□東京地検特捜部、押収資料分析急ぐ

 民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」をめぐる政治資金規正法違反疑惑の捜査は13日、小沢氏の個人事務所などに一斉捜索が入り、重大局面を迎えた。陸山会が行った平成16~19年の不透明な資金移動は約24億円に上り、このうち16億円について小沢氏が関与している。小沢氏側はなぜ、これほど巨額の資金操作をしたのか-。東京地検特捜部は土地代金の原資となった「やましいカネ」を隠すための偽装工作だったとみて押収資料の分析を進める。

 ■16年

 一連の不透明な資金移動は、陸山会が16年10月29日に行った東京都世田谷区深沢の土地代金の捻出がきっかけだった。

 陸山会会計事務担当だった石川知裕衆院議員(36)は購入直前の16年10月28日までの数日間に、政治資金収支報告書に記載されていない4億円(1)を陸山会の複数の口座に数千万円ずつ分散して入金し、その後に1口座に集約。同29日午前、手付金1千万円余りを除く残金約3億3千万円を都内の不動産会社に振り込んだ。この計約3億4千万円(2)が土地代金だ。

 一方、支払いが終了した29日午後には、不必要な資金移動が行われていた。

 まず石川氏は、小沢氏の3つの関連政治団体から計1億8千万円(3)を陸山会の口座に移動させた。これも記載がなく、原資は不明だ。

 さらに、石川氏は(3)と陸山会の保有資金で計4億円の定期預金を組んだ。これを担保に銀行から小沢氏名義で4億円の融資を受け、小沢氏が陸山会に貸し付けた。この記載はあり、小沢氏側は当初、この融資金を土地代金に充てたと事実とは異なる説明をしていた。

 特捜部は定期預金を担保にした融資について、(1)を隠すために仕組んだ偽装工作とみている。また、石川氏は昨年12月の任意聴取に(1)について「10月上旬に小沢先生から都内の事務所で複数の紙袋に入った現金4億円を受け取った」と供述したが、この供述について虚偽だったとの見方を強めている。

 このため、(1)の原資は不明だが、特捜部は16年10月に胆沢(いさわ)ダム工事を下請け受注した水谷建設から石川氏に渡った疑いがある裏献金5千万円がその一部になった疑いがあるとしている。

 ■17年

 石川氏は、16年10月に土地を購入したのに、17年1月7日に購入したとする所有権移転登記をし、17年の収支報告書に「事務所費」として(2)を支出計上した。

 また、17年の収支報告書には、登記直前の1月5日に小沢氏の2つの関連政治団体からそれぞれ1億5千万円と1億3千万円の計2億8千万円(4)の寄付を受けたと記載されている。

 しかし、石川氏の後任の会計事務担当だった小沢氏の元私設秘書は「17年に土地代金を支出したことにすると資金が足りなくなり、石川氏に相談して架空の寄付を計上した」と供述。(4)が架空の寄付で、収支報告書上の矛盾が発覚しないようにつじつま合わせをしたとみられる。

 また、小沢氏の別の4億円の不自然な資金移動もあった。

 石川氏の供述によると、17年3月、小沢氏から現金4億円(5)を受け取り、その後、3月から4月にかけて陸山会の複数の口座に分散して入金。その後、陸山会の1口座に集約し、5月に4億円(6)を出金して小沢氏に返したという。

 石川氏は「小沢先生から預かっておくように言われたが、返すように言われたため全額を返した」と供述しているとされるが、この出入金も原資は不明だ。

 16年同様、17年4月にも小沢氏側が水谷建設から5千万円の裏献金を受けた疑惑があり、特捜部はこの5千万円が(5)の一部になった疑いがあるとみている。

 ■19年

 19年4~5月に陸山会の口座から引き出された4億円(7)も不記載だ。石川氏の後任の元私設秘書は「小沢先生の自宅に4億円を運んだ」と供述しており、(1)の返済金だとみられている。

 石川氏や元私設秘書の供述を総合すると、16年と17年の入金計8億は小沢氏が用意し、17年と19年の出金計8億は小沢氏に渡っているとされているが、特捜部は資金の性格について、引き続き小沢氏本人に説明を求める方針だ。

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