
大学と中学校は、自転車で3分くらいの近さにあるので、息子の学校行事には積極的に参加するようにしています。息子の学校へ行くたびに、自分の「歩み」を振り返ってしまいます。
私が中学校のときの合唱コンクールを思い出すと、まず別のクラスの指揮者を務めていた親友Kくんの姿が浮かんできます。まるでオーケストラの指揮者のような躍動感。その一生懸命な指揮者ぶりには感動を覚えるほどでした。そのKくんと今日メールで会話をすることができました。今度の同窓会でいちばん会いたかった友人です。残念ながら海外で活躍されていることもあり、同窓会には出席できないそうで、とても残念です。
息子の学校行事を見に行くときに、職業柄、息子ではなくクラスや学年全体を見てしまいます。「一生懸命にやることは恥ずかしいことではない。真面目にやることは格好悪いことではない」。しばしば私が学生にいう言葉です。それができないのが思春期の子供たちなのでしょう。今日の合唱コンクール、もう少し元気が欲しかったように思います。
高校の担任を務めていたときのことです。
「先生、男子が真面目に歌ってくれないので何とかしてください」と女子生徒が訴えてきました。私は、チンタラしている男子生徒に、「おまえらチンタラしていたら、張っ倒すぞ!」とあえて言わずに、「優勝したら焼肉をごちそうするぞ~」という台詞で釣ってみたのです。すると「イェーイ」。次の日からチンタラ組は、合唱の朝練習にまで顔を出すようになりました。「おまえらが、いちばん大きな声でうたえよ」。チンタラ連中は「焼肉オー」と雄たけびを上げていました。
わがクラスの出番がやってきました。クラスで選んだ自由曲は『あの素晴らしい愛をもう一度』。「♪いーのーちーかけてとぉ~♪」。歌い出しから元気な声が体育館に響きました。「よしよし」。見ているみんなも、あまりの大声に圧倒されています。「よっしゃー!」。私は優勝を確信しました。
結果の発表です。わがクラスは6クラス中3位。「なんでだよ?」と思っていたら、中学時代は合唱部に所属していたという真面目な女子生徒がやってきて、「先生、合唱コンクールは、大声コンクールではありませんよ」と冷やかに笑いながら去っていきました。私は呆然としながら、彼女の後ろ姿をながめていました。
今から21年前、私がまだ26歳のときの出来事でした。
































