「コーチングって結局指導と何がちがうんだろう?」と思っている人は多いのではないでしょうか?

世間一般的には、コーチというと走り方やトレーニングの方法を教え、提示し、やらせることだと認識がありますが

そういう事をする人は、コーチとは言いません。


マインドコーチングの立場でのコーチとは真逆なので、まずはその前提理解が必要です。



まず「コーチ(coach)」ですが、その語源は16 世紀頃ハンガリーのコチという都市で生産された馬車(その客車のこと)にあると伝えられています。

その後、19 世紀、主に英国の大学において、学生の学習指導補助を行う人々(家庭教師のようなもの)に対して使われるようになりました。

そして20世紀に入るとアメリカにおいてスポーツチームやオリンピックチーム、企業や軍などの能力開発・人材育成の手法として用いられ、目覚ましい結果を出し、同時に時代の最先端の知見を取り込みながら洗練していくことで、「コーチング(coaching)」のメソッドが確立されました。


世間一般でもコーチという名称が使用されていますが

たとえば、短距離のコーチや野球のバッティングコーチなど、その他のスポーツにおいてもコーチという名称で活躍されている方は多数存在します。

ですがそのような個別具体的な技術指導等を行う方は厳密にはコーチではなく、インストラクターに該当します。

なぜなら上にも書きましたが、コーチとは馬車であり、「お客様を正しく安全な場所に送り届ける」のが馬車としての役割だからです。


ですが、世間一般的に言われるコーチの役割はどうでしょうか?

選手が望む場所に送り届けるのではなく、馬の方が「こっちのほうがいい!」「それはダメだ!」「何をやっているんだ!」と主張して暴走しています。これでは馬車としての役割を全く果たしていません。
コーチ 暴れ馬

上の図のように、まさしく暴れ馬のように制御が効かない状態です。これではどんなに選手が才能があったとしても、それを潰してしまうことになりかねません。

最初に前提の理解が必要だといったのはこのためですが、世間一般的に言われるコーチとはインストラクターであるということを理解していただけたと思います。

【選手が主役になってるか?】


馬の行き先を決めるのは馬でも御者でもなく、乗客です。

これをスポーツに当てはめると、選手が客車の乗客であり、コーチはその行先に向かう為のコントロールを行う御者の様な存在ということができます。


つまりコーチングにおいて、行き先(すなわちゴール)を決めるのはあくまで選手であり、御者はコーチではありません。

コーチの役割はクライアントがゴールを達成する為の方法を伝えることです。

しかもその方法とは、具体的なhow toではなく、「ゴールを達成する為のマインドの使い方」です。


しかもそのゴールとは、現在のその人の状態、すなわち「現状」と「その現状がそのまま継続したとしたらやがて訪れるであろう延長線上の未来」(status quo)ではなく、「本当に実現したいゴール」、つまり「現状の外」にある「自身が本当に実現したい未来」「理想の自分」を指します。

このように本当のコーチングは、コーチがたくさんの可能性を見せてあげて、クライアントの限りない可能性と未来を切り拓くものなのです。

【コーチとインストラクターを融合させる】


ですが森昇がお伝えしているスプリンターマインドコーチングでは、コーチとインストラクターとの役割を融合して両方の役割を担えるように考えていきます。

なぜなら選手の中にある理想の走り(作品)は、選手自身で模索しつつ、外部との共同作業で創ったほうが完成度の高い作品を創り上げることが出来るからです。

走りは常に自分自身との対話であり、主観がメインになります。ですが主観に頼りすぎると抽象度の低い視点に囚われ、心身のバランスが崩れた時に解決策が見えなくなります。

選手からしたらまさしく泥沼にはまり、どん底にいるような感覚に陥ります。

そこでどん底という名の泥沼から抜け出すために重要になるのが自分以外の視点であり、コーチという存在です。

もちろんコーチには最低限の身体知識は必要ですが、コーチ側に求められるのは、選手にたいして常にフィードバックの役割を持ちつつ、暴れ馬のように強制するのではなくて可能性を狭めず、どん底に陥ったとしても「解決策は絶対にあるし、キミなら絶対に抜け出せる」と確信を持つ事です。

選手だけで走りという作品を創り上げることも可能ですが、人間にはスコトーマの原理があり、自分のなかで重要だと思うモノ以外の情報を排除する脳の仕組みがあるので、コーチ側で選手自身で可能性を狭めないように常に高い抽象度から観て、常にエフィカシー(ゴールに対する自己能力の自己評価)を高めつつ、スコトーマを外してあげる必要があります。

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なので肩書に胡坐をかいて選手に強要するコーチというのはそもそもコーチではありませんし、コーチとして活動する以上は常に脳に汗をかき続け、抽象度の高い視点から選手に可能性を提示し、選手自身を理想世界へと導いて欲しいと思います。


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