レイコの財布

祥一郎の歯


祥一郎の仏壇の横に、以前ふたりで飼っていたシャム猫のレイコが使っていた餌皿がある。


その中に、祥一郎は小さながまぐちにレイコの爪を入れて毎日拝んでいた。

本来の飼い主である私よりも、祥一郎はとてもレイコを可愛がっていた。


死んだ時も、遺体をどうしようか悩んでいる私の横で、祥一郎はいつまでもさめざめ泣いていたものだ。


きょう何気にそのがまぐちを開けてみると、レイコの爪と一緒に歯が見つかった。


どう見ても猫の歯ではない。人間の歯だ。


祥一郎は自分の抜けた歯をレイコの爪と一緒にがまぐちに入れて、いつまでも一緒に居ようとしたのだろう。


色々な想いが交錯した。


祥一郎は歯痛に悩まされても、医者にもかかれずに痛みがおさまるまでじっと我慢していたこと。


私に力が無いばかりに、祥一郎にろくに歯医者も行かせてやれなかったこと。


不器用で社会性のあまりない祥一郎のために、それなりの仕事を見つけてやれなかったこと。


そして棺におさまった祥一郎の、ボロボロになった前歯。
私と一緒に生きて来て、苦労をさせてしまった・・・・・・・それを象徴するようなボロボロの歯。


この歯を見つけた時、私に謝る以外何ができたというのだろう。



祥一郎・・・・・・・・・・・

ごめんね、ごめんね。

おっちゃんと出逢って暮らしたばっかりに・・・・・・・・・・・。


でも、でも・・・・・・お前はレイコと一緒に居たかったんだろう?

今はもうふたりともそっちに居るんだよね。

ずっと一緒に居るんだよね。


病気や貧乏に悩む事も無く、一緒に遊んでいるんだよね。


おっちゃんはそれを願う。


それしかできないから・・・・・・・・・・・


ねえ祥一郎・・・・・・・・・・・・。


↓祥一郎の供養の為によろしくお願いします。
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