ジンバブエ考

2008年04月30日

忘れた頃にジンバブエ

 こんにちは。
 地味に、ジンバブエ第三弾です。

第一弾 USドルより弱い通貨 1USドルは2500万ジンバブエドルです
第二弾 ジンバブエが荒れると、プラチナの価格が上がるのか?

 たぶん、日本人の99%が知らない話題なので、GWの自由研究の題材にすると、非常に個性的なレポートになると思います。

 ってことで、チベットと、ミャンマーと、ジンバブエのニュースをライフワークにしようと思っております。
 もりぞおです。

 チベットは、今、世界で屈指のホットな話題になっているのですが、それに伴い、ジンバブエも少しニュースに出るようになってきました。

中国のジンバブエ武器輸出 欧米反発 新たな対立の火種に

ジンバブエ向けの銃やロケット弾、迫撃砲などを積んだ中国の貨物船は十八日、南アフリカのダーバン港で荷揚げを拒否された。ジンバブエは内陸国のため、周辺国の港で荷揚げしなければならないが、モザンビークやアンゴラも入港を拒否した
これを受け、米国は、周辺国に荷揚げ拒否を働きかけたことを認めた。

 中略

 ジンバブエ大統領選は、独裁体制を敷くムガベ大統領が劣勢と伝えられ、投票結果が公表されない異常事態が続く。

 
 ジンバブエ、大変なことになっています。。
 大統領が劣勢だからといって、選挙結果が公表されないってどういう事よ。
 もう、無茶苦茶だ・・。

 で、そんな無茶苦茶になっている国に、ロケット弾や迫撃砲を輸出する、中国も中国。

 第二弾の話しであったとおり、ジンバブエから産出されるプラチナを独占的に入手するために、武器を輸出。
 まさに、死の商人と化しています。

 なんでこれがチベットと結びつくかというと、単に欧米vs中国の対立の図式というだけはなく、資源をめぐるなりふり構わぬ中国の攻勢という点でも結びついているからです。
 そう。チベットにも、やっぱり鉱山資源が大量に埋まっているのです。


 かたや、武力を行使して鉱山資源のある土地を侵略する。
 かたや、武力を提供することで鉱山資源を支配する独裁者を手なずける。

 しっかりした信念を持つダライラマは武力行使でぶっ飛ばし
 なりふり構わないムガベ大統領は武力提供で懐柔する

 まさに、硬軟使い分けた中国の外交。

 21世紀、資源をめぐる戦争が起こることが予想される世紀です。
 それを阻止するためにも、やはり、北京オリンピックの開会式はボイコットした方がいいかもしれません。



2008年04月09日

ジンバブエが荒れると、プラチナの価格が上がるのか?

「エコカーが増えると?」「プラチナの価格が上がる。」
「あれ? そうなんだ。」

日経育ち

 

 

 

 

 

 以前の日経新聞の広告で出ていたフレーズです。
 CM出演の長谷部瞳さんが可愛いです。(あと、Podcast 「長谷部瞳は日経一年生」はお勧めです)

 で、このフレーズのオチは、自動車の排気ガスを浄化する機能をつくるのにプラチナが使われるため
エコカーが増えると、プラチナの価格が上がるってことです。

 ちなみに、ハイブリットカーは二酸化炭素など排気ガスが少なく石油の消費も少ないという点ではエコですが、電池をつくるのに貴重な資源を大量に使うので、製造過程および廃棄過程ではあまりエコではありません。

 車を作って、乗って、廃棄するというトータルで普通の車とどっちがエコかという点は一概に言えませんが、
「たいして乗りもしないのに、ハイブリットカーを買う」 ってのが一番地球環境に悪いというのは、なにかを暗示させるモノがありますね・・。


 ま、そんなこととは関係なく、前回ご好評をいただいたジンバブエのお話の続き。

 ジンバブエが荒れると、プラチナの価格が上がる

 あのジンバブエ。一人当たりの年間国民総生産がWii+Wii Fitくらいのあの国に、どんな産業があるのだろうと調べてみたら、ありました。

 ジンバブエは、世界第四位のプラチナ産出国なんです。
 あれ?そうなんだ。

 だから、ジンバブエの国内が荒れると産出量が減るから価格が上がる・・ってな話しではないんです。


ジンバブエ:治安当局、野党事務所を捜索 記者拘束、欧米諸国が反発

ジンバブエの治安当局は3日、外国人記者2人を連行したのに続き、最大野党「民主変革運動」の事務所として使われているホテルを家宅捜索した。市街では治安部隊が各所に配備されている。ムガベ政権は強権的な姿勢を一挙に強め、緊張が高まっている。欧米は記者の拘束をやめるよう強く要求した。

