2019年10月
2019年10月31日
停電時の必需品「ランタン」
林もとひとです。台風15号、19号と立て続けに上陸し、過去最強クラスの暴風が吹き荒れました。広い範囲で多くの木がなぎ倒され、その倒木が電線を切断し停電が長期化しました。
停電時に必要なのは、まずは「明かり」でしょう。夜間に室内を照らす明かりとしては、何と言ってもランタンです。懐中電灯は遠くを照らすためのものなので、広い範囲を明るくするには不向きです。
ランタンはキャンプなどで使われる照明器具で、以前は燃料式がほとんどでしたが、最近はバッテリーや電池式が主流となっています。
様々な用途にコレ一台で対応できるすぐれモノ。明るさ・持続時間ともに十分で、4面のパネルは取り外して独立したミニランタンとしても利用できます。USBポートも装備しているので、スマホの充電も可能です。
握りこぶしほどの大きさで小さく軽いランタンです。それでも昼白色と電球色を切り替えできたり、内蔵マグネットで金属面に貼り付けて使用できるなど、利用シーンが幅広いのが特徴です。こちらもスマホ充電に対応しています。
我が家では上のコールマンのランタンを自宅の非常用照明として用意し、下の小型のモノは非常持出しリュックの中に入れてあります。
皆さんも停電時に備えて、ランタンの準備をしておきましょう。
2019年10月28日
車の「水没」に備えましょう
林もとひとです。10月25日に千葉県と福島県では、わずか半日で1ヶ月分の雨が降り、11人が死亡するなど各地で甚大な被害を及ぼしました。
今回の災害で非常に特徴的なのが、車ごと流されてそのまま車の中で亡くなってしまった方が多いということです。なぜでしょうか。
実は自動車は水没すると、水圧でドアが開かなくなってしまうのです。逃げようと必死に力を入れても、押しかかる水圧は圧倒的で、大人の男性でもなかなかこじ開けることは困難だといいます。
そうこうしているうちに車内に水がどんどん入り込み、パニック状態に陥り正しい対処ができない状態になってしまうのです。
そこで今回は、万が一車が水没したときの対応を取り上げます。もちろん基本的に冠水した道路は迂回しなければなりませんが、どうしても通過しなければならないときは過去記事で取り上げたように深さ約20センチを目安に考えてください。
この動画は台風19号の時に自宅から避難しようとした夫婦が乗った車が、道路に流れ込む水に流されてしまうまでをドライブレコーダーが記録していたものです。「まだ行ける」と思っていても、いともあっけなく自動車は流されてしまうものです。
こちらの夫婦は動画にもあるように、幸運にもドアを開けることができたので無事脱出できました。しかしもう少し脱出が遅れていたら、あるいはより深い場所に車が落ちていたら、脱出は困難だったかもしれません。
車が水没し、ドアが開かなくなったときは「サイドガラスを割って脱出する」が正解です。
専用のハンマー。女性でも軽い力で割ることができ、シートベルトを切るカッターも付いています。衝撃などでベルトのロックがかかり外れないこともあるので、カッター付きは安心です。
このタイプは実は100円ショップでも売っていますので、最低でも1台に1本は常備しておきましょう。
スプリングの力でガラスを割るため、振り下ろす必要もないタイプです。そのため本体も小さくかさばらないので、グローブボックスやハンドバッグなどに入れておいてもいいかもしれません。
もちろん拳や肘などで割れるものではありませんし、スマホやヘッドレストの金具でも女性や高齢者はとても割れません。専用のハンマーが一番です。
ただしフロントガラスには安全上爆散防止フィルムが入っているので、ハンマーを使っても割れませんから注意してください。
使う機会が訪れないことが一番ですが、万が一に備えて常備しておきましょう。
2019年10月24日
パーキングパーミットの導入を!
