HAKATA PARIS NEWYORK

今のファッションを斬りまくる辛口コラム

2014年07月

本業はファッション、グラフィックなどデザイン関連のクリエイティブディレクター。創る側の視点で今のファッション関連の事情を評論する。マスメディアはもちろん、業界紙誌も扱わないテーマに踏み込む。

報告も報道もまやかしの域を出ない。

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 地場ファッション産業の振興、「ファッションで福岡を盛り上げよう!」を名目に事業を展開する福岡アジアファッション拠点推進会議。ここが主催する「福岡アジアファッション拠点推進フォーラム」が今年も8月6日水曜日、ホテルオークラ福岡で開催される。


 といっても、平成25年度に同推進会議が行った活動を「さもありなん」と身内に報告したり、利害関係者の取り組み(予定)を発表するもので、あとは東京から呼んだ「タレント」の講演でお茶を濁す内容だ。


 今年は活動報告、取り組み発表の時間が例年の30分から40分に拡大された。その前に小川洋福岡県知事、高島宗一郎福岡市長、末吉紀雄福岡商工会議所会頭の挨拶が入るだろうから、正味30分というところだろうか。


 活動報告は例年、推進会議の企画運営委員長「Y氏」が自分で作ったパワポの資料を淡々と見せるだけで、事業の客観的な評価や分析がなされているわけではない。自分たちの利害だけで行った事業について、自分たちの都合の良いように報告するのだから、不公正極まりない。


 そもそも、福岡アジアファッション拠点推進会議は、25年度に地場ファッション産業の振興のためにどんな活動を行ったのか。ホームページでは定期的に情報がアップされているが、地場業界には、その実態も効果もほとんど伝わってこない。


 極論すれば、メーンの事業は昨年10月14日~16日、韓国・釜山で開催された「福岡アジアコレクションin釜山」、今年3月8日~23日に実施された販促キャンペーン「ファッションウィーク福岡(F.W.F)」と、しんがりの客寄せ興行「福岡アジアコレクション(FACo)2014」くらいだ。


 快進撃を続けるSPA企業の社長講演などもあるにはあった。でも、ほとんどがファッション情報の発信の名を借りた「イベント事業」と広報ツールの制作程度で、地場ファッション業界である「糸へん」への影響や効果と言えば、「ほとんど無い」というのが正解だろう。


 まず、福岡アジアコレクションin釜山があるが、これに出展されたブランドは「NB」が主体で、モデルも蛯原友里や押切もえなど東京から呼んだタレントが中心。何かに付けて強調される「福岡発信」は、イベント経費に福岡市の「税金」を拠出させる口実に過ぎない。


 おまけにこのイベントには、「福岡市政の破壊者」と呼び声高い高島宗一郎市長も、一泊二日の出張扱いで参加している。この出張費にも福岡市民の税金が使われている。しかも、帰国後に「市議会」が開かれたにも関わらず、市長はこれを「欠席する」という体たらくだ。


 市議会野党のみならず、市幹部からは「議会よりイベントが大事なお人だから」と揶揄されるなど、笑えないオチがついた。


企画力の無さを露呈したイベント


 今年で2回目となるファッションウィーク福岡は、初回の「大失敗」を反省し、コンペ形式にして企画案が募集された。その結果、広告代理店の「H社」に委託されたようだ。と言っても、推進会議側が事前に用意した項目に沿って、キャンペーンの広報ツールやイベント企画を提案されたに過ぎない。


 事業予算が700万円しかなかったため、でき上がったツールはしょぼいデザインのガイドブック、ポスター、Webサイトで、代理店にとって旨味のあるマス媒体は一切使えなかった。


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 それどころか、代理店に委託されたのは、ツールの制作・印刷費を捻出するための「スポンサー集め」や他業界のキャンペーンとの抱き合わせだったのだから、コンペ参加に二の足を踏んだところもあったようだ。


 独自のイベントは、3月15日に市役所前広場で開催された「ファッションマーケット」のみ。これはフリマではなく、地元で活動するクリエーターや個店の出展を狙ったものだ。参加募集の要項にも「バザーではありません。洋服・雑貨・アクセサリーなどのファッション発信の場となります」がきちんと謳われていた。


 ところが、屋外というリスク、1日限定、15,000円という高額な出展料が禍して、思うように参加者は集まらなかった。推進会議の母体である福岡商工会議所が地場の「卸」や「アパレル」に声かけして、「小売り」させるという禁じ手で、何とか体裁を整えたかたちだ。


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 しかも、募集要項にあったルールはあっさり変更され、結果的に「バザーOK」になっている。
そのバザーで「古着」を販売したのが、何を隠そう推進会議の企画運営委員長がファッション部長を務める「大村ファッション専門学校」の学生なのだから、空いた口が塞がらない。


