2009年07月21日
洋書を読むのは難しくてもほんとに楽しかった。
一冊を読み終え次に読む本を探していたとき、たまたまサイデンステッカー氏の死亡記事を読み、氏が生前に英訳出版された日本文学のリストのなかに「源氏物語」を見つけたのです。
あの平安絵巻(その程度の知識だった)を英訳?どんな英単語を使う?読んでみたい!と思ったのと、一度は源氏物語を読んでおきたいと思っていたのもあって、あまり考えもせず読み始めてしまったのでした。
古典とはそれまで縁がなくて、平安時代は十二単の姫と寝殿造り、それと和歌のイメージという単純さでした。
でも少しづつ読み進めるうちに平安時代の人々のくらしやこころが見えてきて、それが英文の面白さに加わりとても興味をひかれました。
紫式部は平安の人々の心をとても細やかに描いていて、1000年前も今も変わらないなと思うなかにも、現代人が心の底に押しやってしまったのでは?と思うことや失ってしまって残念に思うこともありました。
なにしろ1000年前に生きた人たちのことがいきいきと見えてくるって、ほんとに不思議で驚きでした。
源氏という類まれな美貌と才能に恵まれた男性の女性遍歴の物語とばかり思っていてなんとなく敬遠していたのですが。
きわどいラブシーンなどいっぱいある?
もしそう期待してたらきっとがっかりです。
原文はとても婉曲で簡潔なようで、えっ!これからどうなったん?
とさっぱりわからないくらい(これまでは英文もそうでした、)。
ただ、紫式部の省略した部分をも、よく分かるようにと丁寧に現代語訳された部分などは、少し違う印象をうけましたが。
以前にも書きましたが、子持ちの一寡婦(寂聴さんによれば)の、それも職を持つ身で(だから書けたのかも)あの長い物語を一文字一文字毛筆で、すごいですよね。
今ふうに直せば原稿用紙4000枚!にもなり、登場人物は430人!!くらいとか(これも寂聴さんによれば)。
時間的には四代の天皇の御世にわたり、源氏の親、子、孫とこれも四世代七十年間の物語だそうな。
しかも登場人物の年齢やその他も年代的にはつじつまがあっているらしい。それだけでもほんとに紫式部ってすごい!と思ってしまいます。
これまで著者は複数?とか男性だったのでは?とか議論があったそうですが、これも寂聴さんによれば
「これだけの壮大華麗な傑作が、到底一女性の手では書けるはずがなかろうという、男性研究者の想像と仮説から出たもので、根拠はない。」
そうで、女性の一人としてはなんとも頼もしい先達ですこと。
深く考えながら読むというのがもともと苦手なのに、近年とくに読書が洋書に偏っていたのもあって、でも今回はゆっくりゆっくりだったのでまた違った読書になりました。
でも、最近ブログが重荷になっていて、どうしたものかと迷うことも多かったのですが、「源氏物語」止めようと思います。
ちょうどよい時期にアドバイス頂いたのを機になにか易しい本をと考えています。
危なっかしいUPを読んでくださり応援してくださった皆さま、はんとうにありがとうございました。
これからもどうぞまたのぞいてみてくださいませね。
それから英文の「源氏物語」どうぞ一度お手にしてみてくださいませ、きっと新しい発見があると思います。
最後に英文を拝借してしまったサイデンステッカー氏と、たびたび拝見しまたダウンロードさせて頂いた(ダウンロードは自由に、と書いて下さっている)渋谷栄一先生に心から御礼申し上げます。
渋谷栄一著(C)
高千穂大学経営学部教授
「源氏物語の世界」
2009年07月18日
洋書を読むのはとても楽しかった。
思いがけない言い回しや
「わっ!これは!」というような文章
思わず笑ってしまう俗語
よく使われる単語なのにびっくりするような使い方
ときどき宝物としてとっておきたいような単語やフレーズ
わぁ!使ってみたいこの文章!
なんなん?これは?
などと洋書を読んでいるとほんとうに面白かった。
日本語訳だとすんなり読めるかわりに
うわっ!!や
ん??や分かったよ、意味!!
