このブログの説明

女の子が主人公のラノベ(少年向けレーベル)というのは少ない。

『女 主人公 ラノベ』でGoogle検索を行うと出てくるのは、

 「ラノベに女性主人公があまりいない理由とは?」
 「女性主人公の話に男性は感情移入しにくい?」
 「女性主人公の(少年向け)ライトノベルは売れないのか?」

という記事ばかりである。

主人公は冴えない少年で、美少女がどんどん現れて主人公に好意を持つ。
というのがラノベの王道パターンで、確かに需要は高いだろう。
しかし、

・そういう展開はもうお腹いっぱい
・男性キャラ無しで百合百合した物が読みたい
・女主人公の方が感情移入できる

という考えの人も結構いるんじゃないかと思う。
特に漫画やアニメにおいては、「らき☆すた」「けいおん!」「ゆるゆり」など、感情移入するべき「少年」がいない作品も支持を得ている。

そこでこのブログでは、筆者が読んだorチェックした女の子が主人公のラノベを紹介することで、ささやかながら女主人公のラノベを応援していくことを目的とする。

ありす×ユニバース -キャプテンはJK-

ありす×ユニバース -キャプテンはJK- (GA文庫)
ありす×ユニバース -キャプテンはJK- (GA文庫)
1~ 巻
関涼子 イラスト/深崎暮人

ごく普通の女子高生のあたし、西園寺ありすは、見知らぬ場所で目覚めた。 そこには、知り合いにそっくりなんだけど、まったく知らない人がいて、こうあたしに言った――。「あなたにしかできないお願いがあります。聞いてくれますか?」「あたししか……? うんっ。わかった」「それじゃあ、なるべく可愛い声で『おはようハニー』と声をかけてください」「……はっ?!」見知らぬそこは、なんと宇宙船の中。しかもあたしが――なんであたしが、警察に追われる宇宙海賊のキャプテン?いったい何がどーなった!?平行宇宙でバトル&ラブ!パラレルだけに2冊同時に刊行だ!!


キャラクター:☆☆☆
ストーリー:☆☆
文章:☆☆


<簡単レビュー>

少女向けラノベの典型的な作品だなぁと思った。

主人公ありすは、育ちが良くてそれなりに教養もあるが、ちょっと気の強い女の子。ある日突然宇宙船に拉致(とはちょっと違うけど)されて、そこでの常識は右も左もわからず意地悪なヒーローにも翻弄されるが、それでも自分に出来ることを探して頑張る話。

という、個人的には結構萌えそうな設定ではあるのだけれど
文章にメリハリがない、という感じだろうか。

文章はありすの一人語りで、心理描写も宇宙のヘンテコ常識に対するツッコミも自然で違和感はないのだが、どうも単調に感じた。おそらく、「あたしは~~~した。」が多すぎるせいなのかなと思う。その単調さのせいで、意地悪ツンデレなヒーローに対してもイマイチときめく事が出来なかった。

そしてその語りのせいもあって、ストーリーも淡々と進む。
起承転結の「転」にインパクトが無い。緊張感のある大ピンチが無い。ヤマが小さいからオチも小さい。

設定はなかなか良いのだけど、文章とストーリーがイマイチ、というのが結論。


でもこの作品、設定というかアイデアはかなり面白いと思う。
というのもこの作品、『ありす×アカデミィー』という同時刊行の作品と密接にリンクしているのだ。
ユニバースとアカデミィーは平行世界(パラレルワールド)の関係にあって、ユニバースのありすとアカデミィーのありすが入れ替わっている。
で、筆者はアカデミィーの方は読んでないので(男主人公なので)、推測なのだが、ユニバースの方のありすがピンチの時はアカデミィーの方のありすもピンチに陥っていて、落ち込んでいる時は落ち込んでいて、みたいに、同時系列で比べると面白いほどリンクしている作品、なのだと思う(読んでないけど(笑))。

ストーリー自体をさらに緻密なものにすれば、非常に面白い作品になるんじゃないかな。

わたしと男子と思春期妄想の彼女たち

わたしと男子と思春期妄想の彼女たち 1 リア中ですが何か? (ファミ通文庫)
わたしと男子と思春期妄想の彼女たち 1 リア中ですが何か? (ファミ通文庫)
全4巻
やのゆい イラスト/みやびあきの

日々愛欲に悶える中学生・峰倉あすみ。ある朝、怪しい虚無僧に渡されたコンタクトレンズを通して彼女が見たものは、水着やブルマ、メイド服を纏って教室を占拠する《妄想少女》たちだった! 彼女のいない男子なら誰もが望む妄想の彼女。だが、あすみの愛する高柳君にはいない!? 学校一の《妄想美少女》リサたちと、奪・高柳君に燃えるあすみの恋はどうなる!?