林もとひとです。今回のタイトル「パーキングパーミット」をご存知ですか。公共施設やショッピング施設などで、出入り口付近に車椅子のマークが描かれた駐車区画(障害者等用駐車区画)を見たことがあると思います。

このように色付けされているところも多いですね
ところがそこに健常者が車を停めてしまって、本当に必要な方が利用できないというモラル違反が頻発しています。そこで自治体が利用許可証を発行し、誰が見ても一目瞭然となるように導入されたのがパーキングパーミット制度です。
2006年に佐賀県で初めて導入され、以降全国37府県で導入済み。相互利用可能な協定を結んでいるので、県をまたいでも利用できます。
利用希望者はそれぞれの自治体窓口で申請し、障害などの状況に応じて許可証を発行してもらいます。利用するときは自動車のバックミラーに許可証を吊り下げて、外から見えるようにして車を停めます。


佐賀県で導入されている許可証。オレンジは妊産婦の方や一時的にケガを負った方用で、原則1年未満の期限となっています。
この制度が導入されれば、許可証なしで不正に駐車している車はすぐに分かりますし、例えば一見健常者に見える妊娠初期の方や内面的な障害をお持ちの方なども、いわれのない批判を受けることなく安心して駐車することができるという訳です。
しかしなんと我が千葉県は、まだパーキングパーミットを導入していません。来年には障害をお持ちの方々のスポーツの祭典、パラリンピックが4競技開催されるにも関わらずです。
そこで私は先般の一般質問で、千葉県も是非導入すべきだと迫りました。ところが執行部の答弁は「駐車場の絶対数が不足している」「許可証を持っていても駐車できないことがある」との理由から「適正な利用を促す啓発に力を入れる」と答えました。
いやいやそれは「導入したあとの課題」であって、「導入しない理由」とはならないでしょ。啓発するなとは言わない、導入した上で啓発もする。この両輪で進めればいいと更に質問したところ「他県の取り組みを参考に検討する」・・・でした。
※本会議場での実際のやり取りはコチラを御覧ください。
この制度導入になぜそこまで消極的なのか、理解に苦しんでいます。皆さんはどのようにお考えですか。是非ご意見をお聞かせください。
2019年10月21日
成田空港「陸の孤島」への対応
林もとひとです。10月18日(金)の正午より、自民党本部にて開催された国会議員による「成田国際空港推進議員連盟総会」に、千葉県議会の議連幹事長としてオブザーバー参加してきました。


冒頭、林幹雄会長代理より挨拶
先般の台風15号で成田空港が「陸の孤島」と化してしまったことへの対応と、大幅な機能強化の進捗確認などが主な議題です。特に台風による空港の孤立は、各メディアでも大きく取り上げられましたし、先日の私の一般質問でも取り上げたテーマなので注目していました。
※私の一般質問を見逃した方はコチラから録画中継をご覧いただけます。
一時最大で約16,900人が空港で足止めされ、約13,300人が空港で一夜を過ごすことになった大きな要因は、空港から外に向かう鉄道やバスが運休となっているのに、到着便を予定通り下ろし続けたことが挙げられます。
その上多言語対応スタッフが出社できなかったことなどにより、多言語での情報提供も極めて不十分であったことも指摘されました。
空港会社としては、内規を見直し早い段階から非常体制を決定することや、本部要員や重要業務の担当者(多言語対応など)が出勤できるよう、当該社員の前泊体制などを整えたそうです。
また、SNSやデジタルサイネージを活用し、多言語による情報提供をこまめに行える体制をとりました。
更に、各種交通機関との連携を密にし、15号時のように空港にアクセスする公共交通機関がストップした場合などには、他空港への振り替えを含め管制当局へ着陸制限を依頼し、滞留者を抑制することとしています。
今月12日の台風19号接近時には、上記の対応を徹底したことで大きな混乱なく乗り切ることができたと報告がありました。
強固な地盤の上につくられた成田空港は、地震に対して比較的高い耐性を持っています。今回の体制見直しによって、台風を含めたあらゆる災害にも耐性を高め、日本の玄関口としてしっかりと役割を果たしてもらいたいと思います。
2019年10月17日
「避難」について考える
林もとひとです。各地に甚大な被害をもたらした台風19号によって、様々な課題が浮き彫りになりました。今回取り上げる「避難」もその一つです。
前回の15号を念頭に、更に勢力の強い19号に対しては各自治体もメディアも「最大限の警戒」を促し「命を守る行動」を呼びかけました。
その効果もあり、多くの人々が意を決して避難行動をとりましたが、各地で避難所が満員となり入れない人が続出してしまったのです。
