何故死んでしまったの 祥一郎の生きた証

私、けいは2015年12月28日、最愛のパートナーである祥一郎を突然喪いました。 このブログは、彼の「生きた証を残したい。」という生前の希望を綴ったものです。 そして、ゲイの死別という経験を可能な限り見つめて行きます。 #ゲイ  #死別  #孤独

何故死んでしまったの

老い支度と悲しい習慣



悲しい習慣がついた。


夜眠る時、窓の鍵を外しておく。


私が独り死んでいても、不審に思った誰かがそこから部屋に入れるように。


これもささやかな老い支度のひとつだ。


例えば真夏の盛りに、部屋で孤独死している私を誰も見つけてくれないことを想像するとぞっとする。


そんなことが少しでもないように、小さな抵抗をしているのだ。


まだまだ老い支度は緒についたばかりで、他にやることは多くあるけれど。
少しでも安心して独りで死ねるように、準備を急がなければ。



老い支度とは関係はないが、私にはまだ残っている習慣がある。


外出から帰って来た時、部屋のドアは鍵が掛かっているはずなのについ鍵を開けずにドアを開けようとしてしまう。


そう・・・・あの頃、ちょっとした外出や日中の仕事で帰って来ても、部屋の鍵は掛っていなかった。


祥一郎が部屋に居たから。


私を黙って待っていてくれたから。



そう、部屋の鍵は掛っていない時間が多かったのだ。あの頃・・・・・・・・・。



未だにそんな習慣が私に残っていることは悲しくもあり、でも少し嬉しくもある。


私の心のどこかはまだあの頃のまま時間が止まっているのだと感じ、嬉しくなることがあるのだ。



私の心も身体も祥一郎のことを忘れてはいないと、嬉しくなるのだ。


いや勿論、私は死んでも祥一郎のことを忘れる筈は無いのだけれど。



春。

そんなことを考えていた矢先でも、私は窓を開けて空を見上げる。


あの頃、春の日差しを身体中に浴びようとして目を細めていた祥一郎の姿を想い出しながら。


そして私の悲しみと孤独は、春の風に乗って漂っている。


絶えること無く、いつまでも漂っているのだ。


いつかその悲しみも孤独も終る時が来る事を願いながら、私は春の優しい日差しの空を見上げ続けていた。


もう分かっているのに、分かり過ぎているはずなのに、「・・・・・・・・祥一郎、何処へ行ってしまったの・・・・・・・
早く帰って来ておくれ・・・・・・祥一郎・・・・・・・。」

と呟きながら。


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四度目の鯉のぼり

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最近・・・・・・・というか、もうずっと前から公園でぼーっと座っている事が多くなった。