キャラクター:☆☆☆
ストーリー:☆☆
文章:☆☆☆


<簡単レビュー>

筆者が読んだのは1巻まで。
内容的には「ちゃお」や「なかよし」や「小学○年生」のラブコメ漫画みたいなカンジ。
ヒロインはちょっとアホだけど明るく素直な性格の"いいヤツ"(いい子ではない)で、恋に一直線な女の子。
そのあすみの一人称で語られる文章は、基本ハイテンションで小気味が良い。"妄想少女"たちは男子の妄想で生まれた女の子達なので、当然みんな性格が良く、ヒロインにも優しい。
とにかく軽い気持ちで読むことができ、そして楽しい、優しい気持ちになれる作品。まさにライトノベル。
ストーリーの深さは「ちゃお」級な訳だが、ヤマもオチもありまとまっているので飽きることなく読めると思う。

黒鋼の魔紋修復士

黒鋼の魔紋修復士1 (ファミ通文庫)
黒鋼の魔紋修復士1 (ファミ通文庫)
1~ 巻
嬉野秋彦 イラスト/ミユキルリア

純潔乙女に刻まれた“魔紋”の力、見せてあげる――。
“神聖同盟”に12人しかいない、憧れの“神巫”に任命された少女ヴァレリア。しかしその美しい肌に刻まれた“魔紋”を委ねる紋章官は、よりにもよって男、かつ超性格の悪い少年ディミタールだった。純潔の肌を男にさらす乙女心と、各々の立場から対立してしまう二人だが、そんな彼らに初仕事となる任務が与えられる。それが“贖いの主”たる神、レドゥントラを巡る壮絶な争いへ続くとも知らず……。妖艶な“紋章魔法”が世界を彩るファンタジーアクション! -出版社紹介文より-


キャラクター:☆☆
ストーリー:☆☆☆
文章:☆☆☆


<簡単レビュー>

タイトルの魔紋修復士は少年ディミタールのことで、著者の嬉野さんはディミタールを主人公と認識している模様。しかし、物語は基本的にヴァレリア視点で進み、心理描写もヴァレリアのものしか無いので、女の子が主人公と考えても良いはず。
結論から書くと、個人的には全く受け付けない作品。そしてとても惜しい作品。

設定自体はとても美味しい。ヒロインはお嬢様で優秀な魔法使い、だけどちょっと世間知らず。剣の腕は立つが意地悪、でも実は思いやりがあり、しかも悲しい過去も背負うヒーロー。その他、穏やかで優しいエリートイケメン魔法使いや、うつけ者のように見えて実は腹黒い王子、ヒーローの理解者である中年オヤジなどが登場し、男キャラについても申し分ない。少女向け小説のファンタジーによくありがちな設定。
しかしいかんせん、ヒロインの扱いが悪すぎる。
著者のあとがきにはこう書いてある。
『つまるところぼくは、「男のほうが精神的に女より上位にいないといけない」と思っているのかもしれません。ぐへへ。』
この考えの通り、ヒロインがあまりにも頭が悪すぎる。そして簡単にヒーローに言いくるめられる。(男にとって)都合よくデレる。
何より、ヒロインの見せ場が一つもない。全てにおいて女は男に劣っているのだ、と言わんばかりのストーリーになっている…。これが通常の、男が主人公のラノベなら成り立つと思うのだが…。

ちなみに、このヒロインの残念さを除けば、ラノベの中ではレベルが高い作品だと思う。
文章力もあるし、世界観もしっかり固まっているし、ストーリーにも盛り上がりがある。キャラクターが多く読みづらい人もいるかもしれないが、伏線も多く今後の展開に期待が持てる。
ただし、筆者が2巻以降を買うことはまず無いだろう。
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