樺細工の茶筒とたばこ入れ秋田県の武家屋敷や桜で有名な角館の伝承館で樺細工のお話を聞いて来ました。
お話して下さった職人さんは、伝統工芸士の経徳製作所の経徳明夫さんです。

馬場:今、茶筒を仕込んでいる様ですが、この様子を教えて下さい。

職人:経木といって板を薄くしたものを何枚も木を重ねて厚みを出しています。
にかわを塗って木地を重ねます。

馬場:合板を造っているのですね。

職人:そうです、そういうとです。普通、よくある木の茶筒などありますけれど、あれは、ろくろでただくり抜いてるそれだけなんです。これは、何枚も重ねて今で言うところの合板にするのです。落としても割れないし、乾燥でヒビ等もいかないです。そして、湿気にも強いんです。お茶(葉)も湿気ないんです。

馬場:素材はなんて言うのですか?

職人:サワクルミって言って柳の一種です。そこにある白い板です。

馬場:何枚ぐらい重ねるんですか?値段で違うんですか?

職人:値段でと言うのではないですが、四枚重ねます。四枚ぐらい重ねます。そうしますとこう言った厚みが出てくるんです。それに、外側に皮を貼るんです。組むんです。山桜の皮を重ねるんです。(丹念ににかわを塗って、指で丹念にのばします)茶筒には四枚重ねています。その上に山桜の皮を重ねます。
それで、中に芯が入るんです。

馬場:内側にはすでに、桜の皮が入っているんですか?

職人:そうです。それに皮を貼ったのがこれです。そして、それを切ったのがこうなります。そして、蓋と底に板をはめ込むんです。そしてこのようにバラバラのモノになるんです。

馬場:<写真撮影:サワクルミの白い板の上にバラバラの茶筒>
細やかなところももう貼ってあるんですね。
ひっくり返さないと解らないところも貼ってあるんですよね。

馬場:見えないところの構造が日常の使い勝手のよさになっているんですね。
安いお土産物の樺細工はトタン板に皮を貼っての樺細工です。ここが値段の違う点ですね。サワクルミの薄い板を丹念に膠で張り合わせて内側も表面も山桜の皮が貼ってあるので、見えない部分とトタンとの違いが価格の違いであり、入れたお茶に臭いが移らない。そして、華奢のようで丈夫な樺細工のよさが生きてくるんですね。

職人:それに、皮も湿気ないんです。この皮も湿気を寄せつけない性質があるんですよね。ですから、昔「胴乱(どうらん)」って.言いまして「きざみたばこ」を湿気ないように皮で包んだそうです。また、薬の湿気予防にも使ったそうです。

馬場:なるほどねー

職人:皮の特徴を生かしたものなんですね。

馬場:布や動物の皮そして、和紙や木工品の時代に湿気を嫌うものの携帯にとても軽くって便利だったんでしょうね。

<次回は細工や樺細工にまつわる話です。>

おまけ

サワクルミ

にかわ ―かは 0 【▼膠】
〔煮皮、の意〕獣・魚類の骨・皮などを石灰水に浸してから煮て濃縮、冷やして固めたもの。粗製のゼラチン。接着剤とし、また、絵の具や画布の製造に用いる。

写真の3番目の説明:私も昔たばこを吸っていた20代の時分、タバコ入れを使っていました。ハイライトやロングピ−スをいれてジャズ喫茶等に行ってました。
たばこを止めて20年タンスの隅に置いてましたが、いまだに艶があります。
そこで、スライド式なのでサービスカードなど財布に入りきれない名刺サイズのカードを入れておくのに使っています。