何故死んでしまったの 祥一郎の生きた証

私、けいは2015年12月28日、最愛のパートナーである祥一郎を突然喪いました。 このブログは、彼の「生きた証を残したい。」という生前の希望を綴ったものです。 そして、ゲイの死別という経験を可能な限り見つめて行きます。 #ゲイ  #死別  #孤独

日記

出逢った奇跡



あの日・・・・・・・・・・・・・


私が休みの日でなければ。


そして、新宿へ飲みに行かなければ。


あの店をあの時刻に出なければ。


帰り道、あの地下道を通らなければ。


もう少しゆっくり歩いていれば。


あれくらい酔っていなければ。


いや、もっと酔って前後不覚になっていれば。


もう少し端っこを歩いていれば。


あの角を曲がって駅へ向かっていれば。


私の目を引く、他の男性が向こうから歩いてくれば。


私の心にちょっとした気まぐれが起こらなければ。


お前があの派手なシャツを着ていなければ。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わたしは祥一郎、お前に声をかけなかっただろう。かけることもなかっただろう。
私の目に入らなかっただろう。


しかし・・・・・・・私はあの日あの時、全ての条件が揃ってお前と出逢った。
ほんの少し何かが違っていれば、出逢うことはなかった。


それを想う時、やっぱりあの出逢いは奇跡だったんだな。


お前は向こうの世界から、「偶然じゃないんだよ。運命だったんだよ。」と言った。


きっとそうなんだろう。


お前とおっちゃんの出逢いは、それほど起こる確率の低い奇跡だったんだろう。


私とお前に起こった奇跡・・・・・・・その後の運命を決めた奇跡。


またお前との奇跡は起こるだろうか。


いや、きっと起こるよね。


違う世界できっと。


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ドラマ「弟の夫」を観て



ご存知の方も多いと思うが、「弟の夫」というゲイを題材にした漫画がある。


今回NHKがこの作品をドラマ化して、それを観た。


内容としてはざっくり言うと、双子の兄弟の弟がゲイでカナダ人と同性婚をし、やがて亡くなる。
そのカナダ人がパートナーである弟の日本の実家を訪れ、ヘテロである兄と過ごし、家族とはセクシャリティとは何かという問題提起をしたドラマだ。

原作の漫画は全部読んだが、ドラマとはいえ映像を見せられると要所要所で身につまされる場面が有って、何度か泣いてしまった。


特にカナダ人が、パートナーだった弟をあまりに偲ばせる兄に抱きついて「・・・・・なんで死んだ・・・・なんで死んだんだ・・・・・・・」と泣き崩れるシーンは、私にはできなかったことなので何とも複雑な心持になり、想い返して寝床で大泣きしてしまった。


どうしても我が身の境遇と比較してしまい、自分の周囲にこんな人達が居たなら私の心の変遷はどうなっていただろう・・・と考えてしまうのだ。


私は亡き祥一郎の家族と、じっくり祥一郎のことについて語り合う術を持たない。


申し出はしたが、やんわり断わられてしまった。無理強いなどできないのだ。


想像してみる。


祥一郎の父や弟は、当然知っているであろう私と祥一郎の関係についてどう思っているのだろうかと。


このドラマの主人公である兄のように、葛藤し受け入れ方を模索し、少しでも思いを馳せてくれたのだろうかと。


祥一郎が亡くなった事で必要に迫られカミングアウトした私の兄は、私のことをどう思っているのだろうかと。




それらのことについて、いつか腹を割って話をすることがあるだろうか。


それともそんな機会は訪れず、自分の胸にしまったまま私は死んでゆくのだろうか。


出来得るならば・・・・・・・・そんな機会が訪れることを私は望んでいる。
そんな気持ちが頭をもたげつつある。


自分の中に蟠ったモヤモヤしたものに決着をつけたい・・・・・・・そのような願いが大きくなりつつあるのかもしれない。


一人のゲイとして、色々考えされられるドラマではあった。


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優しい弁当屋

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このブログに書くような内容では無いかもしれないが、忘れないように記しておこうと思う。