 また、ファッションウィーク自体にも参加企業、参加店舗が少なかったため、対象はファッションのみならず、「ビューティ」「ネイル」「カフェ」「インテリア」などの業種にも拡大。その割に、今回も企画運営委員長は、推進会議発足総会の時に自ら宣ったキャッチコピー「服岡」を強調している。


 専門学校のファッション部長を名乗るレベルだから、冗談にもコピーのセンスは褒められたものではない。代理店のH社からすれば、「コンセプトが大甘ですね」ではなかろうか。


 自分たちがファッション業界の不文律を無視した稚拙な企画しか考えきれないのに、参加者が集まらなければ平気でルールを変える。もはや「公職」に就く資格はないというものだ。


 今回のフォーラムでは、一体何を説明するというのか。例年、報告と取り組み説明に終始するだけで、それに対する質疑応答はないのだから、今回も適当に取り繕って終わる公算が高い。その頃には自治体のトップ2名は退席しているのだから、どうしようもない。


 もっとも、ファッションウィーク福岡のスポンサーとなった百貨店やファッションビルも、内心穏やかならぬ気持ちのようである。今年も昨年同様に大した販促効果はなく、商工会議所の顔を立てるスポンサーで終わったからだ。

 

 拠出した資金が販促効果どころか、ガイドブックなどの制作・印刷費に消えたのだから、「推進会議はいったい何をやっているのか」「広告代理店や印刷会社のためにやっている事業か」と、クレームの一つでも付けたくなるのは、わからなくもない。


 そんな不満があるからだろうか。デベロッパーからは「H社が来年のファッションウィークもルーチンで引き受けているようだが、あの程度の企画では…」との話が漏れ伝わってきた。


 これが事実なら、事業資金の大半を負担している福岡市は、推進会議に完全に舐められていることになる。また、市議会は「高島市長が言い出した」市発注の公共事業に対し、その費用対効果をきちんと検証しているのかということである。


 身内レベルの適当な活動報告ではなく、事業を主導している企画運営委員長を市議会に呼んで、きちんと説明させるべきだろう。



カワイイ区連動は予算獲得が目的か


 それどころか、推進会議は県や商工会議所からの支援が削減されたことで、これまで以上に福岡市に強力にアプローチしている。それがファッションウィーク福岡のコンペ説明会で、企画運営委員長が言い放った「カワイイ区との連動」である。


 福岡市が広報活動に利用するカワイイ区がファッション産業の振興とどう連動するのか。全くもってわからない。まして、事業開始から3年も経つ事業にも関わらず、どれほどの効果を生んでいるか、今もって見えないのである。


 ここにも推進会議が何かに付けてタイアップを画策するのは、利害関係者が福岡市から「別枠の予算」を引き出そうとの思惑が透けて見える。


 ただ、これには落とし穴があった。事業それぞれで委託業者が違うのだ。 ファッションウィーク福岡は広告代理店のH社、 福岡アジアコレクションはRKB毎日放送、そしてカワイイ区は2年目以降、代理店のBJ社(経緯は以下にhttp://www.data-max.co.jp/2014/06/25/post_16457_dm1718_2.html)になっている。


 カワイイ区は昨年7月、カナダ人のミカエラ・ブレスウェート氏が区長に就任した。起用の理由は同氏が自身のブログで福岡の情報を発信し、アクセスが40万件以上あったとの触れ込みからだった。しかし、彼女も初代区長の篠田麻里子同様に、東京の芸能事務所に所属するれっきとした「タレント」である。


 篠田麻里子の場合、事業費は約1000万円だったのに対し、ブレスウェート氏の場合は7月16日から今年の3月31日までの7カ月程度で約1000万円。さらに14年度は約1300万円と300万円もアップしている。これはBJ社が出した見積もりを福岡市がそのまま受け入れた形だ。


 内訳はWeb・SNSプロモーション費377万円、Webサイト・SNS企画管理費325万5,000円などとなっているが、Web関連の制作・管理にそれほど費用がかかるとは思えない。タレントの氏名使用や肖像権料を名目上、転嫁したと思われる。

 しかも、代理店との委託契約外の内容は個別対応、「市主催のイベント出演」も委託契約外ならギャラが発生するという契約になっている。(詳細はhttp://www.data-max.co.jp/2013/09/30/1000_23_dm1718_1.html)


 つまり、推進会議がファッションウィーク福岡などでブレスウェート氏を起用すれば、必然的に福岡市が応分の「ギャラ」を負担しなければならなくなるのだ。


 当然、このギャラからマージンを抜くのはBJ社だろうから、H社はどんな思いか。また、それを多くの代理店を集めたファッションウィーク福岡のオリエンで、のうのうと宣った企画運営委員長は、タレント事務所の営業代行をしているとしか思えない。


 推進会議のすべての事業がこうした委託会社丸投げである限り、ファッション産業の振興などといった「公共投資」とは、かけ離れたことが行われるのは言うまでもない。それはRKB毎日放送が仕切る今回のフォーラムとて同じだ。ファッション業界は全く不在なのである。


