そうあの時・・・・・・・・・・・・
祥一郎が突然旅立ってしまって、実父から「明日火葬します。」と伝えられ、
私は錯乱した上に錯乱していたのだろうか。
今まさに火葬するというその時、祥一郎が横たわる棺には花一本も添える事が出来なかった。
何故私はそこに思い至らなかったのだろう。
ただ泣いて祥一郎の頬を撫で、暗い穴に吸い込まれて行くのを呆然と見ているだけだった。
明日火葬すると知っていながら、何故祥一郎の棺を花でいっぱいにしてやろうと思い至らなかったのだろう。
馬鹿な男だ・・・・・・・情けない男だ・・・・・・・・私は。
あれから二年が過ぎた。
祥一郎の仏壇には花を欠かせない。
あの時、棺に花一本入れてやれなかった罪滅ぼしなのだとばかりに。
二年経って、都度入れ替えた花はあの時の棺いっぱい分になっただろうか。
それともまだまだ足りないだろうか。
私はこれからも祥一郎への花を欠かさない。絶対に。
どうやってもあの時の棺にはもう入り切れないくらいの花を手向け続けるのだ。
少しずつ。
私の今生での命果てるまで。
そして祥一郎に再会したら、「ごめんね・・・・・・少しは罪滅ぼしになったかなあ・・・・・・。」と尋ねるのだ。
祥一郎はなんと答えてくれるだろうか。
↓祥一郎の供養の為によろしくお願いします。
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