それは近くの一番大きな駅前の公園だったり、通勤途中の公園だったりするのだが、やはり一番多く過ごすのは祥一郎がいつも日向ぼっこしていた公園だ。


その公園にまた大きな鯉のぼりが泳ぐ季節がやってきた。


そう、もう何年も前、私が酷い鬱状態に苦しんでいる時、私を励まそうとして祥一郎が教えてくれた鯉のぼりだ。


今年でもう四回目。
祥一郎が旅立ってからもう四度目に見る鯉のぼり。


心なしか元気が無いように見えたが、五月の薫風が吹くころには元気に泳ぎ出すのだろう。


私はそれを見て今年は何を想うのだろう。


また孤独を思い知るのだろうか。


それとも(よくここまでよく生きてきたなあ・・・・・・)と思うのだろうか。


できるなら、祥一郎の優しさを想い出して少しだけ微笑んでいられたらいいなあと思う。



ここ数日私は腕を痛めて仕事を休んでいる。

診察したところ首がヘルニアで、腕まで続いている神経を圧迫して腕が痛んだり痺れたりしているのだそうだ。


夜になると特に痛みが激しくなり、眠れない。


歳を重ね、私の身体も確実にガタがきている。


辛くて、悲しくて、寂しくて、祥一郎が殊更恋しい。


なあ、祥一郎。


お前が好きだったあの鯉のぼりのように、またおっちゃんも元気になれるだろうか。


なれるよね、お前はいつもおっちゃんの傍に居るんだもの。


ねえ、祥一郎。


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季節が逆戻りした日


桜がもうすぐ散ろうとしているのに、真冬並みの寒さが襲った日。


季節が思い切り逆戻りしたその日、私はこのままもっと季節が戻って欲しいと思った。


冬に、そしてその前の秋に、半年前の夏に、また春に・・・・・・・・・・・・・


あの4年前の冬に、そしてもっともっと何年も前の春に・・・・・・・・・・


そう、祥一郎の生きていた季節に戻って欲しい・・・・・・・私はそう願っていた。


しかしそんなことが起こるわけも無く、寒かった翌日にはまた春の日差しがもどり、季節は容赦なく
移ろっていく。


祥一郎はもう私の傍に居ない季節が、容赦なくこれからも移ろっていくのだ。



そんな残酷な現実を少しでも和らげようと、春の陽が戻ったあの公園、祥一郎がいつも過ごしていた公園で私は独りそぞろ歩いていた。


そっと右手を伸ばしてあいつと手を繋いで散歩しているふたりの様子を想像しながら、私は歩いていた。


「ねえ、昨日は寒かったねえ、でもやっぱり春だね。すぐ暖かくなる。桜もだいぶ散っちゃったね。でもすぐにお前の好きなアジサイの花の季節が来るね。」

そんな会話をしながら歩いているふたりの姿も想像しながら。



そして私は呟いた。
「さあまだ風は冷たいから家に帰ろう。そして晩御飯の支度しなきゃ。ね、帰ろう。」


気のせいか私の影の傍に、誰かの影が寄り添っているような気がした。



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祥一郎が流した涙の数々

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何度も言うが、祥一郎は笑顔良しさんだった。


とても無邪気でまばゆいような笑顔をつくるやつだった。


それでも長いふたりの年月の中、あいつも涙を流したことが何度か有る。



初めて見たあいつの涙は何だっただろう。


東京から大阪へ引っ越す私に、意を決して着いて来た祥一郎。
それでもやがてホームシックにかかり、私がひとりで出掛けてどこへも連れて行ってやらなかったことで
寂しさが極致にきていたのだろう。

「・・・・うちにはおっちゃんしか居らんねんで。おっちゃんしか・・・・・・・・。」
そう言って泣いた。



あいつが電話代のことで私に怒られて、金を工面する為に実家に電話し、親にも怒られて泣いていた事もあった。
「お父さん、いつだってお母さんを苛めるやん。」と。色々と両親について想う事があったのだろう。



その母親が亡くなったとき、泣きながら実家に帰る祥一郎を、私は窓から見送ったこともある。



私が紹介した職場で、他のスタッフに苛められて泣きながら帰って来た。

眠っている私に、「おっちゃん、ごめんな、ごめんな・・・・・・・・・・。」と言ってさめざめと泣きつづけた。
無理な仕事をさせてしまった自分を後悔した。




肝炎で入院したときにHIV陽性であることが発覚し、家に帰って来てから「うち、エイズかもしれんねん・・・・・・。」
と泣いたあの時。
泣きながら何をするのかと思えば洗濯を始めた。きっといつもの日常生活を送る事で、自分が重大な病であることを忘れようとしていたのだろう。

「大丈夫、おっちゃん貯金があるし、何とかするから。」と私は慰めたものだ。結局私は殆ど何もできなかったけれど。


そして・・・・・・・そして祥一郎の最後の涙。

自分がもう長くないと感じていたのだろう。
「おっちゃん・・・・・・・手ぇ握って・・・。」と泣きながら訴えた。

そんな祥一郎に私は、「さすがにめげたんか?もうすぐ病院行くから。なんとかなるよ。」と、そんなことしか言えなかった。
そして病院に行くはずだった当日の朝。祥一郎は突然旅立って行った。



祥一郎が流した数々の涙。

それを想う時、私の至らなさ、包容力の足りなさ、行動力の無さ・・・・・・・・それを悔いてしまう。


悔やむことが以外、何ができるというのだろう。


そして祥一郎が流した涙の何倍もの涙を流すこと以外、何ができるのだろう。


祥一郎・・・・・・お前はそちらから笑って明るく暮らす私を望んでいるのかい?


でも・・・・・・・それはまだまだ先のことになりそうだ。ごめんね・・・・・・・祥一郎。


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戻っておいで・・・・・・・・。

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祥一郎・・・・・・・・・・


戻っておいで・・・・・・・・・・・



どこからでもいい、いつだっていい、戻っておいで。



赤帽を使って、部屋に入り切れない荷物を持って、戻っておいで。


いや、身一つでもいい。殆ど裸であってもいい。


戻っておいで。



またやり直そう。



今度こそ、おっちゃん頑張るから。



お前の人生を良くするために、おっちゃんできることは精一杯するから。
お金を一杯使ったっていい、この身体が壊れたっていい、精一杯お前の為に頑張るから。


お前が居ない間、精一杯学んだからもう後悔するようなことはしない。


だから、だから戻っておいで。


お前の居場所はいつだってあるよ。いつまでも残しておくよ。


だから、お願いだから戻っておいで。


祥一郎・・・・・・・・・・・。


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