優しい人ね　いい人ね
大人になって　聞かされてきた
孤立無援の　ぼくのまわりは
笑顔の代わりに　なるものがない

高橋幸宏「男において」より
（ALBUM「LIFE TIME HAPPY TIME」）


お前はいつも戯れ冗談を言っている。
お前はしかし余儀なくそうしているのだろう。
俺にはよく分かっている。
絶望した者だけが仕方なしにこうするのだ。

クルト・シュナイダー「臨床精神病理学序説」より
（西丸四方訳／みすず書房）


Poison Mind　あたしの言葉は　ひどく感覚的で
人を　傷つけるから
Poison Mind　週末にはいつも口を閉ざしていようと
心にちかうけど
Poison Mind　まるで窒息したBabyみたいに
頭がくるくる　まわりだすから
思わず言いたくなる　みさかいのないあなたの
笑い方が　死ぬほど嫌い　Poison Mind　

レベッカ「POISON MIND」より
（ALBUM「POISON」）


戦争であれ、ジェノサイドであれ、「だれ」が
それを起こしたのか、というような問いは
無効である。「私がそれを起こした」と
確信している人間などそこには一人もいないからだ。
全員が「自分こそ最初の、最大の被害者である」
と思い込む人々のあいだで、はじめて破滅的な暴力は
発生する。暴力の培地は悪意ではない。
己は無垢であるという信憑である。

内田　樹「ためらいの倫理学」より
（角川文庫）


休みになるのが恐い
月曜になるのが恐い
我に返るのが恐い

山本美絵「7:15」より
（ALBUM「オナモミ」）


女は笑いながら
ただ待っている　ただ一人待っている
季節と季節の変わり目に
恋をする少女だった時もあった

ナンバーガール
「tombo the electric blood red」より
（ALBUM「NUM HEAVYMETALLIC」）


愛って…
すごく無気味だね
どこにでもゴロゴロしてて…
それだけで何でも出来てしまえるなんて
とても…　気持ち悪くない？
三原順「Sons」より
（白泉社）


いつか年をとって
それでも互いに愛して
いつも閑かな気持ちで
毎日を過ごすなら
私はたぶん嬉しい
それでも
なんだか少し戸惑うの

ピチカートファイブ「連載小説」より
（ALBUM「couples」）


「子供」とは、われわれの言語ゲームを共有しない
《他者》の一例にほかならない。
キリスト教世界は、終末が存在するような言語ゲームに属している。
「痛み」でさえ、そのような言語ゲームにおいてはじめて存在する。
だが、「子供」はそれが何たるかを知らないで、たんに苦しむ。
彼が終末において贖れたとしても、
なぜいかに贖れたのかも理解できないではないか。

柄谷行人「探究�　廚茲�
（講談社）


もう……会えないわ！！
大人になるまで！！
もう、会えないわッ！！
もう、子供の時のわたし達には会えないわ！！

楳図かずお「わたしは真悟」より
（小学館 BIG COMIX）