2021年09月20日

知られざる!?菅首相の功績

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林もとひとです。自民党の総裁選が告示され、大変な盛り上がりを見せています。少し前までは菅総理の続投路線で、総裁選も出来レースかと思われていましたが、まさかの総裁選不出馬宣言から急転直下の展開です。

菅総理退陣を受け、日経平均株価は再び3万円台に乗せ、さらに9月14日には31年ぶりの高値をつけました。おまけに報道各社が行っている世論調査でも、自民党の支持率が10%前後も上昇するなど、どんだけ菅さん悪者イメージだったんだろうと気の毒に思います。

しかし冷静に振り返ってみると、菅総理がこの1年で成し遂げた成果は驚くほど多く、これまでの政権でなし得なかったことや、実現までには時間がかかりそうなものも、一気に形にしています。思いつく範囲で列挙してみると・・。

◯ ワクチン接種体制の構築。河野大臣の尽力もありますが「1日100万回体制」はとても無理と言われる中、早期摂取のための陣頭指揮をとりました。結果9月12日時点で2回接種した比率は全人口の5割を超え、アメリカを抜くのはもう時間の問題です。

◯デジタル庁の創設は政権発足当時の目玉政策。わずか1年でスタートにこぎつけたことは、縦割り行政の巣窟である霞が関の現状を考えれば驚異的な速さです。

◯携帯料金の値下げと最低賃金の引き上げ。これも発表当初は大変なインパクトをもたらしました。携帯料金は結果的に約4300億円分の負担軽減となり、家計の可処分所得がそれだけ増えたことになります。最低賃金も「最低時給1000円」を目指し、2021年は全国平均で28円と過去最高の上げ幅になりました。

◯東京五輪・パラリンピックの開催。いろいろ議論はありましたし、課題もありますが「開催して良かった」と多くの人が思える大会となりました。

◯2050年カーボンニュートラル宣言。かなり困難な目標となりますが、大方針を決したことは歴史に残る仕事といえると思います。

◯こども庁新設への道筋。子育て支援を含めたこども施策全般の見直しと、弊害となっている縦割り行政を打破する取り組みとして、大きな期待がかかっています。

◯福島第一原子力発電所から出るトリチウム水処分方法の決定。安倍内閣が先送りしてきた課題にメドをつけました。

いかがですか。ここにあげた以外にも多くの実績を残してきた菅総理がなぜ支持されなかったか。その理由は「発信力不足」であると私は考えています。

特に、前例もなく先行きも見えない新型コロナウイルス感染症への対策は、誰にも正解など分かりません。それでも最善と思える対策を講じつつ、国民の皆さんには「我慢」をしてもらわねばならなかった。

その期間が長期化すればするほど、不平不満や怒りは当然溜まっていきます。そこで、強力なリーダーシップを発揮できる総理であれば強いメッセージを発信し「今講じている対策」「今後の見通し」を説き、さらなる国民の協力を得られるよう訴えかけたでしょう。

しかし菅総理は会見等で必要最低限の返答しかせず、原稿棒読みとの印象を与えてしまいました。ご本人もインタビューで「私自身、もともと能弁ではないし、そもそも政治家は『弁舌よりも結果だ』と。結果を残せばわかってもらえるという政治姿勢で今までずっと来たので、そういう考えが会見の姿勢に出てしまっているのかもしれません」と応じています。

官房長官時代は「余計なことは口走らない、実直な仕事人」というイメージで良かったのかもしれませんが、リーダーとしてはそれでは支持されないということではないでしょうか。それでも多くの成果を残し、任期中は仕事を続ける菅総理。1年間お疲れ様でした。

次の日本のリーダーが実質的に決まる自民党総裁選。各候補の動向から目が離せません。
林幹人


motohito884 at 16:45│Comments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加

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