2007年01月28日

科学的競馬投資コメント20070128

新科学的競馬投資ソフトAdinpick4をリリースして3週間が経過しました。
最新バージョンはV1019R1になり、リリース以降10回以上のバージョンアップになりました。パソコン条件(特に搭載メモリー)によって、JRA−VANデータのセットアップ時に、タイムーアウトやアウトオブメモリーが発生する問題に対応するバージョンアップが主でしたが、最新バージョンではかなり改善を図ったつもりですので、旧バージョンでJRA−VANデータのセットアップに失敗したユーザー様も再度最新バージョンで再度セットアップをして頂ければ幸いです。

さて、今週も次期バージョンに追加予定の分析機能のテスト運用結果からの話をさせて頂きます。
先週は、タイム理論をベースにした能力が高い馬の単勝の回収率が、
前走能力が一番高い馬の単勝の回収率は、84%。
過去3出走平均能力が一番高い馬の単勝の回収率は、88%。
過去のベスト能力が一番高い馬の単勝の回収率は、93%。
となっていたとこまでお話しました。
さて、タイム理論には実際に利用する場合に欠点もあると私は思っております。
例えば、芝ダート変更出走の場合に比較できないとか、休養明馬の指数の扱いとか、いわゆるスローペースで足を余してゴールした馬の扱いとか、3・4歳馬の成長度合いの加味といったような、非常に重要な部分が曖昧になっていると私は思っております。
今週は、このタイム理論能力をベースに、芝ダート変更馬、休養明馬、血統馬等の独自予想要因を反映させて回収率がどのようになるかのシミュレーション結果について報告させて頂きます。

ところで、回収率の算定はAdinpick4が参考買い目として算定する買い目で、◎、○、▲、△1、△2、?の馬を基本とした買い目になります。
単勝は、◎のみ
馬連は、◎○▲の3頭ボックスと、◎から△1と△2と?への流し
3連複は、◎○▲の3頭ボックスと、◎と○から△1と△2と?への流し、◎と▲から△1と△2と?への流し
馬単は、◎から○と▲と△1と△2と?への流し
という買い目に基づいて回収率を算出しています。

まずは、余力馬の影響を加味して見ます。
余力馬は、前走足を余してゴールした馬のことです。
例えば、走破タイムをベースとした指数は、競走馬がほぼ能力を出し切った場合のみその馬の能力が正しく指数として表現できるわけですが、レースのペースがslowペースになり馬の能力を出し切れず、いわゆる足をあまして負けた場合には、そのレースでの馬の能力を正しく示しておらず、その指数をそのまま使用用するわけにはいかないのが現実です。走破タイムが悪いから馬の能力がないと判断する間違いをなくすことが必要です。
スローペースかどうかを判断し、かつ、ほぼ能力を出し切った場合の指数に補正する必要があります。
Adinpick4は、余力馬に関する基準値として、スロー基準値という基準値を保有しています。
スロー基準値に基づき、芝ダートを区分しないいわゆる前走のタイムに基づく能力に余力馬の指数を加味した場合の、単勝回収率を見てみると。
単勝回収率:85%
となり、前走のタイムに基づく能力の回収率84%とほとんど変わりません。
ところで、私は、回収率が下がったから、余力馬は回収率向上には関係ないと、そう簡単には判断しません。さらに別の角度から分析・シミュレーションを行うのは当たり前のことと思っております。
実は余力を残してゴールした馬にも種類がありまして、余力を残して上位入着した馬、余力を残したが下位入着の馬、過去ベスト能力が高く前走余力を残してゴールしたので調子がベストに近づいてきたと判断できる馬、といった馬達に分けられる分けです。
そこで、余力を残して上位入着しかつ過去のベスト能力が高かった馬に注目して、あらためてシミュレーションしてみます。
余力を残して上位入着しかつ過去のベスト能力が高かった馬が出走したレースに限定してシミュレーションをしてみると、
単勝回収率:92%
と、回収率100%にし近づいてきています。
余力を残して上位入着しかつ過去のベスト能力が高かった馬に注目すればかなり回収率が上がると判断できそうです。

次は、芝ダート変更出走馬について見ていきます。
一般的なタイム理論に基づく能力(例:スピード指数)は、芝とダートの指数をそのまま使用しているため、芝レースの場合にはダートの指数が芝の場合にはどうなるかわからず、指数を利用できない欠点があるので、私の芝・ダート変換理論に算定した芝ダート変換基準値によって変換したスピード指数の順位に基づいた場合に、回収率がどうなっているか見てみました。
単勝回収率:89%
となり、芝ダートを区分しない前走のタイム理論に基づく能力に比べて回収率は向上しておりますが、まだまだ100%は超えません。
そこで、芝ダート変換基準値が回収率向上の有力要因と判断できましたので、さらに詳細なシミュレーションに進んでみます。
芝ダート変換基準で変換した指数が上位順位の馬もいれば、下位順位の馬もいるわけですが、芝ダート変換基準で変換した指数が高く予想順位1・2・3位のなった馬が出走したレースに限定してシミュレーションしてみると、
単勝回収率:97%
と、回収率100%に近づいてきていました。
芝ダート変換基準で変換した指数が順位1・2・3位、あるいは変換後指数が高い馬に注目すればかなり回収率が上がると判断できそうです。

