注意

このブログは、韓国で研究者として働く一科学者が、時に、科学者として、一日本人として、国際結婚した一人の女性として、一人の母親として、様々な分野にわたる個人的に関心深い話題(生命科学、歴史、戦争、ニュース、世界情勢、韓国、日本、歴史、スピリチュアルなことなど)について語るブログです。ライブドアブログのランキングでは「日記」と「国際結婚」、人気ブログランキングでは「社会・政治問題」「韓国(海外生活・情報)」「国際恋愛・結婚」「生命科学」「スピリチュアル」のカテゴリーに登録されています。話題が多岐に広がりますので、それぞれのカテゴリーからやって来ても全然違うカテゴリーの話題である場合があります。特定のカテゴリーの記事をお読みになりたい場合は、関心のあるブログ記事カテゴリーを右に表示の「カテゴリー別アーカイブ」からお選びになってから、記事にお進みくださいませ。


 

皆様、こんばんは。


わたくしごとですが、大学に関する独り言です。

私は、分子生物学分野の研究者で、今の所いただいている肩書きは大学の研究教授。自分の実験をしながら、大学院生の指導をしている。韓国で。

少々、実験で煮詰まっている時は、何が問題か考えながら、しばし違う実験をしたり、論文を読むのに集中したりする。

私は特別優秀な研究者でもないが、要らないと言われるほどイケてへん研究者でもない、と思っている。

なんで、韓国なん?

と思われるかもしれないが、私のフランス人の夫(科学研究者)が自分の研究室をもち、自分のプロジェクトを進めるには、それしか選択肢がなかった。

情勢も景気も悪い韓国では、年々、研究費をもらうのが難しくなっている。そもそも、朴槿恵大統領の独裁で、言うことを聞かない私たちの大学に(朴槿恵が学長を選ぶというので、それは反民主主義だと大学が反対していた)、国からの研究費削減という処置を取られていたのもあるが、確たる証拠はないものの、研究費申請書の審査に政治的な要素が絡んでるのではないかと感じさせる。外国人には特に厳しい状況となっている。

現在、エリックラボは、私の研究費のみで運営されている。
去年、エリックが申請した研究費3つのうち、2つがふざけた理由で無効にされていた。(゚Д゚)ゴルァ!!
私の研究費は6年間と長いが、各年の使える額は低い。この研究費で、実質、私とエリック両方のプロジェクトを支えなければならないので、案の定、すぐに底が尽きるのである。

さらに、去年、B学部が大きな研究費獲得のため、エリックを無理矢理A学部から引き抜いたが、エリックが来てくれたために獲得できた研究費はエリックには回さない。新年度も、エリックに回すつもりはないようだ。

B学部は、その代わり私の給料を払うと言い、そのために無理矢理私を「研究教授」にしたのだが、一年経って、「一年以内に論文がアクセプト(受理)されなかったので解雇」と言って来た。新規雇用で一年以内に論文受理させるってあまりにも非常識で、私の尊敬する先輩に、「なんでそんなことがまかり通るのか、トランプも真っ青って感じ。」と言われた。

補足すると、論文を書くための実験結果を得るだけでも、1年では足りない上に、実験がうまくいってようやく論文を書いたところで、
論文投稿→審査→結果(掲載不可か、審査員の質問に全て答え、必要なら追加実験をして再投稿の「リバイス」。掲載不可なら別の雑誌へ論文投稿に戻る。)→リバイス→再投稿→論文受理
という流れとなるが、論文投稿から受理まで、最速で二ヶ月ほど、最長で数年だ。まぁ一般的に、だいたい5、6ヶ月〜1年くらいだろうか。
受理から逆算して、このB学部の条件は、新規研究プロジェクトを始めて、5、6ヶ月で全てのデータを出し論文を投稿しないと解雇ということになる。
この非現実さ加減がわかるだろうか。 
ちなみに、私は、去年の夏から論文を投稿し、2度掲載不可をもらい、4度目の投稿でリバイス中だ。普通1年でここまで行けば十分のはずだが。

解雇は解雇で、私はいいのだが、となると、B学部は、私(外国人教員)と、私の研究費を一気に失うことになる。それはB学部にとって良いこととは思えないが、B学部はそれを承知で私を解雇したのだから、それでいいのだろう。

B学部から解雇された私は、このまま所属がなければ、自分の研究費を全て失うことになる。

そこで、A学部の教授が、私の状況を知り、「ぜひA学部に戻って来てください。」と、私を引き戻してくださったのだ。

A学部にとっては、研究費付き外国人教員が入ることはプラスになる。そして、私も救われる。大変ありがたいことで、そのオファーを受けさせていただいた。

これで、研究費が維持できる。

そして、私のお給料は自分の研究費からいただく。

実は、研究者として、この状況は理想的だ。

特に上司から威圧的に言われることはなくなる。(私の場合はB学部だった。)

私のペースで自由に研究できるからだ。

ただし、私の場合、なけなしの研究費から自分の給料を支払うので、他に回す分をやりくりせねばならず、今、この研究費の元で二つのプロジェクトを進める状況の中では、やはり運営上厳しい。恥を承知で言えば、今の私の給料は、私が学位を取ってすぐの初任給よりも低い。