これまでは避難勧告や避難指示がでても、実際には避難する人が少ないことが問題視されてきましたが、今回の台風では全く逆のことが起こりました。
過去記事でも紹介したように警戒レベル4で全員避難ですから、本来はその地域に住むすべての住民が避難できる避難所を準備しておくべきです。
しかし特に人口密度の高い東京都心部などでは、すべての対象者を公的施設に避難・収容することは現実的に不可能でしょう。
そこで皆さんに検討してほしいのが「広域避難」です。台風などのようにある程度事前に予測できる災害に対して、遠方に住む身内や知人宅へあらかじめ避難しておくということです。
例えば東京都の江戸川区は、荒川や江戸川など大河川の最下流に位置していて、陸の7割が満ち潮の海面よりも低い「ゼロメートル地帯」になっています。

江戸川区の水害ハザードマップの表紙には「ここにいてはダメです」と、なんともストレートな言葉が記されていて話題になりました。
武蔵小杉の47階建てタワーマンションがライフラインを断たれ大きな話題となっていますが、基本的に自家発電設備や防水対策が施されている高層マンションなどの場合は、上層への「垂直避難」が最も確実であるケースもあります。
ご自分の住環境と安全対策、そして様々な災害を考慮し、総合的に判断できるよう日頃から意識を高めておきましょう。
皆さんもお住まいの自治体HPから、ハザードマップを確認してみてください。成田市内にお住まいの方はコチラから「成田市防災マップ」をご覧いただけます。
2019年10月14日
災害に対する認識を変える
林もとひとです。台風19号は10月12日午後7時頃に「大型で強い」勢力を保ったまま、伊豆半島に上陸しました。その後関東地方を縦断して、13日の正午には日本列島を東に抜け、温帯低気圧に変わりました。
大量の水蒸気を含んだ状態で上陸したため、東海から東北を中心に広い範囲で記録的な大雨や暴風、高潮となり、複数の河川が氾濫するなど広い範囲に大きな爪痕が残りました。
「観測史上最大」という猛烈な風雨が列島を襲い、決壊した堤防から大量の濁流が市街地に流れ込みました。まだまだ被害の全貌は見えず、自然の猛威にただ呆然です。
災害規模を想定し、それに基づいた街づくりをしても、もはや「どこまでやっても安心できない」災害が今後も発生すると覚悟しなければならないでしょう。
もちろん最優先はいまだ行方がわからない方々の発見と救助、そして一日も早い復旧です。千葉県を含む被災した自治体も国も、そして自衛隊や地元の消防関係者などが一丸となって頑張っています。
一方で、今回被災を免れた方々はハザードマップを参考に「より安全な場所」「より頑丈な建物」に住むことを心がけ、その上で「保険」の見直しも必要かもしれません。
国や自治体からの補助があっても、さすがに「全額」をカバーするのは難しいです。火災保険でかなり広く補償できるようですが、水害は特約だったりするケースも多いので、契約内容をよく確認してみてください。
被災された方は、とにかく現状の写真をとっておくことを徹底してください。下りる補償の査定が早く正確になります。
また、悪徳業者にも注意が必要です。自宅に訪問してきて「国の補助で全額おりる」「火災保険で自己負担ゼロ」などと強引に契約し、実際は料金を請求されるケースが発生しています。
必ず名刺をもらい、連絡先住所が遠方だったり、連絡先が携帯番号だけだったりしたら注意しましょう。
2019年10月10日
自助について考える3(その他の対策)
林もとひとです。自助について「水・食料」「防災グッズ」と揃えてきました。今回は「その他の対策」を考えてみます。
ご存知のように、台風15号は強烈な風雨によって大きな被害をもたらしました。庭やベランダに風で飛ばされそうな物がないか、点検してください。庭木などもなるべく小さく剪定しておきましょう。
雨戸やシャッターが設置されていれば当然使用し、無い窓にはベニヤ板などで補強するか、最低でも「養生テープ」などをバッテンに(十字も加えてイギリス国旗の様に貼ると更に強度が増します)貼るなどしてガラスの飛散を最小限に食い止めましょう。専用の飛散防止フィルムを貼ればより安心ですね。
網戸も外れるとベランダで暴れて危険です。念のため外して家の中に入れておくようにしてください。気密が弱めの古い家屋などは、窓枠に古新聞をギュッと敷き詰めて雨水の侵入を食い止めることができます。
洋服ダンスなどの大きめの家具の固定も忘れずにやっておきましょう。家具の固定は地震・台風どちらの災害にも有効です。
最後に「安否確認」です。過去記事で取り上げた「防災アプリ」の導入や、電話で利用できる災害用伝言ダイヤル、インターネットで安否を伝える災害用伝言版など、家族の安否確認のルールを決めておきましょう。
地震と違って台風はある程度予測できる災害です。外出の予定などは極力控えるなど、慎重な行動が被害を最小限に食い止めると思います。
接近する台風19号に備え、十分な警戒をお願いいたします。
