で、雨宮さんもまた、文字にとても興味を持っていらしたと知りました。今回、このチームで本を制作できたこと、本当によかったと思っています。
…前置きが長くなってしまい、すみません。では、山口さん、大野さんからいただいたデザインコンセプトについてのお話をお読みください。
(本の外観写真:撮影 雨宮秀也)
* * * *
山口信博さん、大野あかりさんに聞く
『文字をつくる 9人の書体デザイナー』デザインコンセプト
■ 本全体のデザインについて
黒子に徹して無色透明にデザインしようと心がけました。地味だけれど飽きのこない、品格のある本にしたいと思い、特殊な印刷や特別な紙などは、極力使わないようにしました。
文字についての本ですので、文章は読みやすく、文字組みも自然にと心がけました。
印刷においては、本文の文字濃度が均一になるように注意しましたが、特に組み見本のページの文字濃度には、いちばん気を配ったつもりです。
■ 使用している書体について
この本では、9人の書体デザイナーさんそれぞれに自由に組んでいただいた組み見本のページが見所でもあります。
本全体の中でこのページが際立って見えるように、本文にはなるべくくせのない、オーソドックスな「リュウミンPro R」を使いました。
扉ページの書体は大きくしてもきれいな「ZENオールド明朝R」を使っています。
カバーでは、漢字には「ZENオールド明朝R」を、仮名には「遊築36ポ仮名W3」を選んでいます。
いろいろな書体で試してみましたが、この本のタイトルには、この2種類の文字の組み合わせが一番内容にあっていると判断しました。
山口信博
大野あかり
* * * *
今回はここまで。
次回はお待ちかね、カバーデザインと、写真についてのお話を掲載したいと思います。乞うご期待!

黒子に徹して無色透明にデザインしようと心がけました。地味だけれど飽きのこない、品格のある本にしたいと思い、特殊な印刷や特別な紙などは、極力使わないようにしました。
文字についての本ですので、文章は読みやすく、文字組みも自然にと心がけました。
印刷においては、本文の文字濃度が均一になるように注意しましたが、特に組み見本のページの文字濃度には、いちばん気を配ったつもりです。
■ 使用している書体について
この本では、9人の書体デザイナーさんそれぞれに自由に組んでいただいた組み見本のページが見所でもあります。
本全体の中でこのページが際立って見えるように、本文にはなるべくくせのない、オーソドックスな「リュウミンPro R」を使いました。
扉ページの書体は大きくしてもきれいな「ZENオールド明朝R」を使っています。
カバーでは、漢字には「ZENオールド明朝R」を、仮名には「遊築36ポ仮名W3」を選んでいます。
いろいろな書体で試してみましたが、この本のタイトルには、この2種類の文字の組み合わせが一番内容にあっていると判断しました。
山口信博
大野あかり
* * * *
今回はここまで。
次回はお待ちかね、カバーデザインと、写真についてのお話を掲載したいと思います。乞うご期待!
mojibook at 23:07|Permalink│TrackBack(0)│
2010年07月02日
寄席文字
『文字をつくる 9人の書体デザイナー』その後もたくさんのご感想をいただいています。お買い上げいただいたみなさま、お読みいただいたみなさま、本当にありがとうございます!
さて、本書に掲載の小林 章さん(ドイツ・ライノタイプ社タイプディレクター)の章で「寄席文字」についてふれており、橘右門氏の筆による橘流寄席文字の図版を掲載させていただいています(小林さんと寄席文字の関係が気になるかたは、本書をお読みくださいね)。
図版をご提供くださった橘右門氏のウェブサイトには、「寄席文字とはどういうものか」、あるいは寄席文字教室や講演、ワークショップの情報が掲載されていますので、本書をご覧になって「寄席文字を習いたい、もっと知りたい」と思われた方は、ぜひアクセスしてみてください。
橘流寄席文字 橘右門ホームページ
http://www.sam.hi-ho.ne.jp/umon/
本来、本書巻末の「主な参考文献」にURLを掲載させていただくべきところ、当ブログでの掲載となり、申し訳ありませんでした。深くお詫び申し上げます。
さて、本書に掲載の小林 章さん(ドイツ・ライノタイプ社タイプディレクター)の章で「寄席文字」についてふれており、橘右門氏の筆による橘流寄席文字の図版を掲載させていただいています(小林さんと寄席文字の関係が気になるかたは、本書をお読みくださいね)。
図版をご提供くださった橘右門氏のウェブサイトには、「寄席文字とはどういうものか」、あるいは寄席文字教室や講演、ワークショップの情報が掲載されていますので、本書をご覧になって「寄席文字を習いたい、もっと知りたい」と思われた方は、ぜひアクセスしてみてください。
橘流寄席文字 橘右門ホームページ
http://www.sam.hi-ho.ne.jp/umon/
本来、本書巻末の「主な参考文献」にURLを掲載させていただくべきところ、当ブログでの掲載となり、申し訳ありませんでした。深くお詫び申し上げます。
mojibook at 13:43|Permalink│TrackBack(0)│
2010年06月17日
『文字をつくる 9人の書体デザイナー』紹介御礼&ご感想お待ちしています!