 RKB毎日放送にとってフォーラムでの活動報告は単なる添えもので、メーンの収入源は講演会だ。今回はベンジャミン・アーサー・ウエストウッドなる人物が呼ばれ、15時40分から16時30分まで50分の講演がセッティングされている。


 同社にとっては、その講演ギャラのマージンをはねられるわけだから、これほど「おいしい事業」はないのである。


 裏を返せば、H社が携わったファッションウィーク福岡は、ガイドブックなどの広報ツールにしても、ファッションマーケットにしても、制作他はすべて下請業者へのオール外注だから、代理店にとって管理に手間がかかるわりに利益は薄い。


 だから、委託業者側にしてみると、右から左でマージンが取れて利益率が良いタレントを事業に起用するのである。


 本当に推進会議が講演会を「地元ファッション産業の振興のため」と言うなら、地元業界が求めるテーマやビジネスノウハウであるべきだ。しかし、それをファッション音痴のRKB毎日放送はじめ、代理店に理解できるはずはないのは、地場ファッション業界から見ればよくわかる。


 これまで起用されたタレント講演者の顔ぶれをみても、芸能事務所から送られてきたカタログとギャラ一の一覧表をもとに人選しているだけだろう。地場ファッション産業の振興など、これぽっちも考えていないことがよくわかる。


 ベンジャミン何ちゃらという御仁のプロフィールを見ても、いかにも企画運営委員長の専門学校のミーハー学生などが好みそうなキャラクターだ。当日は同校が夏休みに入っているため、学生が動員させられるわけだろうが、彼らがこうした事業の内情など知る由もない。



民放が報道しないからNHKに要請


 講演会の後にはオプションで「懇親会」が行われていたが、今回はそれがない。フォーラムは参加無料だから、学生は参加できても、有料の懇親会となると話は別。それが実施されないということは、いかに一般参加者が少なく、動員がやらせに近いかということである。


 フォーラムをプロデュースするRKB毎日放送は翌日の早朝、おそらくTBS「朝チャン」枠内のニュースをパブ枠にして、フォーラムの模様を放送するだろう。1分ほどの時間に、小川県知事や高島市長、末吉会頭の挨拶風景、企画運営委員長「Y氏」や参加者のアップを中心に「推進会議はいかにも立派な活動をやっていますよ」と、偏向報道する。


 昨年はたった30分の「活動報告や取り組み発表」をクローズアップするために、講演会、講演者の映像はインサートされなかった。果たして、今年はベンジャミン何ちゃらという御仁は、映し出されるのだろうか。それとも、肖像権料をよこせと言われるかもしれないから、躊躇しているのか。


 まあ、フォーラムは実質的にRKB毎日放送の事業だから当然、他局が報道することはあり得ない。推進会議は事業について市民の注目を集めるため、今年の福岡アジアコレクションの模様はNHKにニュース報道させたが、今回のフォーラムもそうするのか。


 ただ、ほとんど公共性がない事業ということを考えると、地場業界どころか、他のメディアまで白けるのも無理はない。


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 そんなことを思っていたら、2009年に福岡県が国の「緊急雇用対策基金」27,931,000円を利用し、制作した福岡県ファッション情報発信システム、「ファッションサイト福岡」も、2,700万円もの資金を使いながら、ほとんど機能せずにず7月16日をもってサービスを終了している。


 これについても、予算を出した福岡県の商工部が企画コンペで業者を募集した。でも、審査には推進会議がお歴々も参加し、なぜかRKB毎日放送の子会社であるWeb制作会社が委託業者に選定されるという不可解さだ。


 企画書には「ブランディング」だの、「ITインテグレーター」だのと謳い文句が並んでいるものの、でき上がったサイトは福岡のファッション情報の発信とは、かくも地場ファッション業界って薄っぺらいものなのかと思わせる白物だった。


 おまけに制作には企画運営委員長の学校が参加しているのだから、これは完全に癒着以外の何ものでもない。というか、学生レベルの情報がファッション産業で役に立つと、平気で思うWeb会社のコンテンツ制作能力の低さを物語る。


 サイトを見ると、「2012年から全く更新されていない」のだから、呆れ返るものだ。しかも、薄っぺらい企画書を読めば、単に「単年度事業として仕事を得られればいい」という考えしかないことが容易に想像できる。


 Web制作会社は県の指定通り、「Ruby」仕様を取り入れ、プログラムに注力したと言っているようだが、情報発信サイトの中身が「すこすこ」でユーザーが利用すると考える方がおかしい。まあ、提案された企画書を注視してみると、「アパレルメーカー、縫製工場が服を生産するための材料選ぶ場合」の項目に、なぜか「ベルクロ」なる靴資材が登場する無知ぶりだ。


 ファッション用語が思いつかないから適当に書いたのは良いが、「資材なら他にもいくらでもあるのに」と、ここでも素人レベルのまやかしに思わず失笑してしまった。制作会社はWeb技術者の雇用に務めたと言い訳したところで、全く機能しないWebコンテンツなど、カネの無題使い以外にはない。