次は、休養明け馬について見てみます。
Adinpick4は休養明馬に関する基準値として、休養明基準値と言う基準値を保有しています。
芝ダートを区分しないいわゆる前走のタイムに基づく能力に休養明馬の指数を加味した場合の、回収率を見てみると。
単勝回収率:87%
と前走のタイムに基づく能力に比べて高くなっていますが、さらに、詳しいシミュレーションを進めてみます。
休養明馬には、休養明適性がプラスの馬とマイナスの馬がいますので、休養明適性プラスの馬が出走したレースに限定して回収率を見てみます。
休養明適性がプラス5以上の馬が出走したレースに限定すると、
単勝回収率:96%
となり、休養明馬の中で休養明適性が5以上の馬に注目すればさらに回収率を上げることが可能と判断できそうです。

ところで、タイム理論に基づく馬の能力等を使用する場合、能力指数をどのように扱うかと言う問題があります。
前走の能力指数を使用するのか?
過去5走位の能力指数の平均を使用するのか?
過去の最高値の能力指数を使用するのか?
といった問題があります。
又別の問題として、前走の能力指数は低いが過去の最高指数は非常に高い馬と、前走の能力指数は高いが過去の最高指数は低い馬、あるいは前走の能力指数が低いが過去5走の平能力指数は高い馬と、どの馬が一番有力なのか判断する必要があります。
実はAdinpick4は過去基準という基準値を保有しており、前走能力と平均能力と最大能力に応じて調整した総合能力なる能力も算定することができます。
前走と過去ベストと距離別過去ベストと過去5走平均に基づく、今回の能力発揮度を判断する過去基準値という基準値です。
前走のタイムに基づく能力に過去基準に基づく補正をした場合の、回収率を見てみると。
単勝回収率:90%
と、なかなか良い結果になってきています。


では、これらの複数の勝利要因を組み合わせたら、回収率はどうなろのでしょうか?
組み合わせるという場合ですが、各勝利要因を組み合わせるのはどんな方法でしたらよいかも問題になってきます。
高級な理論では多変量解析といった考え方も応用できるかも知れませんが、あまり難しい理論に基づいて要因を組み合わせても実際の競馬に応用できるか疑問もありそうです。
過去に何度かに渡って多変量解析を試みましたが、要因を特定できないという結果に終わっています。恐らく競馬に関していえば、要因の数が多くかつ複雑な要因となっていることが理由と思いますが、、、、、、、
私は、単純に足し算引き算で要因を組み合わせるのが一番良いと判断しています。
今回は、例えば、タイム理論に基づくいわゆるスピード指数に、各勝利要因の数値をプラスマイナスする方法でシミュレーションしてみました。
前走のタイムに基づく能力に全要因を加味して回収率を見てみると。
単勝回収率:約111%
と、100%を超えるシミュレーション結果になっていました。

実はADINPICK4は、競馬場・芝ダート・距離・レースレベルに基づく総合基準値を保有しております。
さらに、最終総合判断する為の、競馬場・芝ダート・距離・レースレベルに基づく総合基準値に基づきシミュレーションするとどうなるのでしょうか?
単勝回収率:約119%
という高い回収率になりました。

Adinpick4は、今まで取り上げた予想要因以外に血統適性た対戦適性等その他多くの独自データも保有しております。
過去のデータに基づくシミュレーションによる回収率は、実際の回収率ではありませんが、各勝利要因の中から回収率向上に貢献する勝利要因を見つけ出したり、どのくらい回収率が上がったり下がったりするかを確認することができ、どの勝利要因を選べばよいのかを科学的に判断できます。
おそらくこの要因が回収率向上に大きく影響しているはずと、あいまいな根拠で判断するのでなく、分析・シミュレーションに基づき選択すべき勝利要因を科学的に決めることは科学的競馬投資では非常に重要と私は思っております。

以上、タイム理論(スピード指数)から始まり、色々なシミュレーションをしてみました。走破タイムをベースとしたタイム理論に基づく能力だけでも回収率は競馬の平均回収率である75%は上回りますが85%位にしかならず、100%を超えることが難しいことが理解できたと思います。
前走能力以上に平均能力も回収率に影響を与えていますし、前走・ベスト・平均能力指数を組み合わせるとさらに回収率向上に貢献することも理解出来たと思います。
さらに、タイム理論のみでなく、Adinpick4が保有する基準値に基づく独自データ等を組み入れることで大きく回収率が向上できることが判って頂けたと思います。

今月1月度は、約4週に渡ってAdinpick4の分析・シミュレーション機能のテスト運用結果について報告をさせて頂きましたが、これらテスト運用してきた分析・シミュレーション機能を改訂あるいは追加して、今週末までにAdinpick4のバージョンアップ版として公開させて頂く予定ですので、私の書いていることを鵜呑みにせずに、ユーザー様自身で色々な観点から分析・シミュレーションをして競馬の実態を確認して頂ければ幸いと思っております。
改訂・追加の分析・シミュレーション機能としては、以下を予定しております。
1、馬券種類シミュレーションに新規要因を追加してシミュレーション内容を大幅改訂予定
2、競馬実態分析機能を追加予定
2−1、年度別馬券種類別配当金額分析
2−2、独自データの発生率・平均配当分析
2−2、タイム理論能力シミュレーション
3、騎手・調教師分析機能を追加予定
4、入着順位分析機能を追加予定

今後も、回収率向上に貢献できるような色々な分析・シミュレーション機能をテスト運用して、回収率向上に貢献すると判断した分析・シミュレーションプログラムは出きれば1−2ケ月毎に1機能位はADINPICK4に機能追加してバージョンアップというかたちで公開させて頂くつもりです。

科学的競馬投資ソフトは、常に上位入着の要因(原因)を発見・確認するために各種分析・シミュレーションを継続して行っており、回収率向上に向けて、基準値改定及びソフトバージョンアッを行っていきますので、今後とも科学的競馬投資を宜しくお願いする次第です。


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