 前回の記事にあったように、無茶苦茶な大統領選挙をしているジンバブエですが、その様子を取材することは規制しています。
 それでも情報が入ってくるのは、身分を隠してゲリラ取材している記者がいるから。
 そんなNYタイムスの記者らが拘束されたようです。

 独裁者の、情報統制恐るべし。。

 情報統制といえば、中国。
 チベット問題に対する情報統制は、今も勢いを増しています。

 チベット騒乱に見る中国の情報統制

チベット関連ニュースが消えた? 中国で強まる情報統制

 ネットや電話を遮断するだけではなく、

> CNNやNHKなどの外国のチャンネルをつけていると、チベット関連のニュースが始まった途端、画面が消え音声も消える。次のニュースが始まるまでこの状態が続く。

 なんて、あからさまな事までやってしまうのが恐ろしい。。

 で、なんでいきなり中国に話しが飛んだかというと、ジンバブエの独裁者ムガベ大統領が中国寄りの政策をとっているからです。

中国の対アフリカ政策はアフリカにとって歴史的チャンスに 西側専門家

ジンバブエのコールト議員は、「過去6年間に、ムガベ氏は東方接近政策を取っており、この間の中国も最も積極的な対ジンバブエ政策を取ってきた。中国は、われわれのエネルギー市場、鉱山、特にプラチナ金に対して興味を示しており、これまでにすでに3本の中国 ――ジンバブエ民間航空ルートが開通している」と述べ、ヨーロッパ諸国のジンバブエ孤立がムガベ政府の対中接近を促したと指摘している。

China courts Zimbabwe, to venture into gold and platinum mining

 でもって、中国は戦闘機などを輸出するのと交換に、プラチナの独占貿易権を手に入れているわけです。
(5年前の記事しか発見できなかったので今もそうかは分かりませんが、2006年12月の統計で、
日本のジンバブエからのプラチナ輸入量が0であることからまだ続いていると思われます。)

 中国は、これから深刻化するであろう資源や食料の確保のために、積極的にアフリカ諸国に援助、投資をしています。
 地球上に残された数少ない未開の地が多数存在し、まだ見ぬ天然資源鉱山もたくさんあるであろうアフリカ。
 ここにいち早く投資することは、まさに先行投資のお手本です。

 しかし、明らかに国民を苦しめ、世界経済から孤立している国に、武器を輸出して独占契約を結ぶのはどうかと・・。
 この辺の割り切りが、中国人の中国人たる所以なのでしょうか・・・。


 ってことで、答えは

「ジンバブエの経済が荒れると、中国以外の国が相手してくれなくなり、
  ジンバブエで産出されるプラチナが全て中国に行ってしまうため、
  中国以外の国への供給量が減り、プラチナの価格が上がる」

 でした。

 したたかと外道の境目で、しっかりと外交を行う中国。恐るべし。


 おまけ
 1990年代前半に世界一周をした人の紀行、バックパッカーパラダイスという本を読んでいるのですが、このころのジンバブエはこのように描かれています。

「ジンバブエはビクトリアフォールとグレートジンバブエという、アフリカの中ではめずらしく見所らしい見所があり、キャンプ場や鉄道も充実しているので評判が高い。
 都市部は近代的で、アメリカの街を思い出させる」

 ちなみに、当時の為替レートは、1ドル=0.8ジンバブエドル。
 これが十数年で1ドル=2500万ジンバブエドルになっちゃうんだからやってられないわな。

おまけ2
 その、長谷部さんのCM。
 このCM、問題の難易度も含めて、センスのいいCMだと思う。


 



2008年03月30日

USドルより弱い通貨 1USドルは2500万ジンバブエドルです

 いつのまにやら、USドルが1ドル=100円になりました。
 ついこの間、1ドル=120円だったときには、円安円安大変大変といってたマスコミが、今度は円高円高大変大変と騒いでいるのがなんだかなあです。

 円高じゃなくて、ドル安だし・・・。
 冒険投資家ジム・ロジャースは、「今後著しく下落し、世界の準備通貨としての地位を失う恐れがある」と言ってます。

 さて、そんな落ち目の通貨USドルですが、そんなモノとは桁違いに価値が落下している通貨があります。

 ジンバブエ ドル。
 100ドルで札束20キロ ジンバブエ通貨の下落止まらず

アフリカ南部ジンバブエで深刻なインフレが進み、通貨の下落に拍車がかかっている。実質的な為替レートは、1米ドル=約2500万ジンバブエ(Z)ドルの水準。米国の100ドル札1枚(1万円強)を現地通貨に両替すると、重さ約20キロもの札束になる。
同国のインフレ率は10万500%と、世界最悪の記録を更新している。今月29日に予定される大統領選に向け、中央銀行は市場への資金供給を続けており、インフレは当分落ち着く気配がない。