先日のオフの日。

私はいつものようにあても無く、近くの繁華街を彷徨っていた。


自炊した方がいいとは思いつつも、どうしてもキッチンに立つ気力もなく、
独りきりの部屋にも居たくもなくて、飽き飽きした街を彷徨っていた。


しかしそうこうしている内に夜の帳が下り、いつまでもそうしているわけにもいかず、
ごくたまに利用する弁当屋で何か買って帰ろうと決めた。


そしてその店に行き幕の内弁当を受け取る時、あろうことか財布を忘れたのに気付いた。


その弁当屋から部屋まで自転車で10分くらいであり、一度戻って財布も取りに行ってくると
店のおばさんに告げた。

私の本心としてはかなりめんどくさいのでキャンセルして帰ろうかとも思ったが、
弁当はもう出来上がっており、そうもいかない。


ところがその時おばさんは、

「ええ?せっかく作ったのに。冷めちゃうわよ。いいから持って行って。覚えておくから。」

そして奥で調理していた店主らしきおじさんも、

「うんうん、お金は今度でいいから持って行って。」

と言うのだ。


私は一瞬絶句し、思わずホロリと涙が出そうになり、少々恥ずかしかったがその好意に甘えることにした。

歳老いた夫婦らしきおじさんとおばさんがふたりで切り盛りしている、小さな弁当屋。
勝手な想像だが、(長年連れ添って助け合って生きてきたのかなあ、私と祥一郎にもこんな人生があったらなあ。)と思わせるような、どこにでも有る小さな弁当屋。

その弁当屋にはたまに行くが、顔を覚えられるほどは通っておらず、どこの誰かも知らない人間の
連絡先も名前も素性も何も聞かず、お金は今度でいいから持って行けと。


こんなことがあるのか・・・・・・・・。


実は私はその時職場での人間関係にかなりムシャクシャしており、心は強烈にささくれ立っていた。

そんな時に触れた、全くの赤の他人の好意というか温かさ。


本当に久しぶりに、心がほっこりした出来事だった。


その時些か我田引水かもしれないが私は思った。

心が弱っている私に祥一郎がくれた贈り物なのかもしれないと。

「おっちゃん、この世もまだまだ捨てたもんやないで。」と祥一郎は私に思わせたかったのだろうか。


近日中に必ずお金を払いに行こう、その時は何か菓子折りでも持って行こう。

そして今後もっとあの弁当屋を利用しよう、あの優しいおじさんとおばさんと世間話でも
できるくらい親しくなろう・・・・・・そう思わせた出来事。


菓子折りは何がいいかなあ・・・・

ねえ、祥一郎・・・・・・・何がいいかなあ・・・・・・・・。


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「魔女の宅急便」を観ながら


魔女の宅急便・・・・・・・・・


もう何年も前に撮りためたものをふとぼんやり観ていた。


初めてこのジブリ作品を観たのは、祥一郎と大阪で暮らしていた頃だったと思う。


確かその頃勤めていた店の社長のマンションを借りて住んでいた。


祥一郎と私の20数年の中で、一番住環境が良かった頃だったな。
僅か一年余りしか住めなかったけれど。


魔女の宅急便を観ながら、あの時のちょっとしたことを想い出した。


そのマンションのベランダに魔女が使うようなほうきが有ったので、私は主人公のキキのようにまたがって祥一郎におどけて見せていた。


それを見た祥一郎が呆れてベランダの窓を閉め切ってしまった。


「ええ歳こいて何しとんねん。」とか言いながら。


しばらく私はベランダの外に締め出されてしまった。


今となっては楽しいひと時の想い出だ。


ふと思った。


祥一郎は魔女のように、この大空を自由に飛び回っているんだろうかと。


いつでもどこでも好きな所へ行き、そして私の傍に戻ってくる。


なにしろ魂には地球の重力の制約は無いのだから。


祥一郎よ・・・・・・・・


お前、黒猫のクロは連れていかなくていいのかい?


それともクロがそちらへ旅だったら、一緒に飛び回るのかな?


それを想像すると、少し笑みがこぼれるような気もするんだよ。


ねえ祥一郎・・・・・・・・・・・。


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コメントをくださる方々に御礼申し上げます。



いつもこの拙ブログを訪れてくださり、温かいコメントやご自分の思いのたけを綴るコメントを残して下さる方々、改めてありがとうございます。


本来ならひとつひとつのコメントに返信するべきなのでしょうが、今の私は自分の気持ちをここに記す、そして祥一郎の生きた証を少しでも記録に残すことだけで精一杯です。


なので返信できないことをどうかお許しください。


皆さんのコメントにはちゃんと目を通し、私なりに様々なことを感じております。


そして日本国内だけでも私と似たような境遇や経験の中にある人が、大勢いらっしゃるのだろうなと改めて思っています。


そんな方々に、拙ブログが何かのお役に立つのなら、どうぞこれからもよろしくお願い致します。
(こんな私のようにはならないぞとか、こんな方法論もあったのか等々)


そしてどうか懲りずにコメントをお好きなように残してください。


それから、どうしても私に何か伝えたい、何か話してみたいという奇特な方がいらっしゃったら、ブログの右上にあるメッセージの方にご連絡ください。


時間と気力の許す限り返信させて頂きます。


勝手なことを申しましたが、どうぞこれからも宜しくお願い致します。


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