こんな雨の日が続くからだろうか・・・・・・。


あの夜のことを想い出す。


祥一郎が涙を流しながら、「・・・・・・手、握って・・・・・・・。」


と心細げに私に言った夜の事を。


あの夜、祥一郎の命の灯が消えてしまう前日だったのか二日前だったのか、それすら覚えていない事が
悔しい。


そしてもっと悔しいのは、弱弱しく蒲団から出したあいつの手を、強く強く握ってやらなかったことだ。


10年以上もついぞそんな事を言ったことが無かった祥一郎の、あれは精一杯のSOSだったのに。


その時でさえ私は、祥一郎との時間はもう殆ど残されていないなどと想像だにしなかったのだ。


だから照れくさくて軽くしかあいつの手を握ってやらなかった私。


愚かだ・・・・・・・・・愚かな男だ、私は・・・・・・・・。


「大丈夫、心配すんな。おっちゃんがなんとかするから。泣いたらあかん。きっとなんとかなるから。
ずっと手握ったるから、ゆっくり寝るんやで。」


何故精一杯の優しさを込めて強く手を握ってそう言ってやらなかったのか、悔やんでも悔やんでも悔やみきれない。


あの夜のことを想い出す度、私はこの役に立たなかった手を切り落としたくなるほど悔しくなる。


そして、「ごめんね・・・・本当にごめんね、祥一郎・・・・・許しておくれ・・・・・・。」
どんなに探しても、この言葉しか見つからないのだ。



↓祥一郎の供養の為によろしくお願いします。
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