旭天鵬の帰化

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 旭天鵬がモンゴル人力士として初めて日本に帰化した。大相撲中継で知った。スポーツ紙のバックナンバで調べてみる。
 すると、昨年1月に帰化申請を出して、今年6月23日に法務省から許可が出たと知る。帰化には該当する期間日本で暮らしたことに加え、日本語をよどみなく話すこと、文字の読み書き能力が必要だ。旭天鵬の日本語は十両時代に初めて聞いたときから驚異的にうまかった。なぜモンゴル人の日本語はあんなにうまいのだろう。感動的ですらある。在日二十年の白人よりも三年のモンゴル人の方がはるかに自然な日本語を話す。前相撲時代の相撲学校では読み書きと歴史をしっかり教えるからこっちも問題はないだろう。どちらも小錦なんぞよりは格上である。
 問題は引受人だ。小錦は女房の姓にした。そのご離婚したから帰化のための結婚ととられてもしかたない。その他、高見山を始め力士の帰化は「結婚して女房の姓を名乗る」が基本だった。旭天鵬は独身である。どうするのだろう。



 スポーツ紙で「太田勝」となったことを知る。7月10日から始まった名古屋場所では初日から3連敗。4日目に初白星。「日本人として初の1勝」と笑顔で語っていた。会場では「太田、がんばれ!」とのかけ声もとぶという。照れくさいがうれしいとのこと。

 はて「太田」とはなんだろう。そこでひらめく。師匠の大島親方、元大関旭国は、普段は、というか通例として業務上は「大島武雄」を名乗っているが、たしか本名は太田ではなかったか。調べる。やはりそうだった。とすると旭天鵬は親方の姓をもらったことになる。なかなかいい話だ。

 スポーツ紙によると「帰化は相撲界に残り後進の指導をするため」となっている。一部では「部屋を継承するため」とも言われている。それは大島親方の株を引き継いで親方になるってことか。そうなると旭国のこどもが気になる。こういう場合、旭天鵬と娘を結婚させて跡を継がせるのが相撲界の常道である。息子が生まれても親方株を引き継ぐ名力士になれるとは限らない。自分の娘と部屋の最強力士と結婚させるのが最良の継承方法である。だから親方クラスは娘が出来ると喜ぶ。
 どうやら旭天鵬が大島部屋を継ぐのは事実らしいのだが、どうもこの辺がわからない。

 それはまあそのうち追々判るからいいとして、旭天鵬の「日本人に帰化したことでモンゴル人から『金で国籍を売った』と責められた」は興味深かった。在日モンゴル人のサイトで旭天鵬の日本人帰化が否定的に論じられたのは事実らしい。横綱朝青龍はモンゴル人の妻をもらい、帰化しないことを明言している。もっともこれも最近では「日本に残って力士を育てるのもいいな」と発言したりしているらしいから先は判らない。

 ともあれ旭天鵬は人柄もいいしみなに好かれている好人物だ。だからこそ旭国も後継者に選んだのだろう。私も好きな力士であるし彼の帰化を心から喜びたい。今後もモンゴル人力士は一大勢力として相撲界で活躍するだろうから通訳も出来る旭天鵬は貴重な存在になる。

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kanren7
 旭天鵬初優勝、おめでとう太田勝さん──旗持ちは白鵬──2012/5/20

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【追記】──旭天鵬帰化が【木屑鈔】初めてのテーマ──2014年9月26日

 40歳幕内勝ち越しをなしとげた旭天鵬人気で、私のこの「旭天鵬の帰化──日本人、太田勝さん誕生!」が人気記事として復活していた。調べてみると、書いたのは2005年7月18日。自分でも忘れていたが、なんとこれはこのブログの最初の記事だった。
 サイト(当時はホームページと言った)は2000年のすこし前からやっていた。それで十分だったのだが、なぜか流行り物として、それを凌駕する勢いでブログなるものが話題になっていた。とりあえず自分もやってみようかと手を出してみたのがこの【木屑鈔】になる。早いものだ、もう9年になるのか。すぐに飽きて旧態のサイトにもどると思っていたが、ブログの便利さに慣れてしまい、いまではすっかりサイトのほうがご無沙汰となってしまった。そうかそうか、この【木屑鈔】最初の文はこの「旭天鵬の帰化」だったんだ。当時もいまも旭天鵬大好きだから、なんかうれしい。

 上の文を読むと、朝青龍が現役なのは当然として、「日本に残って」なんて発言もしていたんだ。すっかり忘れている。だってもう9年も前の記事だから。

 上にリンクしたのは【芸スポ萬金譚】の「旭天鵬初優勝」の時の文。これもぜひ読んでください。なんかこの【木屑鈔】の「帰化」は人気になっているのに、【芸スポ萬金譚】のそれはあまり人気がないようだ。なぜだろう。いい文章なんだけど(笑)。

 旭天鵬の40歳現役、しかも幕内で勝ち越しは、長年のファンとして大事なことなので、あらためて文にします。そのときはここにリンクしますのでまた読んでください。