実際、研究に必要な試薬が高すぎて買えない状態だ。この試薬がなければ、ある実験ができず、別の方法でやらねばならないのだが、そこに苦戦しているのだ。

韓国では、研究に必要な器具や試薬など、多くを輸入に頼っているため、価格は、オリジナルの値段のほぼ倍だ。

一般的な研究費よりも額が少ない研究費で、倍の値段の研究装備を揃えなければならない。

かさむ借金(つけ)。

韓国では大概、どの理系研究室にも借金がある。しかし、すぐに完済することはなく、いつまででもちょこちょこ支払いながら、退官までに完済する。

しかし、私たちはそこまで韓国にいるつもりは一切ない。

韓国を脱出することは嬉しいが、その際、このつけを支払わなくてはならない。研究費で支払えなければ、おそらく、私たちのポケットマネーで。
ちなみに研究費は一年分は一年で使い切り。次の年に持ち越すことはできない。

6年間の研究費だが、韓国を去れば、残りの研究費はキャンセル。手元には残らない。

韓国を脱出する前に、できるだけ「つけ」を支払ってからでないと、私たちの引越し費用が飛んでしまう。

ふと思うのだ。
世間では、科学者・研究者とは、どんな風に見られているのだろう?

少なくとも私は、研究を真面目にコツコツとやっていって、これほど借金まみれになるとは、ちょっと考えてなかった。

そもそも、博士号取得し、アメリカにポスドクとして渡った時点で、数百万円の(奨学金という名の)借金がある。

こういう研究者はたくさんいる。私だけではない。

私はそれを不幸だとは思っていないが、なんか、それでいいんか?とも思う。

別に、賭け事で借金してるわけでもないし、豪遊しているわけでもない。

生物学者になろうと決め、生命の謎に魅了され、探求を続け、もっと学び、もっと知りたいと研究を続けて来た。

でも、ただ地道にやっていて、気がつけば借金だらけ。

言っておくが、これは韓国だから悲惨なんだ、というわけではない(とはいえ、韓国より酷いところも少ないだろうが)。 日本でも十分同じ境遇の研究者がいる。

私と同期で博士号を取った仲間が二人とも、研究を離れた。

私の尊敬する先輩は、有名大学の大学院で博士号を取得したが、自分の研究室を持ったのち、研究費が底をつき、研究室を閉め、サイエンスも去った。今はなんとピアノの調律師をしている。この先輩は、私よりも格段上の優秀な科学者で、私はピアノ調律師となったことを祝福したが、やはり悲しかった。私たちは優秀な知的財産を一人失ったのだから。

こういう社会でいいのだろうか。

サイエンスを志す若者が増えるわけがなく、子供達から夢が消えていく。

前にも触れたことがあるが、私のフランス人の夫には、私のような借金はない。
フランスでは、幼稚園から大学院まで国公立は授業料がタダ同然なのだ。

なんで、フランスができて、日本ができひんねん?

今、日本は学校の無償化を真剣に考えるべきだと思っている(朝鮮人学校の無償化は言語道断で却下だが)。
学費を払うためにバイトが忙しくて授業に出ない学生が多いなど、本末転倒だ。

私が大学生の頃、一年生と二年生は教養の授業ばかりで、専門の授業は3年になってからだった。私は、1、2年の時から、「なんで専門の授業を受けさせてもらえないんだ」とやきもきしていた。

だが、どうやら、私が教える側になる程長い時間が経っても、システムは変わってないようだ。大学はまだ貴重な2年間を教養ばかりやらせている。若者たちは、私と同じく、不完全燃焼だろう。

結局、どの国も最大の戦力は、「人」だ。

どんな場においても、国益を運んでくるのは「人」だ。

人の持つ知的財産は、主戦力となり、あらゆる面で国を支えることになり、国民の幸せにつながっていく。

少なくとも、戦前は、普通に誰もがそう思っていたのではないだろうか。

私たち一人一人が国の宝であり、戦力であるということ。

役に立たない人を育ててどうする。

世のため、人のために役立つ質の良い人を育てるのが当たり前だろう。

そのためには、大学を始め、教育機関の抜本的な改革が必要だ。

特に、大学から始めてほしい。

先日、ねずさんこと小名木善行さんのブログ「ねずさんのひとりごと」で、「大学教育に関するひとりごと」というエントリーを拝読した。

私は、飛び級システムを始め、ねずさんのこのひとりごとに、全面的に同意し、支持します。

http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-3304.html




話は変わりますが、最後に。
最近、目立って大きい地震が少なくなっていますが、油断は禁物です。

災害は忘れた頃にやって来ます。

私も、神棚に手を合わせて、祈っております。地震は避けられませんが、どうか規模を小さくし、被害が最小限にくいとめられますように、と。

日々、生かされていることに感謝し、幸せを感じています。

神様、ご先祖様、陰陽師さんたち、光の存在たち、どうもありがとうございます。






皆様のクリックが励みになっています。
本来の日本を取り戻すため、
清き水を流し続けましょう。


人気ブログランキングへ  
私の4コマ漫画ブログ「サイエンティストは魑魅魍魎」もよろしくお願いします!

 

「韓国に住んでいるのに韓国の悪口を言っている」と思う方がいるかもしれない。私の言葉をどうとるかは読者の皆様次第。私は、韓国という国の、そして韓国人の生の姿を現地から伝えている。そこに美しいものを見ればそのまま伝える。出来れば、美しいものにたくさん出会い、紹介したいところだ。日本にとっても、韓国にとっても、現実から目をそらさず向き合い学ぶことが必要だ。両国のためにも、私は生の姿を語り続ける。それがいかに耳が痛いことでも。これが私が韓国に住まわせていただいている私なりの韓国に対する恩返しでもある。