さっきまで生きていた鹿のレバーを切る。透き通った水を覗き込むように、料理の全てが見えている。神がかり的な集中力。神様を料理しているのだからあたりまえなのだ。料理人としては至福の時である。
鹿レバーは硬い膜に包まれている。膜の内側に指を入れ、皮を剥き、水の中で揉んで、よく血を出す。この膜は、脚などの筋肉の小さな束も包んでいる。こいつを取るのが非常に面倒だが、根気よくやる。脚一本もらうと半日かかったりする。
しかし、この膜は捨てずに水から煮込むと、素晴らしいゼラチンが取れる。牛筋から取ったゼラチンはゴワゴワしているが、鹿のそれはプルンとしたゼリーのようだ。これで大根を煮込んで冷まし、ゼリー寄せにすると素晴らしい料理になる。(誰か桧原で写真撮ってないかなあ)
本当に新鮮な鹿肉にはフルーツのような、爽やかな甘さがある。鹿は地方によっていろいろな食べ方がある。わさび醤油や、針しょうがポン酢もいい。ソテーするならオリーブオイルで、ちょっとだけバターを落とし、醤油を数滴落とす。。
一口食べると、体の芯が、グランとパンチをもらったように揺れる。
とても沢山食べることはできない。あまりの旨さ、いや旨さだけではない、何か強い力で、本当に打ちのめされてしまう。こんな食い物はまずない。
命を喰うということだ。
アメリカ人に肥満が多いのは、本来、こういう衝撃に満たされてきた民族が、大量生産の白い鶏ばかり食うようになったからだと思う。なまっちろい肉は、いくら食っても、こういう衝撃が来ない。
前回もご指摘いただいたように、リスクのある料理なので、軽々には調理できないし、喰ってはいけない
僕らは打ちのめされてしまった。薪ストーブだけがシュンシュンいっていた。誰かがギターを弾こうとして、手にとってやめた。
*この記事、写真撮影はトロールでした↓
http://ameblo.jp/troll10beam/page-2.html#main
鹿レバーは硬い膜に包まれている。膜の内側に指を入れ、皮を剥き、水の中で揉んで、よく血を出す。この膜は、脚などの筋肉の小さな束も包んでいる。こいつを取るのが非常に面倒だが、根気よくやる。脚一本もらうと半日かかったりする。
しかし、この膜は捨てずに水から煮込むと、素晴らしいゼラチンが取れる。牛筋から取ったゼラチンはゴワゴワしているが、鹿のそれはプルンとしたゼリーのようだ。これで大根を煮込んで冷まし、ゼリー寄せにすると素晴らしい料理になる。(誰か桧原で写真撮ってないかなあ)
本当に新鮮な鹿肉にはフルーツのような、爽やかな甘さがある。鹿は地方によっていろいろな食べ方がある。わさび醤油や、針しょうがポン酢もいい。ソテーするならオリーブオイルで、ちょっとだけバターを落とし、醤油を数滴落とす。。
一口食べると、体の芯が、グランとパンチをもらったように揺れる。
とても沢山食べることはできない。あまりの旨さ、いや旨さだけではない、何か強い力で、本当に打ちのめされてしまう。こんな食い物はまずない。
命を喰うということだ。
アメリカ人に肥満が多いのは、本来、こういう衝撃に満たされてきた民族が、大量生産の白い鶏ばかり食うようになったからだと思う。なまっちろい肉は、いくら食っても、こういう衝撃が来ない。
前回もご指摘いただいたように、リスクのある料理なので、軽々には調理できないし、喰ってはいけない
僕らは打ちのめされてしまった。薪ストーブだけがシュンシュンいっていた。誰かがギターを弾こうとして、手にとってやめた。
*この記事、写真撮影はトロールでした↓
http://ameblo.jp/troll10beam/page-2.html#main