 どちらにしても、地場ファッション産業の振興など全く眼中にない、まやかしの活動報告とまやかしの報道が1週間後になされるのは、こうした水面下の事情、利害関係の構図を見ても間違いなさそうである。


 

30%OFFがお客を惹き付ける理由。

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 7月の始めに駅ビルやショッピングセンターが一斉に夏のバーゲンに突入した。セール後ろ倒しの百貨店も、半ばからクリアランスをスタートさせている。


 ただ、各店のバーゲンが賑わっていたのは、開始日から3日間程度。若者人気の一部のブランドは、開店前から行列ができるが、多くは1週間、10日と過ぎるに従って、お客の入りは完全に鈍っていく。


 そして、20日を過ぎたが、セールPOPが飾られても、閑古鳥が鳴く店は少なくない。それでなくても、衣料品はデフレの影響で、価格が下がっている。これをさらに値下げしたからといって、お客にはそれほど魅力的には映らないだろう。


 低価格といってもメーカーや卸、小売りは利益をとらなければならないので、しわ寄せは原価率にいく。自社開発はもとより、間に商社やODM、OEMの業者が咬むと、原価率は25%程度。カジュアルチェーンになると、20%まで下げられるところもあるようだ。


 プロパーが1,980円のシャツなら、原価率20%では400円以下。そこに生地、副資材、縫製工賃が含まれるわけだから、いったいどんなレベルの商品なのか。その辺もバーゲン以前に洋服の人気を下げている理由かもしれない。


 ネットでは、度々ファストファッションによる過酷な製造現場の取り上げられている。しかし、日本でも多店舗化した業態の店頭価格を見る限り、多かれ少なかれ似たような状況で、低価格商品が生み出されているのは、間違いないだろう。


 そんなことを考えながら、 先週末19日、天神地下街を歩いていると、女性客でごった返すブランドショップが目についた。ファーストリテイリンググループのリンクセオリージャパンが展開する「セオリー」だ。


 土曜日の正午過ぎというのに、隣の「イアパピヨネ」、前の「ナチュラルビューティベーシック」、通路を挟んだ北側の「ストロベリーフィールズ」がほとんどお客を集めきれいないのとは、対照的だ。


 20坪強ほどの店舗は、北半分がカジュアル、南半分がオフィシャルのコーナーに分けられ、ジャケットと組み合わせができるオフィシャルアイテムがキャリア女性の間で大盛況だった。壁面に貼られているセールPOPには「30%OFF」の表示。値引率からすればそれほどでもないのだから、何らかの理由があるはずである。


 天神地下街自体は16日から「ファイナルセール」と銘打ち、50%~70%OFFを謳っているショップも少なくない。こうした店舗からすれば、全く羨ましい限りだと思う。


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 セオリーは1997年にNYで誕生したブランドで、モダンでコンテンポラリーなテイストがキャリア女性を捉えていた。日本ではリンクインターナショナルがライセンス販売したが、あまりに虚飾を排したデザインが日本のキャリア層には受け入れられず、一時は苦戦を免れなかった。


 ところが、2003年にリンクインターナショナルとファーストリテイリングが資本提携し、セオリー本社を買収したことで、日本のキャリアマーケット向けの企画に踏み込み、多少のコンサバ色を加えことで、人気に火がついたようである。


 もっとも、キャリア女性はスタイリングを気にしながらも、フィット感や着心地を重視する。しかも、オフィシャルウエアであることから、質感は譲れない。上質な素材と確かな縫製をそのまま維持した点が、受け入れた理由だろう。


 ただ、価格帯はプレステージとまではいかないが、ベターからブリッジのゾーン。ジャケットは4万円代、ボトムは2万円代、ドレスが2万円~7万円代と、現在のプライス感覚からずれば、決して安くはない。


 また、今のキャリア女性は、自己啓発からレジャー、グルメ、旅行まで、稼いだ収入を多面的に使う。DCブランド時代のように服だけに投資することはない。それだけ、合理的にライフスタイルを謳歌しているという特長をもつ。


 当然、仕事に不可欠なオフィシャルウエアでも、デザインやテイスト、質感を見抜く目を持ち、一方で価格に対するシビアさも失わない。彼女たちにとって42,000円のジャケット、21,000円のスカートは、やすやすと手を出すプライスラインではないのだ。


 ところが、バーゲンに入り、「30%OFF」になった途端、買い物スイッチが「カチッ」と入る。42,000円のジャケットは29,400円、21,000円のスカートは14,700円。ブランドや商品の価値と価格のバランスからして、彼女たちには「値ごろ感」と受け入れられるのだ。それがセオリーがお客を惹き付けるもう一つ理由だと思う。


 お客さんはちゃんとわかっているのだ。とすれば、30代後半から40代前半の洋服好きの大人には、チャンスがあるのかもしれない。ヤングのようにトレンドを追いかけることなく、上質なものを数年かけて着こなす合理性を持つ層である。