『文字をつくる 9人の書体デザイナー』、発売してから明日でちょうど1週間が経ちます。たくさんの方々が予約してくださっていたため、Amazonでは入荷待ち状態が続き、ご迷惑をおかけしています。申し訳ありません。ご注文くださった方々、いましばらくお待ちいただければ幸いです。
書店店頭には、だいぶ行き渡ってきたようです。
さて、いくつか拙著を取り上げていただいたので、御礼とご紹介を。
まずは本書に登場する「9人の書体デザイナー」のおひとり、ドイツの小林 章さん。
デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」:『文字をつくる9人の書体デザイナー』いよいよ発売!
本が発売してすぐに、ブログに書いてくださいました。
-----
著者の雪さんは、昨年10月の私のフォントデザイン・ワークショップに2日間張り付いていました。雨宮さんによるワークショップの写真も見事です。雰囲気がほんとうにあんな感じだった。どうやったらあんなふうに撮れるんだろう。……
-----
昨年10月に東京TDCが主催した「小林章 欧文フォント・ワークショップ」のレポートを本書に掲載しているのですが、このページの写真を見て、小林さんがとても喜んでくださったんです。どんな写真か気になる方は、本書をご覧になってみてくださいね。

続いて、本書で撮影を担当してくださった、写真家の雨宮秀也さん。美しい外観写真とともに、本のことを紹介してくださいました。
amemiya photo office : 雪 朱里さんとの仕事(100616付)
-------
文字を作る人々について。謎だらけな世界だった。多分ほとんど世間的にも知られていない職業だろう。この業界に愛情のある雪さんの文章はともかく面白くて、ついつい読み込んでしまう。……
------
なんという、うれしいご紹介。
雨宮さんは今回の「文字をつくる人と、その仕事場」の撮影を本当に楽しんでくださって、そのことが、写真を通じてとてもよく伝わってきます。今回の本では、とにかくたくさん写真を載せたかったのです。雨宮さんなしには成り立たない本でした。
最後に、フォントについて充実した情報を掲載し、人気を博しているフォントブログさん。
フォントブログ:文字をつくる 9人の書体デザイナー … 著名な書体デザイナーの熱い思い、書体のメインキング・組見本が1冊に
-----
話題になっていた「文字をつくる 9人の書体デザイナー」がついに発売されました。著者の雪 朱里さんが、日本を代表する著名な9人の書体デザイナーの方々を、丁寧に丁寧に取材され、インタビューと書体制作のメイキングが1冊にまとめられた本です。……
-----
撮り下ろしてくださった美しい写真とともに、素敵に掲載してくださっています。上記引用部分ではありませんが、記事のなかで、この本を通じて私が一番伝えたかったことに反応してくださっていて、感激しました。
そのほか、Twitterを通じてもたくさんの「買ったよ」のご報告や、ご感想をお寄せいただいています。みなさま、本当にありがとうございます!
引き続き、ブログやTwitterなどでご感想をお寄せいただければ幸いです。「こういう本があったらいいのに」というリクエストも大歓迎。今後の参考にさせていただきます。私のスタンスは「専門家」ではなく「読者代表」ですので、みなさんが読みたい本、テーマを、みなさんを代表して取材していければと思っています。
書店店頭には、だいぶ行き渡ってきたようです。
さて、いくつか拙著を取り上げていただいたので、御礼とご紹介を。

デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」:『文字をつくる9人の書体デザイナー』いよいよ発売!