 インフレ率10万%って・・・モノの値段が1年間で1000倍になるって事ですか?
 うまい棒が1万円って事ですか。

 JMM(村上龍のメールマガジン)のバックナンバーでジンバブエレポートを見てみると、2003年の段階で

現実はますます厳しくなっているのも事実で、1USドルは、3ヶ月前に2,000ZD(ジンバブエ・ドル)だったのが、今は5,000ZDになっています。

 なんて書いてあるので、ここから5年のインフレのとんでもなさがよく分かります。
 

 その他、ジンバブエの数字あれこれを拾ってみると
・経済成長率-12.1%
・一人当たりGNI 340USドル(=Wii + Wii Fitくらい)
・失業率80%
・平均寿命36歳
 と、冗談のような数字がゴロゴロしています。


 なんで、こんなとんでもないことになってしまったのか。
 
 元々イギリスの植民地で、白人による農場経営が主な産業だったジンバブエ。
 そこに現れた黒人大統領、ムガベ。
 彼が2000年に行った政策はこんなモノでした。

 白人の土地資産を黒人へと無償で委譲しろ法案

 今まで、白人に搾取されてきた黒人の人たちの気持ちは分かるのですが、こんなことをしたら、白人たちはさっさと土地を売って海外に行ってしまいます。
 で、白人が管理していた大規模農園はボロボロに。。
 そして、経済はガタガタに。

 が、ムガベさんは「経済がガタガタになったのは、外資系企業が搾取しているからだ」と考え、2007年に次なる政策

 外資系企業は株式の過半数を「ジンバブエの黒人」に譲渡しろ法案

 を通します。
 当然、外資系企業は一斉撤収。

 国内の産業はなにもなくなり、食料どころかほとんどの物資が自給率1桁%に。
 飛行機が飛んできても給油が出来ないため、航空会社は次々と運行を取りやめ。

 産業がなく、物資もない、陸の孤島という、国ごと無人島に漂流してしまうような悲惨な状況になり、上記のハイパーインフレをはじめとした、戦後最大、常識の範囲外の経済破綻と相成ったわけです。


 この惨事の原因を見直して、気になるのが、
「ジンバブエ黒人が搾取されないようにするための政策」 が、ことごとくわるい方向に効いていることです。

 経済ってのは、いろんなところで繋がっていて、ある側面からみると搾取であっても、それが回り回って経済発展に繋がっていることがあるわけです。

 白人の黒人を使用しての農園経営は、ジンバブエの農業を支えてたわけで、
 外資系企業の参入は、ジンバブエの産業を支えてたわけで、

 なんの準備もなしにそれを切ることは、自分が乗っている吊り橋の支柱をぶった切るのと同じ行為になってしまうわけです。


 日経平均も軽快に下がっていますが、その原因の一つがこのような保護政策だと思います。

 ブルドックソースの株式買い占め阻止を最高裁が認めたり、
 空港会社への外資企業の出資を政府が規制しようとしたり、

「外資はイヤ」という感情論だけで、海外から資本が入ってくることを規制することが、日本の市場の価値を下げているのです。

 今まで、それなりの人口がいて市場規模があったばかりに、国内企業が日本国民にモノを売るだけで経済は回ったのですが、
世界が狭くなり、日本の人口が減る21世紀は、そんなことでは生き残っていけないのは自明です。

 経済基盤とか、保有資産とか、既存産業と技術力とか、ジンバブエとは比べものにならないので、まあ、こんなことになることはないでしょうが、
「バカな国が壊れた」といって、笑っているだけではいかんと思います。


 ちなみに、先日ジンバブエで大統領選挙が行われ、ムガベ氏が再戦。
 が、さっそく、こんなことになってて、もう訳が分かりません。

野党が与党の不正指摘 ジンバブエ大統領選
 MDCの地盤の都市部で多くの有権者が投票を拒まれたほか、投票開始前に、既に候補者の名前が記された投票用紙の詰まった箱が目撃されたり文字の消去が可能なインクが投票所で使われたりしたことも強調した。
 アフリカからの選挙監視団の一つは、首都のある選挙区では、実在しない人物が登録有権者の3分の1に当たる約8000人を占めていたと指摘した


 また、チベット問題で、ダライ・ラマが、あくまでも独立を主張していないのは、チベットの今の国力では経済が成り立たないことを分かっているからです。
 こんな状況でも、しっかり現状を把握し、感情的にならずに行動している彼は、本当に素晴らしいと思います。



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