本日のご葬儀

秋月こお著。Chara文庫。  

 

BLで葬儀屋が舞台というのも珍しいかなと思いました。

内容は葬儀屋の紘一が地元の幼馴染の友人達に助けられてホームレス「ももんじい」の葬儀を破格値で行うというドタバタした人情味のあるお話でした。

 

「斎葬祭」は創業八十年という零細老舗葬儀屋。

「斎葬祭」の社員は「社長」の紘一。

「経理屋」の斎藤。

「雑用屋」のアルバイトの神学生・千島。

どのキャラも個性的です。

 

しかし、この主人公紘一はかなりのニブチンだと思います。

斎藤は公認会計士など六つも資格を持っているのにこの葬儀屋に安給料で住み込みしているのです。

しかも携帯の待ち受けは紘一。

ここでうろたえる斎藤の真意に気がつかないとはね〜。

 

そして千島だって全寮制の神学校からボランティアに近い状態でアルバイトの通ってきているのです。

友人達からあらゆる意味で愛されているのに紘一は気が付いてないのです。

 

そんなところに十年ぶりに英真に再会。

英真は昔の「臭い」「悪い」サルからは見違えるような美形になっていました。

栄真の美貌に鼻の下が伸びる紘一。

そんな英真のフェロモンから紘一を守ろうとする斎藤と千島。

しかし英真のフェロモンにやられた紘一は二人だけの飲み会からホテルへと直行して英真とセックスしてしまうのです。

「俺が手に入れたいのはおまえで、おまえが男なのは動かねェんだから、俺に選択の余地はない」

すごい理屈です。

「今度はお袋が譲る番だ」

紘一の母親のことを考えてためらう英真に家業を継いだ時点で親孝行は果たしたという紘一。

「息子が選んだ幸せを認めろって」

ホモに走る気、満々ですね。

母親が納得するとは思えませんけど。

 

英真とのセックスは他の女達とは熱っぽさが違い、通じ方が違い、楽さが違う。

英真の方は「好きだぞ」と言ってるし付き合う覚悟はありと見ましたが、英真はどうなんでしょう。

紘一の本気をはぐらかしてるようです。

 

そして紘一と英真がデキてしまったと知った斎藤と千島はどうする?

 

これって続編がでるんですよね。

英真も斎葬祭の社員になったようだし、これからっていう感じがするんですけど、このお話。

 

そうそう、紘一をナンパしてきた大蔵官僚ってのも気になります。

端役にしては印象的な登場の仕方。

そのまま去ってしまいましたが、今回は登場のみってところなんでしょうか。

 

登場人物がそれぞれ霊感があるとはいえ、おどろしいオカルトというより、ユーモラスな感じでした。

このお話ってコメディですか?

そうなんでしょうね。

 


ストーリー:一時間後に迫った通夜で、住職がまさかのドタキャン!! 途方に暮れる老舗葬儀社の青年社長・紘一。ところがその窮地を救ったのは、墨染めの衣も禁欲的な、美貌の僧──十年ぶりに再会した、幼なじみの英真だった。昔の粗野な印象とは裏腹に、玲瓏とした色香をまとう英真は、守護霊を自在に使役する、天才霊媒師になっていて!? 零細葬儀社を舞台に贈る、非日常的オカルトLOVE。 イラスト/ヤマダサクラコ