本が発売してすぐに、ブログに書いてくださいました。
-----
著者の雪さんは、昨年10月の私のフォントデザイン・ワークショップに2日間張り付いていました。雨宮さんによるワークショップの写真も見事です。雰囲気がほんとうにあんな感じだった。どうやったらあんなふうに撮れるんだろう。……
-----
昨年10月に東京TDCが主催した「小林章 欧文フォント・ワークショップ」のレポートを本書に掲載しているのですが、このページの写真を見て、小林さんがとても喜んでくださったんです。どんな写真か気になる方は、本書をご覧になってみてくださいね。


amemiya photo office : 雪 朱里さんとの仕事(100616付)
-------
文字を作る人々について。謎だらけな世界だった。多分ほとんど世間的にも知られていない職業だろう。この業界に愛情のある雪さんの文章はともかく面白くて、ついつい読み込んでしまう。……
------
なんという、うれしいご紹介。
雨宮さんは今回の「文字をつくる人と、その仕事場」の撮影を本当に楽しんでくださって、そのことが、写真を通じてとてもよく伝わってきます。今回の本では、とにかくたくさん写真を載せたかったのです。雨宮さんなしには成り立たない本でした。

フォントブログ:文字をつくる 9人の書体デザイナー … 著名な書体デザイナーの熱い思い、書体のメインキング・組見本が1冊に
-----
話題になっていた「文字をつくる 9人の書体デザイナー」がついに発売されました。著者の雪 朱里さんが、日本を代表する著名な9人の書体デザイナーの方々を、丁寧に丁寧に取材され、インタビューと書体制作のメイキングが1冊にまとめられた本です。……
-----
撮り下ろしてくださった美しい写真とともに、素敵に掲載してくださっています。上記引用部分ではありませんが、記事のなかで、この本を通じて私が一番伝えたかったことに反応してくださっていて、感激しました。

引き続き、ブログやTwitterなどでご感想をお寄せいただければ幸いです。「こういう本があったらいいのに」というリクエストも大歓迎。今後の参考にさせていただきます。私のスタンスは「専門家」ではなく「読者代表」ですので、みなさんが読みたい本、テーマを、みなさんを代表して取材していければと思っています。
- 文字の本を作っています。on Twitter (@mojibook)
- メールは mojibook[at]yahoo.co.jp
2010年06月12日
『文字をつくる 9人の書体デザイナー』目次公開
さて、6月11日から店頭に並びはじめてきている
『文字をつくる 9人の書体デザイナー』。
ご登場の9人のお名前はすでにお知らせしてありますが、
当書籍の購入を検討してくださっている方のために、
本日は、さらにくわしい目次を公開してしまいます!
なんとなく、雰囲気が伝わるでしょうか?
* * * *
『文字をつくる 9人の書体デザイナー』
私たちの思いを伝えるのに不可欠な「文字」をつくっている人々がいるーー。9人の書体デザイナーに聞く文字への思い、書体のつくりかた、組み見本。身のまわりにある書体誕生の背景がわかる一冊。
書体デザインメイキング、完成書体組み見本、完成書体使用例のほか、
原字や金属活字、写植文字盤の写真など、豊富なビジュアルとともに
書体デザイナーの仕事を紹介します。
【目次】
鳥海 修
原風景のなかの文字/写研の新人研修/四〇歳は四〇歳の文字を書く/自然に在る文字のなかに
杉本幸治
明朝体の好きな子ども/社員にも非公開の「文字をつくる部署」/あこがれの書体設計/「晃文堂明朝」そして「本明朝」へ/人生にあったらいいなと思う文字
鈴木 功
あのころと、つながっていた/もっと漢字を知りたくて/媒体専用フォント/文字というプロジェクト/持続する喜び
西塚涼子
きれいな文字を書きたがる一族/運命の出会い/就職難/念願の仕事/もう一度、定家へ/最後まで楽しいのなら
大平善道
写植との出会い/書体を意識した瞬間/写植ならではの表現/仮名書体への挑戦/Macが可能にしたこと/初めてのデジタルフォント/自分のなかに柱を持つ
片岡 朗
しつこさって、けっこう大事/評価されないとふっきれない/看板書きから始まった/自分の骨格を見つける
小林 章
欧文タイプディレクター誕生/書道は怖い?/寄席文字とカリグラフィ/人とのつながり/日本も海外も……
〈レポート〉もっと知ってほしい、欧文書体のこと(小林章の欧文フォント・ワークショップ)
小宮山博史
出会い/敬之輔先生/初めての文字修業/無から構築する醍醐味/活字の歴史とわくわくする未来/イタコ的存在
小塚昌彦
印刷工場と壁新聞/墨入れの日々/文字と技術/つくるのは自分/デジタルフォントの出現/いつも技術革新の先達に/駕篭に乗る人、かつぐ人……
* * * *
上記インタビュー記事のほか、それぞれのかたの記事に、「書体の制作過程〈Making〉」「組み見本」がつく三部構成が基本となっています。
文字/書体/フォントが好きでたまらないというかたはもちろん、ビジュアルをふんだんに掲載していますので、文字のことはよく知らないけれどちょっと気になるというかたにもお楽しみいただける内容になっていると思います。
ぜひご覧いただければ幸いです。
よろしくお願いいたします!
