犬飼のの/著 笠井あゆみ/画


なんとなく前回の終わり方からこうなるのではないかな〜と思っていました。表紙イラストでもネタバレしてますね。

潤君、ご懐妊〜(゚∇゚ ;)エッ!?

今、BLファンタジー界では妊娠出産ブームでしょうか(えっ?)

そういう意味ではこのカップルに『お前たちもか!』と思いましたが、犬飼ののさんは私のようないちゃもん付けにも『なるほど!』という妊娠出産の理論を披露してくれました。

なるほどね!

潤は三人の恐竜たちの血を体内に取り入れています。
普通は死に至る酷い拒絶反応を起こすらしいのですが、DNAを変化させることで受け入れていた潤の身体に起きた異変とは!

可畏の不安と焦燥、そして何より潤を危険な目に会わせたくないという思いも十分理解できるものでした。

今回、二人とも今までにも増して読んでいるこちらが「」と言いたくなるほどの相思相愛のラブラブバカップルぶりを披露してくれます。なので出産を巡って意見が対立している時でも「これって愛ゆえよねえ」と安心して読めました。

竜人界を統べる王となり、潤を絶対不可侵の王妃にする──。 双竜王を倒し、改めて潤を守り切ると誓った可畏。 ところが潤は双竜王に拉致されて以来、断続的な胃痛と可畏の精液を飲みたいという謎の衝動に 駆られていた。 翼竜人リアムの血を体内に注射されたことで、潤の体が恐竜化し始めている…!? 心配する可畏だが、なんと潤の体に二つの卵──可畏との新しい命が宿っていると判明して!?


潤の体調不良の原因はなんと『妊娠』だったんですね!

可畏パパのクリスチャンの見立てによると。

水竜王・蛟の血を体内に入れたことで潤の体内に出来のは絶滅寸前水竜の生き残りたいDNA。
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前回、潤は雌雄同体のリアムの血を得た(ここらへんのあれこれは前回のお話参照)。
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ここで潤の身体には暴君竜・可畏と水竜人と雌雄同体・翼竜のDNAが奇跡の揃い踏み!
 
満を持して子孫を残すべく潤の身体が変化!!
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しかし、潤は男だから子宮がない。
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生き残る道を探したDNAが選んだ場所は胃。
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そこなら潤が飲んだ可畏のセイシで無精卵の卵を受精させられるvv
 ↓
潤の胃には腫瘍のような半球体の卵が出現。

クリスチャンの説明はその卵が有精卵となり完全な球体となると胃から剥がれ落ちるので、その卵を手術で取出し今度は水槽で孵化まで育てるという手順になるというもの。

戸惑う潤と可畏。

二人の反応がどちらも分かりすぎるくらい分かりました。

可畏にすればまだ受精していない無精卵は人間の女性でいえばただ排卵日の卵子にすぎず、何より大切なのは潤の身体。

今まで前例のないことだけに、どんなことが起きるか誰にも分からない。
胃の中で突然卵が孵化して潤の胃を食い破るかもしれない。
そもそも卵の中身も分からない。

なにより潤は男で身体は妊娠に適しているわけではないのです。

今まで何度も潤を奪われた可畏にすれば、一番怖いのは潤を失うことです。
そのことを考えただけで可畏は身が震えるほどの恐怖に襲われます。

しかし、体内に命となる卵を宿した潤は可畏の心配を理解しながらもまた違う感情が芽生えます。
自分の体の中に芽生えた命は何があっても守る。
しかも卵は二つ。
双子の命が自分の中に!

潤、母性の発動です。

二人の葛藤はお互いに相手を想うゆえ。
読んでいてどちらの言い分も分かるだけにはらはらしました。

そして事態をややこしくしたのが可畏パパのクリスチャンです。
クリスチャンは究極のマッドサイエンテスト。
珍しいこの事態を黙って見ているはずはありません。
潤や可畏の気持ちより大事なのはこの二度とないかもしれない超常現象。
はたして卵がどのように成長して中からどんな生き物が出てくるか。
このチャンスを逃すものかとわくわくなんですよね。

クリスチャンもまた暴走します。

さて、二人の選んだ道は!というお話です。

やはり親も子供によって親として育っていくんですね。

特に可畏の男ぶりはぐっと上がりました。
まだ高校生なんですけど、守るものが増え、それが可畏をただの暴君から王にふさわしい男にしましたねえ。

力が強いだけが強い男ではないのです。
本当の強さとは守るべきものを守る優しさと覚悟を兼ね備えてこそ!

潤もただ可畏に守られているばかりではなくちゃんと表に出て主張する自覚が出てきました。
潤にも守るものが出来たんですよね。

さて、潤にもモデルとしての仕事が舞い込んでいます。
子育てと仕事の両立。
そして卵から孵化した子供たちの能力と可能性。

お話はファンタジーですが中身はすっかりホームドラマになりそうな予感です(笑)
ただし、パパもママもベビーたちも普通以上のスペックなので何が起きるか予測不能ですね。