桜風堂ものがたり/村山 早紀
PHP研究所


百貨店内にある書店・銀河堂書店に勤める月原一整。
店内で起こった万引き事件が思わぬ顛末をたどり、その責任をとって一整は十年働いた店を辞めざるを得なくなった。
それは一整が売りたいと思っていた本、かつての人気ドラマの脚本家が書くも忘れた今販売が厳しいと思われている本だった…。

◆今年の本屋大賞5位の作品です。
本と書店を愛する書店員たちの物語で、1冊の本が話題となり売れるようになっていく過程物語であり、そして自分の居場所を見つける物語でもありましょう。
万引き事件を発端とした誹謗中傷…これは読んでいても辛いわ。
だからこそ銀河堂書店の人々の温かさを感じるのでしょう。
しかし銀河堂書店、カリスマ店員の集まりだわね。
そんな彼らが本気で売ろうとする作品、私も読んでみたいよ~と思いましたわ。
これはこの作品でとっても好きだけど、できればもっと桜風堂書店の方の話も読んでみたかったです。
ぜひ、続編をお願いしたいですね。





スマホを落としただけなのに/志駕 晃
宝島社


麻美が彼氏の富田に連絡したとき、たまたま拾った男のもとにあった。
拾い主の男と連絡をとり、とりあえず麻美が受け取ることなったスマホ。
しかしその男は麻美の写真を見て気に入ったハッカーであった。
富田のスマホのセキュリティを破り、抜き取った個人データを利用して、麻美を監視し陥れようとする…。
一方身元不明の女性の死体が次々と発見された…。
2017年このミス大賞隠し玉作品。

◆スマホを拾ったハッカー、そのハッカーに狙われる女性、山中で発見された死体を調べる刑事の視点で物語は進みます。
そこで描かれるのはスマホとSNSの怖さ…。思いもしなかった落とし穴に、騙されそうな罠の数々。
こんなことできるの?あるの?とか思うけど、いまニュースでランサムウェアの話が流れていて、思っている以上にネット犯罪は身近なものなのだと思います。
ネットは便利だし、いろいろ楽しいものでもあるけれど、それだけに
何かあった際には大事になるのだと、改めて怖さを感じます。
選評にあったように警察の方の描き方が弱いけど、でもそれを補う面白さとテンポの良い読みやすさがありました。
そしてラストの富田くんのメッセージに救われますね。
面白かったです。