 つまり、今後、大人向けのファッションのキーワードは、 虚飾を排したミニマルさやカッティング、 フィット感や着心地、上質な素材と確かな縫製を、彼女たちにとっての値ごろ感でどれだけ提供できるかだろう。


 低価格ばかりがもてはやされた挙げ句、いつの間にか原価や調達コストが圧縮されて、いろんな意味で本当に「良い服」が市場では見られなくなってしまった。その反動がそろそろキャリア女性から起き始めているようである。


 ただ、「原価率を上げて、価格はブリッジラインを保つ」。そんな難しい課題を克服できるか。そのためにはもう一つのキーワード。「コストダウン」がカギになる。売価を押し上げている様々な中間コストにメスを入れなければならないということだ。


 トレードオフに徹した開発体制やODM、OEM丸投げから、自社企画、デザイン、生産管理のもとで工場への直発注。もちろん、上質な生地を提供してもらうテキスタイルコンバーターの協力も欠かせない。


 これらは泥臭い、古典的な手法かもしれない。でも、やってみないと、低価格一辺倒で圧縮したファッション市場が活性化するとは思えないのである。


 

買い取らないと改革は無理。

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 7月8日付けの繊研新聞に「地方百貨店の嘆き節」とも言える、
「良い商品がなかなか地方まで回ってこない」とのコメントが載っていた。


 人口減少やSCの台頭で、地方百貨店は厳しい経営環境にある。加えて売れ筋のフォロー、売りたい商品がメーカーから回ってこなければ、死活問題なのはわからないでもない。


 反面、アパレルからすれば、「何を虫がいいこと言っているんだ」である。売れ筋を供給しても数を売り切らない、店頭在庫を増やせば返品のリスクが増える。量産しないと利益が出ない側として、数が売れる都心店に重点的に配分するのは当然だろう。


 業界紙だから、両社の立場を考慮し「互いにメリットを享受できる取引先政策の変更や構造改革が避けられない」とやんわり結論付けていた。その手段も「商品、顧客の情報共有をはじめ、仕入れや人件費などリスク分担の見直し、新たな商品、売り場開発などの協業モデルの再構築が必要だ」という懐柔策だ。


 しかし、商品や顧客情報の共有化は、通販企業でははるか昔から実施されているし、今さら地方百貨店が導入したところで、どれほど精度の高いものを構築できて、実効力があるのか。また、委託取引、派遣販売員制度を続ける限り、アパレルとのリスク分担になるかは疑わしい。


 共存、共栄というのは容易いが、百貨店側の「買い取り」無しで、仕入れに対する精度が上がるとは思えない。協業モデルなんぞ生温いものではなく、ドラスティックな自主販売だからこそ、顧客に提案するMDが築けるし、 買い取ったからこそ、自店で最後まで売り切らなければならない。販売ロスや機会ロスへの心構えもできるのだ。


 百貨店として荒利益が確保できれば、アパレルとの歩率や人件費負担でも折り合いがつけられる。1型くらいと言わず、思いきって1コーナーすべてを自主編集・買い取り商品にして、地力で販売してみることが必要ではないか。そこから、バイヤーも販売スタッフも育つのである。


 話はズレるが、だいぶ前、正月明けに熊本市に泊まりがけの出張をした。朝、ホテルで地元紙の正月版を見ていると、地元経営者が多数登場する広告の「企画枠」が目についた。


 Q&A形式の年頭所感、所信表明で、その年の経営戦略や事業展開を語るものだ。その中で、老舗百貨店のトップのコメントが気になった。すべての答えで、ことさらに「GAPを誘致したから」が強調されていたからだ。


 正直、「えっ、今頃、GAPごときで、どれほどの競争力がつくのか」と思った。反面、「ああ、地方百貨店ではGAPのリーシングでさえ、たいへんなんだろうな」という気持ちになった。


 もっとも、これは熊本市が置かれている立場を抜きには語れない。ご多分の漏れず、中心商業地の地盤沈下は激しい。通町筋から南北に伸びる商店街の不振、バスターミナルやJR熊本駅との回遊性の悪さ、イオンモールやゆめタウンなど含めた郊外型業態の進出と隆盛etc.


