いまWindows8に愛想尽かしをしたところ。
今日の10時半に着いてから8時間ほどのおつきあいだった。
これだけ早い愛想尽かしも自慢できるのではないか。「成田離婚」というのは新婚旅行から帰国したときの空港での別れだが、これは出発の時の成田離婚のようなものだ。



パッケージには8の32bit版と64bit版が同梱されていた。
私のメインPCはデスクトップ機の64bitだが、それに挿れる度胸もないので、まずはWin7の32bitが入っている旧型ThinkPadに8の32を挿れてみた。様子見である。

インストールのときの設定のくどさからして苛つく。こんな違和感は記憶にない。やはりこれはよくもわるくも新しい時代の新しいWindowsなのだろう。しつこくこちらを確認しようとするのは「Store」のせいだ。そんなもの使わんからパスしてくれと言いたいが、そうもならないようだ。
なんとかインストールが完了した。しかし馴染めない。好きになれない。



私のほうにも勘違いがあった。
8のVersion Up版は、「XP、VistaへのUpgradeはOSの新規インストール。旧OSの設定は引き継げない」「7のUpgradeは、すべて引き継ぐ」となっていた。

そこで何を勘違いしたのか私は、7に8を挿れると、すんなり7の環境が保たれると思ってしまったのだ。XPやVistaは単なるVersion Upの新OSで最初からぜんぶまた構築せねばならないが、7はそこの部分が楽なのだと。
まったくあたらしいOSになるのだからそんなことがあるはずもない。起動してみるとATOKがMS-IMEになり、入力はローマ字入力と、なにもかもが変っていた。まったくそれは見知らぬOSだった。あたりまえなのだ。新発売の新OSを挿れたのだから。
初心者のような恥ずかしい勘違いをしてしまった。

そのことは時間を掛けて慣れ、自分好みに磨いて行けば解決できるが、なにより困ったのは「必須のいくつかのソフトが使えないこと」だった。これは致命的だ。なにしろそれを使うためにあえてそのThinkPadのOSは32bitにしてあるのだから。



ということで、この時点で「7の32bitOSが入っている旧型ThinkPadを8の32bitにする」はペケとなった。
復旧は簡単だった。もともとこのThinkPadは160GBのHDDだった。それをすこしでも速くしようと120GBのSSDに換装していた。それを取りだして元のHDDを附ける。それだけだ。そういうこともあろうかとHDDはそのままにしてあったし、それがあったからこその安心しての8のインストールだった。

旧型ThinkPadを人身御供にするような後ろめたさもあったのだが、SSDをHDDにもどしたら、無事7の32が立ち上がって安心した。

メインではないノートパソコンのOSとはいえ、それなりに時間を掛けて磨いてきたものだから、これが無になっていたら落ちこんでいた。「やっぱり8はダメだ」とは思った。この失望感は大きい。



その32bitの8が入った120GBのSSDを初期化してデスクトップ機に取りつける。
デスクトップ機や新型ThinkPadの安定している7の64を、この使いづらい8にする気はない。
でもせっかく買ったものだからなんとか使いこなしたい。それでデスクトップ機をSSD2台のデュアルブートにすることにした。Win7と8の同時使用である。

いまそれをインストール中。これからもメイン作業は7の64だ。
時間のあるとき8の64に切り替えて使用し、徐々に慣れて行こうと思う。それで8のすばらしさを実感したら、あらためてデスクトップ機や新型ThinkPadのOSを8にする。



XPからVistaに移ったとき、なにしろそれは5年ぶりの新OSだったから、時代が違いすぎ、Vistaの要求するハードスペックに応えられないユーザーから批難が殺到した。みなメモリ512MBの時代である。256のひともいたろう。Vistaは1GBないとまともに動かなかった。ビデオカードも同じく高スペックを要求した。

不平不満殺到のVistaだったが私は好きだった。ハードのスペックをあげてやればサクサク動き、XPとは比べ物にならないぐらい美麗だった。自作派だから、ふつうのひとが「スペックをあげねばならない。あげさせられる」と不満に思うことが、「あたらしいスペックに出来る」と楽しいのだった。

ユーザーアカウントのしつこい制御とか問題もあった。細かい缺点の目立つ錬れてないOSだった。5年ぶりの完全新作だからしかたない。その失敗を糧に、すぐに改良型が出た。それが7だった。見事にVistaの痒いところに手が届くようになっていた。好きなOSである。

私はMS-Dos3.1から使い始め、Windows3.1、95、98、Me、2000、XP、Vista、7と使ってきたが、あたらしいOSで戸惑ったことも落胆したこともなかった。すぐにすんなり使いこなせたし、あたらしいものにはあたらしい長所があり、それはあたらしいもの好きの私にはうれしいことだった。

Vistaを嫌ったひとの気持ちはわかる。誰もがそれは「XPを改良した、よく似たきょうだい」と思う。ところがまったくちがっていた。その使いづらさに、多くのひとが戸惑い、苛立ち、怒ったのは当然と思う。でも私はそんなVistaすらも愉しいと感じた。熱心にVistaを擁護したから、Vistaをボロクソに言ういわゆる「XP厨」のひとに攻撃されたこともある(笑)。



しかし今回、そういう適応度の高いはずの私も音を上げた。この新OSの8は使いづらい。タッチパッド仕様の新OSは、ガラケー使いには無理なのか。
いつの日か「やっぱ8はいいわ。あたらしいだけある。もう7にはもどれないね」と言ってみたいのだが、そんな日は来るのだろうか。極めて不安である。



とかなんとかいいつつ120GBのSSDにあれこれインスールしていたらだいぶ慣れてきた。コントロールパネルもタスクバーも基本的には変っていないようだ。タスクマネージャは7よりよくなっている。ふむふむ、わかってきたぞ。意外に早くその日は来るかも。