とか心がとても元気に騒ぐ、ということが私には少なかった。
これは私が日本語なら読み飛ばしてしまい、英文では英語の知識がないために、!!や??が多いだけのことなんですけど。
ところが最近「英語は楽し」のタイトルが重荷になっていて
もういつまで読めるかなぁと言う気持ちに正直になると
「名残の英語」になりました。
こんなつたないブログ読んでくださって本当にありがとうございました。
なんとなく身辺を整理しなければと思う60代にとても大きな励ましを頂きました。
2009年07月17日

今朝散歩の途中で珍しく「からすうり」の花に出合いました。
こんなそばで見たのは初めて。
よく見ると白い花弁は5枚あって
そのひとひらひとひらの先がまゆから引いた一本の絹の糸のように細く分かれていて、その細い糸(ひとひらに20、25本くらい、ということは100以上に細分)がみごとにカールしていてその繊細な造化におどろきました。
真っ赤なからすうりが見られるかなぁ。
ところで投稿してから何日か後にきずいたのですが
写真好きの方のブログでからす瓜の花を拝見しますと、花の形が違っているのです。
もしや私の見たのは新種?とドキドキ!でも、
からす瓜には雌雄あり花の形が違うこと
また、花は日が落ちてから開き朝にはしぼんでしまうらしい
と知りました。
トップに私が描いたのは、朝になって半分しぼんでしまったものだったらしい。来年はちゃんと開いたものをUPします。間違っていてごめんなさい。
2009年07月16日
三月、源氏の初恋の人、この世で最高の理想の女性、継母、
さらに、恐ろしい秘密の共有者・藤壺の病が重いと聞き胸騒ぎを覚えた源氏は藤壺を見舞う。
この年、太政大臣が逝去しその他にも世の中を不安にする不穏なことが多く、今また天皇の生母・藤壺(故桐壺院の皇后であった)の危篤。
She had received the highest honors which this world can bestow, and her sorrows and worries too had been greater than most.
最高の身分である皇女として生まれ、この世で最高の名誉ある地位を得てなお藤壺の苦悩。
源氏が藤壺の寝室のさかいにたてた几帳の前で容態を聞くと女房(侍女)のひとりがいう。
「この数か月ずっとご気分がすぐれずにいらっしゃいましたのに、お勤めを少しの間も怠らずになさいました疲労も積もって、ますますひどくご衰弱あそばしたところに、最近になっては、柑子などにさえ、お口にあそばされなくなりましたので、ご回復の希望もなくなっておしまいになりましたことです」 渋谷栄一氏・現代語訳より
http://www.sainet.or.jp/~eshibuya/
その源氏に取り継がせようとして藤壷が几帳のむこうで弱々しく侍女にいう。
"I have been very grateful," she said to Genji,
"for all the help you have been to the emperor.
You have done exactly as your father asked you to do.
I have waited for an opportunity to thank you.
My gratitude is far beyond the ordinary, and now I fear it is too late."
「故院のご遺言どおりに、帝のご後見をなさること、長年存じておりますことは多かったのですが、何かの機会に、そのお礼の気持ちが並大抵でないことを、ちらっと知っていただこうとばかり、気長に待っておりましたが、今は悲しく残念に思われまして」 渋谷栄一氏・現代語訳より
その弱々しい藤壺の言葉を源氏は、
He could barely catch the words and was too choked with tears to answer.(hear でなく catch なんですね)
何物にも替えがたく惜しい藤壺の命、
But life is beyond our control,
源氏にはその命をつなぎとめる術が何ひとつ無い、それが源氏には限りなく悲しく悔やしい。そして源氏が
「太政大臣が亡くなって打撃を受けたあとに、このようにご病気が重くなられて、私にはとても耐え難いことです。私ももう長くは生きられないような気がします」などと涙ながらに言っているうちに、
〜she died,like a dying flame.(あかりが消えていくように)
I shall say no more of his grief.(また一人称!話者(作者?)の声が。
英文は「The Tale of Genji」より



