夢見の技術

伝統的なシャーマンの智慧の道、世界の神秘主義思想、現代の心理療法などが伝え、開発してきた、創造的な「夢の見方」を紹介

はじめに (目次)

「夢見」は自由に創造的に生きるための、知らせざる技術です。
自我を手放し、潜在意識や身体と対話しながら、成長していく技術です。

「夢見」は夢を見ていると自覚しながら創造的に見る夢です。
昼、起きている時にもできます。

「夢」は24時間働き続けています。
常に変化し続けていている潜在的な心や体の表現です。
「夢見」はそれを受け入れ、展開することです。

「夢見」では、意識と無意識を半々にすることが重要です。
完全に意識的にコントロールしてしまうと、「観想」と呼ばれる瞑想法になってしまいます。
完全に意識性やコントロールをなくすと、ただの夢に戻ってしまいます。

現代の様々な心理学・心理療法や、古代から伝わる各地のシャーマンの智恵、様々な宗教の秘密の教え(神秘主義)などの領域を横断しながら、「夢見」の技術の全体像を紹介します。

他にはない初めての試みです。

==目次==

◇夢見の方法

4つの夢見の方法
明晰夢を見る方法1
明晰夢を見る方法2
明晰夢を見る方法3
白昼明晰夢を見る方法
夢のストーリー展開
夢見の対象とテーマ

◇夢と夢見と象徴

夢とは
夢見とは
意識の3つの次元
家族の象徴
身体の象徴
家の象徴
シャーマニズムと神話のコスモロジー

◇現代心理学などの理論と夢見

生理学の夢理論
催眠に見る可能性
明晰夢の実証
フロイトの夢理論
ユンクの能動的想像法
夢の演劇的ワーク(ゲシュタルト・セラピー)
ジェンドリンのフォーカシング
コーネルのフォーカシング
ジェンドリンの夢理論
ドリーム・ボディ・ワーク(プロセス指向心理学)
センシェント・ワーク(プロセス指向心理学)
フラート・ワーク(プロセス指向心理学)
秘密のドリーム・ワーク(プロセス指向心理学)

◇シャーマンと部族社会の夢見

想像のセノイ族の夢見
シャーマンのトランス
イニシエーションの夢見(飛翔と身体解体)
ネオ・シャーマニズムの夢見(パワーアニマルの獲得)
ハワイのシャーマニズムの夢見(フナ)
ティキの庭園の夢見(フナ)
アボリジニーのドリーミング

◇神秘主義の夢理論と夢見

タントリズム(密教)の夢理論
ゾクチェン(チベット密教奥義)の夢見
西洋魔術のパスワーキング
西洋魔術の即興神秘劇
ブラバツキーの神智学の夢理論
シュタイナーの人智学の夢理論

4つの夢見の方法

<明晰夢>

夜に見る夢の中で、自分が夢を見ていると気づくことがあります。
夢の中で覚醒すると、かなり自由に自覚的・選択的に行動できるようになります。
このように、夢を見ているという自覚を持ちつつ夢を見るのが第一の「夢見」です。
一般に「明晰夢」とか「覚醒夢」呼ばれます。

いくつかの神秘主義的な伝統でも行います。

「明晰夢」では、夢が通常の夢よりも、また、現実よりもずっと鮮やかになり、印象深くなります。
また、自覚的、選択的に行動できるだけではなく、夢の環境や登場人物を変えることも、ある程度できます。
夢のストーリーも、通常の夢のように突飛な連想的展開が減って、かなり整然としたものに近づきます。

しかし、夢は完全にはコントロールできない、あるいは、しません。

「明晰夢」の見方については、明晰夢を見る方法123をお読みください。


<白昼明晰夢>

第2の夢見の方法は、昼に空想する「白昼夢」の状態から、「明晰夢」に近い意識状態に入る方法です。
つまり、イメージしたものが夢や現実同様のリアリティーを持ち、自分の意図を越えて自動的に動くようになります。

「完全にその夢の世界に入って行く」場合もあれば、「現実世界を残しながら絵を見るように」夢見をする場合もあります。

この状態を「白昼明晰夢」と呼びましょう。
この意識状態では、現実の自分がどこにいてどういう姿勢をとっているかも、半ば自覚しています。
しかし、同時に、夢の中にいて行動しています。
意図的に夢の中に入って行き、戻ります。

様々な神秘主義的伝統で行なわれていますが、特定の場面の設定を行って、特定の目的で行います。

深層心理学者のユンクが「能動的想像力」と呼んだ方法もこれに当たります。

シャーマンのトランスもこれに当たります。
エクスタシー型のシャーマンのトランスは「完全に夢に入り込む」形、暗闇などで行う霊視は「絵を見るように行う」形です。

また、高等魔術の修行などでも良く使う技術です。
「完全に夢に入り込む」場合は「アストラル・プロジェクション」、「絵を見るよう行う」場合は「スクライング」と呼びます。