2019年10月07日
自助について考える2(防災グッズ)
林もとひとです。前回の「水・食料」に次いで、今回はその他の揃えておくべき「防災グッズ」を取り上げます。
ティッシュペーパー、トイレットペーパー、常備薬などは日常的に使うものですが、緊急時に切らさないよう「常に予備を残しておく」を意識してください。
前日の風呂の水を浴槽に残す癖をつけておけば、いざというときその水を生活水として使えます。特にトイレは水が止まっても直接バケツなどで流すことができるので、必ず浴槽の水は次に新しいお湯をはるまで残しておきましょう。
それでも20~30回ほど流すと浴槽の水も使い切ってしまいます。それ以降は「簡易トイレ」が役に立ちます。専用の袋と薬剤をトイレの便器にセットし、使用後は袋を縛ってゴミとして捨てられるというもので、1日5回×家族の人数×7日分用意しておきましょう。
カセットガスも有用です。オール電化の家庭などは停電するとお湯も沸かせなくなってしまいますが、カセットコンロがあれば大丈夫です。製品にもよりますがカセットガス1本で約60分の使用が可能ですから、1日30分使用するとして一ヶ月で15本必要になる計算です。
他にもヒーターや発電機など、カセットガスで作動する製品も多くありますので、ライフラインが断たれた時には非常に頼りになるエネルギーです。多めに20本ほどストックしておきましょう。
停電時にスマホの充電ができずに、大変な思いをされた方も多かったようです。しかしスマホの充電程度なら大きな電力は必要ありませんから、モバイルバッテリーをいくつか持っておけば1週間程度は余裕でもちます。加えて簡易のソーラーパネルを用意しておけば万全です。
自動車のガソリンも普段から「切らさない」工夫が有効です。給油サインが出てから補給するのではなく、半分を切ったら満タンにするなどと決めておけば、いざというとき慌てずにすみます。
中には給油サインが出てから1000円分だけ補充するとかチマチマ給油する人もいますが、その習慣は燃料タンクを錆びつかせる原因にもなるので止めましょう。空に近い状態で乗り続けていると、タンク内が結露し水が発生します。頻繁に水抜き剤を使うくらいなら、なるべく満タンで乗る習慣に切り替えましょう。
いかがですか。どれもちょっとした心がけで揃えられるものばかりです。普段「いつでも手に入る」とたかをくくっているものほど、無くなると困る必需品です。
いざというときコンビニやガソリンスタンドに殺到しなくてもいいように、日頃から備えておきましょう。
2019年10月03日
自助について考える1(水・食料の備蓄)
※当ブログをご覧いただきありがとうございます。初めてご覧いただく方は、過去記事「ブログの取説」をまずお読みいただくと、スムーズに閲覧いただけます。
林もとひとです。 前回の記事で自助の重要性を書きました。 今回は具体的に何を準備すれば良いかを考えていきます。災害時に多くの人々がコンビニに殺到し、あっという間に売り物がなくなったり、ガソリンスタンドに長蛇の列ができるのは、言い換えれば「日頃の準備不足」と言えます。
まず用意するものには「緊急持ち出し用」と「備蓄用」に分けて準備しておく必要があります。※「緊急持ち出し用」については過去記事をご参照ください。
これまで「備蓄用」の水や食料は、支援物資が届くまでの目安として3日分が推奨されてきました。 しかし首都直下型地震などの場合、近隣の自治体全てが被災地となる可能性が高いため、1週間分の備蓄を推奨する専門家が増えています。
家族全員分を1週間となるとかなりの量に思われるかもしれませんが、ちょっとした工夫で簡単に揃えることが可能です。
最初の3日間は「冷蔵庫の中の食料」でしのぎます。まずは冷蔵食品、次いで冷凍食品を食べていきましょう。また、クーラーボックスと保冷剤を用意しておけば、いたみの早い食品をある程度持たせることができるのでおススメです。
氷も日頃から多めに作っておきましょう。電気が止まった時保冷剤として使えますし、溶けた氷は飲料水として飲むこともできます。(美味しくはありませんが・・)
次の3日間は以前このブログでも取り上げた「ローリングストック法」でしのぎます。 レトルト食品やカップ麺など、最近のものはとても美味しくできているので「非常食」という感覚なしに食べられるのが嬉しいですね。
そして最後に「緊急持ち出し用」に入れておいた乾パンや缶詰などで乗り切ります。ここに入れておく食料は「長期保存」が可能な食品なので、備蓄してあることを忘れて「消費期限切れ」になってしまいがちです。カレンダーに記入しておくなど、期限内に忘れずに食べて新しいものと入れ替えるようにしてください。
いかがですか。こうして見ると1週間分といっても、さほど大変なことではないと気がつきます。今回の台風15号を教訓に、すぐに揃えておきましょう。