* * * *
『文字をつくる 9人の書体デザイナー』
雪 朱里・著
誠文堂新光社・刊
定価:本体2000円+税
ISBN978-4-416-81038-5
B5判 160ページ(4C/1C)
撮影:雨宮秀也
アートディレクション:山口信博
デザイン:大野あかり
『文字をつくる 9人の書体デザイナー』。
ご登場の9人のお名前はすでにお知らせしてありますが、
当書籍の購入を検討してくださっている方のために、
本日は、さらにくわしい目次を公開してしまいます!
なんとなく、雰囲気が伝わるでしょうか?
* * * *
『文字をつくる 9人の書体デザイナー』
私たちの思いを伝えるのに不可欠な「文字」をつくっている人々がいるーー。9人の書体デザイナーに聞く文字への思い、書体のつくりかた、組み見本。身のまわりにある書体誕生の背景がわかる一冊。
書体デザインメイキング、完成書体組み見本、完成書体使用例のほか、
原字や金属活字、写植文字盤の写真など、豊富なビジュアルとともに
書体デザイナーの仕事を紹介します。
【目次】
鳥海 修
原風景のなかの文字/写研の新人研修/四〇歳は四〇歳の文字を書く/自然に在る文字のなかに
杉本幸治
明朝体の好きな子ども/社員にも非公開の「文字をつくる部署」/あこがれの書体設計/「晃文堂明朝」そして「本明朝」へ/人生にあったらいいなと思う文字
鈴木 功
あのころと、つながっていた/もっと漢字を知りたくて/媒体専用フォント/文字というプロジェクト/持続する喜び
西塚涼子
きれいな文字を書きたがる一族/運命の出会い/就職難/念願の仕事/もう一度、定家へ/最後まで楽しいのなら
大平善道
写植との出会い/書体を意識した瞬間/写植ならではの表現/仮名書体への挑戦/Macが可能にしたこと/初めてのデジタルフォント/自分のなかに柱を持つ
片岡 朗
しつこさって、けっこう大事/評価されないとふっきれない/看板書きから始まった/自分の骨格を見つける
小林 章
欧文タイプディレクター誕生/書道は怖い?/寄席文字とカリグラフィ/人とのつながり/日本も海外も……
〈レポート〉もっと知ってほしい、欧文書体のこと(小林章の欧文フォント・ワークショップ)
小宮山博史
出会い/敬之輔先生/初めての文字修業/無から構築する醍醐味/活字の歴史とわくわくする未来/イタコ的存在
小塚昌彦
印刷工場と壁新聞/墨入れの日々/文字と技術/つくるのは自分/デジタルフォントの出現/いつも技術革新の先達に/駕篭に乗る人、かつぐ人……
* * * *
上記インタビュー記事のほか、それぞれのかたの記事に、「書体の制作過程〈Making〉」「組み見本」がつく三部構成が基本となっています。
文字/書体/フォントが好きでたまらないというかたはもちろん、ビジュアルをふんだんに掲載していますので、文字のことはよく知らないけれどちょっと気になるというかたにもお楽しみいただける内容になっていると思います。
ぜひご覧いただければ幸いです。
よろしくお願いいたします!
* * * *
『文字をつくる 9人の書体デザイナー』
雪 朱里・著
誠文堂新光社・刊
定価:本体2000円+税
ISBN978-4-416-81038-5
B5判 160ページ(4C/1C)
撮影:雨宮秀也
アートディレクション:山口信博
デザイン:大野あかり