イメージを完全にコントロールすると「観想」と呼ばれる瞑想法や、イメージ療法になってしまいます。

「白昼明晰夢」の見方については、「白昼明晰夢を見る方法」をお読みください。


<ドリーム・ワーク>

第3の夢見の方法は、「白昼明晰夢」ほどイメージの世界に入り込まない、行いやすい方法です。
意識の状態としては「白昼夢」と同じですが、意図を持って夢に向かい合うので、「ドリーム・ワーク」と呼びます。

夜見た夢を思い出して、その続きを白昼夢として展開するのも一つの方法です。
ただ、あくまでも自分でストーリーをコントロールせず、受動的な姿勢で、イメージを受け入れるようにします。

夢だけではなく、日常の中で感じる漠然とした感覚や雰囲気、あるいは、無意識的な体の動き・しぐさや身体症状なども夢と同様の表現と考えて、それに集中し、イメージを膨らまして、夢のように展開します。

プロセス指向心理学を初めたアーノルド・ミンデルは、身体症状などを夢と同様に扱うこの方法を、かつて「ドリーム・ボディ・ワーク」と呼びました。

ジェンドリンが始めたフォーカシング指向心理学では、言葉やイメージになる前の漠然とした身体感覚を対象にワークを行い、それをイメージや言葉に展開します。
この方法は「フォーカシング」と呼ばれます。

プロセス指向心理学では同様な方法を「センシェント・ワーク」と呼びます。

日常の中で、一瞬ふっと心を通り過ぎる直観のようなもの、様々なものを見たり聴いたりしている中で何となく気が引かれるもの、そういったものを夢の種のような存在と考えて、それに集中し、イメージを膨らまして、夢のようにそれを展開します。
そして、このイメージ以前の意識と、イメージ段階の意識、日常の意識を、行ったり来する方法を「プロセス・ワーク」と再定義します。

また、プロセス指向心理学では、夢をあまり見ない人が、日常を夢のように扱う夢見の方法を、特に、「秘密のドリーム・ワーク」と呼びます。

シャーマン的な伝統でも似た方法が行われます。
夢見の技術には収まりませんが、自分の記憶を書き換えたり、自然を対象にして夢見に似た方法を行うこともあります。

「ドリーム・ワーク」の詳細については「ジェンドリンのフォーカシング」、「コーネルのフォーカシング」、「ドリームボディワーク」、「センシェントワーク」、「フラート・ワーク」、「秘密のドリーム・ワーク」をお読みください。


<演劇夢>

第4の夢見の方法は、数人が即興的に夢の続きを演劇的に演じる方法です。

夢を実演しながら体験し直すのです。
頭で考えるのではなく、無意識から自然に生まれる心の動きに従って行動し、話しながら演じます。
順番に、夢の登場人物のそれぞれになりきります。

これはゲシュタルト・セラピーが行うロールプレイングによる夢見の展開の方法です。

分かりやすく表現すれば、ジャズのセッションで、即興的に演奏するようなものです。


シャーマン的な伝統や、宗教的な儀式でも、似た方法が使われることもあります。

演劇夢の詳細については「夢の演劇的ワーク(ゲシュタルト・セラピー)」、「西洋魔術の即興神秘劇」をお読みください。

明晰夢を見る方法1

明晰夢は、夜の夢の中で、夢を見ていることを自覚しならが夢を見ることです。
明晰夢を見るためには、精神的なエネルギーに余裕があることが条件です。
つまり、エネルギーを外界から内側に向けて蓄積することが必要なのです。

夢に関心を持つだけでもエネルギーが内側に注がれます。
夢日記をつけるだけでも、夢を思い出す量が何倍にもなりますが、これも、エネルギーが蓄えられるためです。
日常生活で多くの精神力を使うような問題を持っていれば、エネルギーを内側に蓄積することが難かしくなります。

自我が強くて利己的だったり、自我の防衛に必死になっていると、多くのエネルギーを消費してしまいます。
ですから、自我にこだわらないようにする必要があります。

また、毎夜、その日に起こったことを思い出しながら反省すると、感情的にひっかかっていたエネルギーが解放されます。

断食や禁欲などもエネルギーの蓄積に有効です。
精のつく食べ物を十分にとったり、呼吸法や瞑想によって気を蓄積することも役に立ちます。

朝に2度寝、3度寝と、何度も繰り返して寝ると、眠りの浅い長時間のレム睡眠を取ることができるので、明晰夢を見やすくなります。

また逆に、2日、3日と寝ずにいると、夢が意識にまで侵入してきて、起きていても幻覚を見るようになるので(つまり白昼明晰夢のような状態)、明晰夢の訓練にもなります。

 

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