転生ファンタジーが好きという理由だけで購入しましたが、予想外に(いい意味で)ハードな展開でキッチリした世界観のお話でした。
伝承は本当はどうだったのか、意図的に歪められたとしたらその意図は?
過去の出来事が時の権力によって都合よく歪められたままそれが真実となってしまった現代によみがえった魔王と禁じられても惹かれていく勇者の末裔の辿る苦難の道。
読み応えありました。
音喜多の愛の重いのはもう今更だけど(笑)、久嶋もちゃんと受け入れているとこが二人の関係の長さも無駄ではなかったと思えて、よかったです。
久嶋は頼りなさそうに見えて本当に天才で観察力と推理力と人を見抜く目が鋭い。
過去に付けられた心と身体の悲惨な傷痕が癒えることはないのだろうけど、音喜多は間違いなくその重く深すぎる愛で埋めていると思います。
某百階段、お友達と数年前に行ったことがあるのでお話に出てきて懐かしかった

子爵の悪役令息に転生したのは雄タヌキのジロー

しかも侯爵と結婚することになっていて、その侯爵からめちゃめちゃ嫌われている…

もうこの設定だけで抱腹絶倒です。
最後まで痛快で楽しいお話なので広く皆さんにおススメしたいです

さいきん読んだ三冊。
谷崎泉先生のアディショナルデザイアは『スクランブルメソッド』シリーズの第4弾です。
久嶋の重くて悲惨な過去も是非読んで欲しいなと思います。