 いくら若者が路地裏のストリートに出店したところで、中心商業を活性化するまでの起爆剤にはなり得ない。さらに熊本市がもつ特殊事情もある。九州の玄関口で、ブランドや商品が集中する福岡まで、高速バスで約2時間、新幹線で約35分の距離という点だ。


 こうした商圏事情が影響して、福岡への持ち出しは年間100億円以上と言われている。そこで、中心商店街の核店舗とも言うべき老舗百貨店がどういう行動にでるのか。それはお客を福岡に行かせないことであり、郊外SCに進出しないブランドや業態の誘致なのである。


 それが先の「GAP」であり、最近では「東急ハンズ」の期間限定ショップになる。しかし、それらはテナントの域を出ないし、東急ハンズといっても話題性優先で、スケールメリットはない。あくまで対福岡の対処療法でしかないのだ。


 まして、マスマーケットや売上げ効率を追求する海外ブランドが、地方百貨店の売場に期待しているとは思えない。H&MやForever21、アメリカンイーグルは進出しないだろうし、お客側からすれば、来てほしいのは「MANGO」や「cos」かもしれない。


 だから、いくら経営者が「地方百貨店に商品が回ってこない」と嘆いたところで、何の解決にもならない。抜本的には地方百貨店に必要なのは戦略の変更であり、委託取引や派遣販売の見直しである。


 MDの再構築といっても、地方百貨店1社ではなかなか踏み出せないから、連携をするという手はどうだろうか。いつまでも伊勢丹系だの、高島屋系だのと、アライアンスにこだわる時代ではないだろう。百貨店経営の軸足は、都心対地方の構造に移っているのだ。


 地方百貨店がリスクをもって、買い取り、自主販売という構造改革に打って出ることができれば、新たなビジネス機会が生まれるかもしれないということである。


 熊本出張の帰り、バスターミナルに併設される別の百貨店を訪れた。地域2番店ながら、ここでNBでも見たことない秀逸なパターンのミセス服を見つけた。サイズにブレルことなく、自社企画を追求。「へえ~、熊本にこんなお洒落なデザインがあるんだ」と感心したものだ。


 疲弊しているとは言え、日本には高い能力をもつアパレルはある。それらと協業すれば、まだまだ活路は見いだせるはずだ。もう百貨店系だの、専門店系だのとこだわっている時代ではない。地方百貨店の改革において、経営者に求められる覚悟以上の決断はないのである。


バリエーションに復活を託しては。

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 先日、当コラムでデニム素材の混紡率について書いた。目紛しくトレンドが変化するファッション業界にあって、ジーンズがベースアイテムの地位にあるのは揺るがず、話題には事欠かないということだ。


 そんなことを考えていると、先日、フランスのプレタポルテ連盟から、「現代のフランス人女性とモード」なる調査リポートが発表された。これはフランス全土に住む15歳から65歳までの女性1003人を対象に、今年5月、8日間に渡ってインターネットで実施されたアンケートをまとめたものだ。


 質問は「フランス人女性はどのようにファッションを着ているのか」と「日常とファッション」という2つのテーマで構成されている。アンケート結果は、後者でトレンドの必要アイテムでは、「ウエア」が52%とトップで、次に靴の13%、そしてバッグが9%と続く。

 

 中でも、必要不可欠なアイテムという問いには、「ジーンズ」が22%とローブ(ドレス)の9%、ビジュー(ジュエリー)の9%、バッグの7%を抑えてダントツだった。しかも、ホームやオフィス、バカンスでも60%の支持を得たというから、プレタポルテ連盟にとっては意外な結果だったようである。


 もともと、フランスがプレタポルテで行うモード発信は、世界市場に向けてのこと。国内マーケットはいたって質素倹約で、合理的なニーズが主流を占めてきた。そこに北欧からのファストファッションが乱入し、一時は「安いトレンド」が市場を席巻したかに見えた。


 ところが、やはりフランス人女性は共稼ぎが多く、家事や子育てにも前向きに取り組むことから、見栄張りのワンナイトパーティドレスより、疲れないジーンズをメーンで選択するということだろう。アンケート結果の人気度を見ると、それを如実に表している。



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 ジーンズ人気が実用ファッションへの回帰を示すという点では、アパレルメーカーがエスラタン混のストレッチ系ジーンズを売り出していることからも説明がつく。ただ、それに甘んじていたのでは、アパレル側のプロダクトアウトは意味をなさない。


 メーカー側もいろんな企画を提案しており、ここには疲弊している日本のジーンズ業界にとっても、参考になる部分もあるのではないだろうか。


 ジーンズはまずデニムの厚さや色、そしてシルエットで、種別を出す。それに前加工や後加工が加わり、バリエーションが広がっていった。しかし、日本ではジーンズ=メンズ、アメカジという固定観念が根強いことで、レディス市場でのデザイン展開が広がっていないのである。


 数年前、某大手ジーンズブランドがモデル出身の有名女優を使って、オーセンティックな型番をスキニータイプにアレンジして、販促キャンペーンを展開した。しかし、いくらメンズの定番ブランドと言えど、レディスへの浸透とまでにはいかず、プロモーションは徒労に終わった。


 日本のレディス市場は、ジーンズとてデザインのバリエーションがなければ、攻略は難しいということだろう。その意味では、フランス人女性のジーンズ人気、またアパレル側の企画バリエーションは、日本でも参考になるのではないか。


 この春、筆者が懇意にするフランスのアパレルメーカーが出展した展示会の資料から、デザインを整理してみたい。まず、シルエットはスリム、スキニーが主流でこの傾向は当分変わりそうにない。ただ、キャリア、中高年向けでは「ブーツカット」、いわゆるフレアも復活の気配だ。


