2008年01月05日

キリング・フィールド

シェムリアップからプノンペンにバスで到着して、トゥクトゥクの運転手との会話。

「これから、キリング・フィールド行きたいんだけど」
「それじゃ、ホテル行って、キリング・フィールドとジェノサイド博物館回って10ドルだな」
「けっこー高いなー。」
「キリング・フィールドは、ちょっと遠い高台にあるからなー」
「なんでそんなとこにあるの?」
「低いところにあったら、血が溜まって沼になっちゃうからだろ。」

 そういえば、シェムリアップのキリング・フィールドも、ちょっと離れた見晴らしの良い原っぱだったな。

 前回の文章にあったとおり、クメールルージュは、「文化」を持っている人々を片っ端からしょっ引いて殺しました。

 映画・「キリング・フィールド」で描写されているように、都市に住む人間は、強制的に農村に拉致され、その過酷な移動や栄養失調などで亡くなりました。
 それ以外に、知識がある、外国語が喋れる、愚痴を言ったなどといった人々は強制収容所に入れられ、多くが殺されました。

 労働者管理の役割を持ったガキが
「手がきれいだから敵だと思う」「眼鏡をかけているから敵だろう」などという理不尽な発言をしただけで連れてこられる場所。

 その強制収容所がジェノサイド博物館。処刑地がキリング・フィールドです。

 まずは、供養塔がお出迎え。

供養塔

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一見ただの仏塔に見えますが、近づいてよく見ると、無数の頭蓋骨が安置されてます・・・。
 すでに量が多すぎて、人の亡骸とは思えません。。。

 奥に行くと、ただの原っぱがあります。

原っぱ

 

 

 

 

 

 

 


 


 ここが、キリング・フィールドか・・・。
 今や、ただの静かな原っぱなのですが、10年前はこの写真のように、

キリング写真

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 掘れば掘るほど人骨が出てきていたようです。

 きっと、この絵のように

キリング絵

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 人が殺されていたのでしょう。

 殺される人がやらされた最後の仕事が、この原っぱに穴を掘ること。
 まさに、「墓穴を掘る」
 最悪の気分になってきました。

 ジェノサイド博物館には、殺された人の写真が所狭しと並べられています。

写真

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 無表情な写真。驚いている写真。薄く笑みを浮かべている写真。

 この上ない絶望を抱えた人間の表情は、当人もどんな表情をすればいいか分からないくらい混乱しているようです。
 
 その日は肌寒く、曇り空で、数日前からの腹痛もあり、陰惨たる気分で倒れそうになったのをよく覚えています。
 それ故に、キリング・フィールドの入口にあったこの花の美しさに、心惹かれます。

花

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 美しい花を咲かせる木の根本には死体が眠っているんですかねえ。。
 花の色が、異常に鮮やかだし。

 次回、このキリング・フィールドで感じた、もう一つの虐殺の爪痕に続きます。
 重い話が続いてすいません。あと1回です。



mota2005 at 17:00コメント(2)トラックバック(0)カンボジア  この記事をクリップ!

トラックバックURL

コメント一覧

1. Posted by shina_pooh   2008年02月17日 18:24
重いね。。
広島の原爆ドームのように、強烈過ぎないようにオブラートにくるむ配慮が見られない。そのまんま。ありのまま。むごすぎる。

ここ、国が運営してるのかな。
2. Posted by もりぞお   2008年02月18日 22:43
作り手の意志を感じる演出があるよりも、そのまんまのココの方が直撃で感じるモノがありますね。

こんなことが、我々が生まれた頃に行われてたなんてね。

あと、忘れてはいけないのが、こういう事が今まさに行われてもおかしくない国があるということ。
北朝鮮はもちろん、ミャンマーとかケニアとか。

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
livedoor プロフィール

もりぞお

コメント
点取占い様
点取り占いブログパーツ
test
livedoor Readerに登録
RSS
livedoor Blog(ブログ)