今日、土本康生がお伝えしたのはピープルズセレクション、桂歌丸さんにフォーカスを当てました。日曜5時の定番番組である笑点を明日522日の放送を持ってご勇退される桂歌丸さん、御年79歳。子供の頃から笑点好きの僕は、家の座布団を集めて重ねてはその上に座ったりしてました。あなたも一度はやったことあるかも?

そんな笑点好きの僕が持つ歌丸さんのイメージは、やはり少し毒のある、そして機転の利いた回答をされる回答者。歌丸さんの喜久蔵さんいじり、楽太郎さん(現、円楽さん)からいじられた時の切り返し、切れ味鋭かったのを今でも覚えています。


歌丸極上人生さて、番組ではお伝えしきれなかった歌丸さんの人生を振り返ってみたいと思うのですが、情報源は歌丸さんの自伝「歌丸極上人生(祥伝社黄金文庫)」。平成18年に出版されたものに、加筆修正して去年再販したもの。歌丸さんが語る自らの落語人生です。考えてみれば、笑点の歌丸さんしか知らない僕。自伝を読んで知らない歌丸さんの一面、いや多くの面を知ることができました。

歌丸さん、実は横浜で有名な遊郭のお生まれ。早くにお父さまを亡くされ、そしておばあさまとお母さまの折り合いが悪かったこともあって、おばあさまに育てられた歌丸さん。遊郭を経営されていたおばあさまからおぼっちゃまとして愛され、何不自由なく過ごしてきました。戦時中に横浜の不二家でホットケーキを食べていたこともあったとか。戦後の食糧難の時期にも、銀シャリの弁当を持っていけるほど。


落語家を目指したのは子供の頃から。小学4年生の頃にはもう噺家になることを決めていたそうです。戦中、戦後の頃、ラジオから流れる演芸番組をよく聞いては将来を夢見ていました。最初は漫才がいいと思っていたのですが、おぼっちゃんの歌丸さん、ギャラを半分にされるのはつまらないと落語の道に進むことに。

弟子入りは中学3年生の時。古今亭今輔師匠の元に週末だけ通って落語を教えてもらってたのが歌丸さんのキャリアの始まり。その頃につけられた名前は「古今亭今児」。初めての高座もその年。「峠の茶屋」をやってバカウケしたようですよ。

ご結婚は早く21歳の時。18歳の時、順調に二つ目に昇進し、そしてちょうどその頃、おばあさまを亡くされ天涯孤独となった歌丸さんは寂しかったのか遊び癖がついちゃって、師匠から結婚でもしてしっかりしろ!と言われたのがきっかけ。ただ師匠がオススメする方は「あれ?違うぞ?」という話で、今の奥さまである冨士子さんとご結婚されました。とてもお美しい方という噂で持ちきり。こちらも順調にお子様も生まれ、ちょっと話が進んでしまいますが、歌丸さんは42歳の時におじいさまになられております。そういう時代だったとはいえ42歳でおじいさまとは!ちなみに私、今年で45。孫がいるなんて想像ができません。


そんな順調な人生を歩まれてきた歌丸さん。実は落語を止めていた時期がありました。実はちょうど結婚した頃から今輔師匠との関係がぎくしゃくしはじめ、ちょっとしたことで師匠と衝突。若気の至りとおっしゃっていますが、師匠の家に行きづらくなり、寄席にも行きづらくなりと自分から足を遠ざけてしまった2年半がありました。その頃は化粧品のセールスマンをやったりメッキ工場で働いたり、奥様の実家のお手伝いをしたりしてなんとか食いつないでた、そんな時期だったようです。

落語家への復帰のきっかけは周囲の手助けでした。仲良くしていた橘ノ圓師匠が歌丸さんの師匠である今輔師匠との間を取り持ってくださり、そして出戻りは気まずかろうと今輔一門であった桂米丸師匠の元での再スタートが決定。このころは桂米坊と呼ばれておりましたが、子供っぽい名前は似つかわしくないからという話で歌丸に。「歌丸」という名前には特に由来はないようですが、歌丸さん本人は「歌がまるで歌えないから歌丸になった」とおっしゃってます。お酒を全く嗜まない歌丸さん、カラオケも特に好きでもなくてなもんで歌は全く歌わないようです。


そして、お待たせしました。歌丸さんに転機が訪れます。そう、昭和41年に人気演芸番組「笑点」が始まりました。このおかげで世間に顔が知られるようになり、ラジオの生番組や東宝の映画に出演したりと忙しくなってきたようです。そして昭和43年に晴れて真打昇進!我々がよく知る歌丸さんへと続いていきます。

落語一筋のようにも見える歌丸さんですが、趣味も多彩。大の釣り好きで、朝3時に起きて相模湖までワカサギ釣りに。寄席を休んで釣りに行くほど入れあげていたようです。他、子供の頃から見ていた歌舞伎、そしてチャンバラが中心の日本映画なんかもお好きなようで、本ではミステリー好き、横溝正史なんかをよく読んでらっしゃるようです。また、蒐集家でもある歌丸さんは切手集め、化石集めなんかもやってらっしゃるようですよ。


しかし、「お待ちどうさまでした。司会の歌丸です。どうぞ宜しく。」このセリフを来週から聞けないと思うと寂しくなりますが、来週からも笑点直前に放送される「もう笑点」で会えるようなので、歌丸ファンのあなた!笑点を見る前にこちらも合わせてご覧になってみてください。でも、本当、放送でもお伝えしましたが、お体に気をつけて少しでも長く素敵な噺を聞かせてもらいたいですね。

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