 また、股上が深い、ハイウエストも登場している。これはファッションライターの南充浩さんが日経ビジネスオンライン「糸へん小耳早耳」で書かれているように、「下腹を圧迫するので着用すると苦しさを感じる。だから、その世代にまで普及するのはなかなか難しいのではないかと感じる」が万国共通とすれば、一過性で終わるかもしれない。



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 フランスでもジーンズのバリエーション上、キャリアや中高年向けにハイウエストを出したようだが、依然としてローライズが主流であることに変わりはない。でも、フランスが日本と違うのは、ローライズに「コクーン(妊婦向け)」デザインがあることだ。


 南さんが仰る「ローライズジーンズは腹が出たオヤジに最適のパンツだそうだ。なぜなら、腰骨のところで止めるわけだから出ている腹を圧迫することはなく、逆に腹をジーンズの上に乗っけられるから楽なのだそうだ」をそのまま解釈すると、むしろ妊娠中の女性に向くということになる。


 妊娠中はあまり身体を圧迫させない方が良いという医学的な見地からすれば、スキニージーンズは身体を締め付けるので母胎に悪影響を及ぼすかもしれない。でも、フランスではストレッチでコクーン仕様のジーンズを発売すれば、妊娠中の女性は颯爽と穿きこなせるということ。これもお洒落大国のフランスたる所以だろうか。


 ならば、日本でも最近富みに増えてきている妊娠発表のモデルを起用して、日本版コクーンジーンズを仕掛けても面白いのではないだろうか。いくつものファッション雑誌が廃刊している現状を考えると、モデル側も四の五の言っていられる立場ではないと思うからだ。


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 他のアイテムでは、デニム段階からプリント柄を施したものや共地を使ったウエストマークと側帯「ライン」。カラーデニムを利用した「パッチワーク」、そのパッチワークのワンブレイク。単なるブリーチアウトだけでなく、さらに大胆な塗り加工を施した「ペイント」などがある。


 これから秋冬にかけて、フランスは黒を基調としたコーディネートに移行する。そうした中、ボトムスに差し色的なジーンズをもって来ることはフランス女性なら考えうることだ。ならば、日本でも数年来続くスカート主流の着こなしから、デザインバリエーションでジーンズの復活に掛けてみるのも面白いのではないかと思う。

7月にどれほど利益が残るのか。

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 先週末から、業界は「夏のバーゲン」に突入した。駅ビルやショッピングセンターに店舗展開をするショップやブランドでは、まずネット通販でバーゲンを先行させ、リアル店舗が追随するというスライド制をとっているところもある。


 百貨店では大丸が全国の店舗で6月27日から、阪急も同じく7月1日から「夏のクリアランス」と銘打ったバーゲンに突入している。三越伊勢丹は「セールの後倒し」を表明しているため、7月2日時点でまだ入っていない。


 ただ、業界でも言われているように夏のバーゲンは、年々早期化&長期化している。ビルイン、路面を問わずショップは、6月から「プライスダウン」「Thank you Sale」など、いろんなネーミングでバーゲンを前倒ししている。


 プライスもいきなり「50%~70%OFF」のところがある。6月にこの価格帯というのは、もうマークダウンのレベルではない。ここまで来ると、いかに春物、初夏もののプロパー消化が厳しいかということだ。


 まあ、理由はいろいろあるだろう。中心顧客であるターゲットに商品があっていない。グレードやシーンを読み間違えた。自店のテイストが微妙にブレてきた。販売力が低下した。トレンド不在。メーカーやアイテムの広げ過ぎ。品質の低下。適品、適量の調達ができていない。他店との同質化etc.あげれば切りがない。


 「そんなことは、言われるまでもなくわかっている」「資金繰りやキャッシュフローのためには致し方ない」という反論も、十分に理解できる。


 しかし、商品のMDを決め、販売計画を立てる人間、また、個店で商品を仕入れるバイヤーのやるべきことは、お客さんが欲しがる商品を「欲しがる時期」に「必要な量だけ」「納得する価格」で、提供することだ。そして、結果的に企業や店舗にとって必要な「荒利益」を稼ぐことである。


 マンションアパレル時代、あるチェーン専門店の販売部長が夏のバーゲン期間中にこんなことを話してくれた。「今朝、旗艦店の朝礼でスタッフに言ったんだよ。7月はバーゲンで売上げが予想以上に伸びた。ところが、実際に棚卸しをしてみると、最終利益は予定していたものとは違った結果になった。わずか7万円だったんだよとね」


 この部長がバイヤー含め、スタッフに何を言いたかったのか。つまり、バーゲン商品やバーゲン用に仕入れた値入れの低い商品しか売れないため、荒利益は低くなり、そこから家賃、店長やスタッフの人件費などの経費を引けば、驚くほどの最終利益しか残らないということである。


