その年のクリスマスも、これといって何もなかった。この歳になって、サンタが来るの夢見ていた訳でもねえし、プレゼントをやったり、貰ったりする相手も、今更なんだか煩わしくてとりあえず、平凡に年の瀬に向かっていた。世間では、景気回復の兆しが見え始め・・・云々と ...
カテゴリ: 小説 - STORY -
どんでん返し 後編 威風堂々
最初の約束だった、土曜日がやって来た。あれから4日過ぎたが俺の心の中は、相変わらず、もやっとしたままだった。その日も、朝からピーカンで、天気予報の里芋みたいなキャスターは、3日連続夏日になると伝えていた。退院して、ギブスは取れたモノの、松葉杖無しで歩く ...
熊悟朗先生と愉快なぉ仲間タチ 10
第15話 初体験は元さん突堤の付け根の方から、声が聞こえてきた。「こるぁ、カズぅそこにいるのけ?ほだらどごで、なにやんだべさ?」やたら、濁点が多いしゃべり方は、板長に違いなかった。「休憩時間は、とっぐに終わっるべなや。ちょっくらお使いに行ってけろ」板長は ...
「夜の外科病棟」 最終話
五郎は、訳がわからなかった。昨晩のことは、夢でも何でもなく確かに現実である。テレビを見ようと、リモコンを手探りで探していたら、何かプラスチックのようなモノが、右手に触れた。すぐさま掴んで目の前に持ってくると、名札だった。丁度、名刺サイズのプラスチックの ...
「夜の外科病棟」 その2
その日は、また夜勤だった。これで5日連続・・・本当なら今日は休み勤務が急に変更はよくあることだった。その日は、梅雨明け間近の蒸し暑い夜だった。夜半過ぎに、急患やらナースコールがあり、センターにいたのは、おいらと彼女の二人。疲れが溜まってたのか、目の前のパ ...