誰か私にチョコください

「ギブミー!ちょこれーと!!」


これを大声で、しかも初めて見る米軍の兵隊さんに言える子は、見事チョコが貰えました。
ついでに、墜落して壊れた飛行機のかけら?もちゃっかり失敬してきている子までいたりして。「この飛行機のカネ(金属の事です)まだ熱いど。」なんて言いながら。
逞しい。田舎のガキども。

はい。米軍の飛行機の墜落現場でのことです。(事故処理に何日か来ていました。外人さん。)

チョコを貰った子供はたいそうな自慢をします。そりゃあ、自分だってチョコは物凄く欲しいのですが、なにせ、ほれ、内気で恐がりでしたから。
親や近所の大人は、物見高いので当然墜落現場は見学済みでして、

「いやー。毛唐(外人を蔑視してこう言った)はでかくて気持ち悪い。特に黒人は何あれ。人間とは思えん。近くに寄ったら危険だど。」
「しかも、日本語も喋れねぇ、頭悪いんでねが。」

戦勝国の人間に対してずいぶんな言い方ですが、そこは筋金入りの田舎者、歴史は無視するのでした。

こんな話を聞かされていましたから、いくらはたで、行ってこい、行って見事にチョコやガムをゲットして来い、言われましてもねぇ。

臆病な私はとうとう行けませんでしたが、ほとぼりが冷めて、誰も話題にしなくなった頃、こっそり行ってみました。

墜落現場は、元々田んぼであり、焼け焦げて収穫の望が無くなってしまいましたので、ほったらかしで誰も居ません。
勿論、すっかり綺麗に片づけられていまして、飛行機のかけらもありませんでした。


黄昏せまる、一人ぼっちの田圃のあぜ道で、


「ぎっぶみー ちょこれぇとぉぉぉお!!」

チョコ色の声が、むなしく響きわたったのです。

(最初から皆と一緒に行っとけば良かった。)


次はこちら

押して〜

トラックバックURL

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
最新コメント
最新トラックバック
livedoor Readerに登録
RSS
livedoor Blog(ブログ)