 今に比べて、商品単価は2~3倍だったから、荒利益額も高かったはずだ。でも、当時でさえ、わずかな利益しか残らなかったことを考えると、価格が下がった現在、各店舗がいくらの最終利益を残してるのか。考えただけでゾッとする。大手各社が無店舗販売のネット通販に乗り出すのは、そうした理由もあるからだろう。


 一方、駅ビルやショッピングセンターを運営するデベロッパーは、テナントに対し「売上げ歩率家賃」を設定しているから、バーゲンで売上げが上がれば家賃収入もアップするという考え。だから、バーゲンをイベント化し、集客増をめざすためにプロモーションに力をいれる。この夏のCMやチラシなどを見ても、一目瞭然だ。


 しかし、テナント側にとっては、バーゲンは荒利益を減らすことであり、自店の首を締めることにもなる。さらにデベロッパーがセール前倒しに傾いてからというものの、それは路面店のバーゲンをさらに前倒しさせる状況に陥っている。それが6月中からバーゲン突入だ。駅ビルやSCに持っていかれる前に、売っておこうという心理が働くからだろう。


 夏のバーゲンを取り巻く構造がこうした状況だから、百貨店の三越伊勢丹がセール後倒しに舵を切ったことは賛否はあるものの、できるだけ荒利益を稼ごうという意味では理解できる。ただ、プロパーで消化できる商品、また、正価販売で投入する商品がどれほどあるかという課題も残す。


 とどのつまり、バーゲンは「値下げロス」を生むことで、これはファッションビジネスの経営を揺るがすことになる。まずは、値下げの前にやらなければならないことがあるはずだ。「売れないからバーゲンする」では、あまりに短絡過ぎ、MDやバイヤーとしての能力があるとは思えない。


 業界でよく言われることだが、バーゲンは同じ商品をプロパーで買ったお客さんの不信感を生み、セールPOPが乱発される売場では、販売スタッフのモチベーションは上がらない。だからこそ、何らかの対策が急務なのである。


 例えば、しまむらは、商品を店間移動させて、できる限りプロパー消化を進めている。それが同社の高収益を生んでいる。日本は四季があるから、北海道から沖縄まで一律同じ日にバーゲン突入は必要なのか。異常気象で四季がなくなっているが、チェーン店ならできなくはない対策でもある。


 ただ、ここに来て大手セレクトショップも、バーゲンによる収益や荒利益の低下を危惧し、「7月はプロパー販売を強化したり、首都圏でセール時期を分散する」と表明し始めている。これはいい傾向だと思う。


 それでも、デベロッパーが「他店がバーゲンしているから、もっとバーゲン商品を増やしてください」というのなら、これは明らかにテナントいじめ以外にない。


 確かにテナントの売上げに連動して、デベロッパーも歩率家賃が上がるというシステムは、かつてのようにバーゲン売上げ比率が低い時代には有効だった。また、デベロッパーの中には、バーゲンではプロパーより低い歩率家賃をとっているところもあるかもしれない。


 でも、ネット販売がどんどん浸透し、店舗販売が食われている時代だからこそ、バーゲンではなく、プロパーで勝負できるような仕掛けが必要なのである。しかも、駅ビルやショッピングセンター同士の競合が激化しているのだから、なおさらだ。


 それは何も客寄せイベントとは限らない。ファッションビジネスとはどういうことかの根本に立ち帰らないと、店舗販売の意義は無くなってしまう。その意味では、大手ショップやナショナルブランドだけでは、厳しいということだ。


 もう大都市のショップの顔ぶれを見ると、「個店」をほとんど見かけない。だから、売場を見ても面白くないし、いくらバーゲンでも買う気がしない。先日、地元セレクトショップの社長も同じことを仰っていた。大手やNBばかりだと、それは同質化競合を生み、結局、バーゲンもエスカレートしていかざるをえないのだ。


 結局、どこのビルインも全国ブランドによる同じような顔ぶれ。ただ、ファッション音痴のメディアが「初進出」だの、「初上陸」だのと煽るだけで、「テイストは何ら変わらない」と、お客さんも気づき始めている。


 個店は開発コスト応分の高額な保証金など、初期投資を負担できない。だから、大手中心のリーシングはわからなくもない。でも、その辺のビジネスから変えていかないと、大手とてバーゲンとカードポイント還元くらいでは、いずれ壁にぶち当たってしまうだろう。


 ステレオタイプになったファッションビジネスを活性化するのは何か。あるいはバーゲンの規模を縮小し、プロパー消化率をアップさせるのは何か。それは決してマスにはならず価格にも左右されない個性的な商品、またバーゲンをしない個店の登場だと思う。


 また、それにはデベロッパーがテナントに対し設定する売上げ歩率家賃を再考することも、カギになるのではないか。すでに大手によるネット通販、ショールーミング、本部一括主導の販売が強化され、店舗販売力が落ちていることを考えると、なおさらそう思う。

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