2012年、ベガルタ仙台J1優勝の夢を断って首位に収まった不倶戴天の敵サンフレッチェ広島!
なんてことはなく、因縁を思い出しにくい普通の対戦相手サンフレッチェ広島との対戦です。
解説は仙台、広島の両方に在籍した中島浩司さん。わかりやすい分析と抑揚のない声が特徴的で、いいこと言ってるのに聞き流してしまいます。まあイラッとするよりはいいですね。
本日はこんな内容でお届けします。
■前回までのあらすじ
■流れの悪いチーム同士
■鏡写しのスタッツ
■なんか増えてるんですけど
【前回までのあらすじ】
神戸に勝った後は清水と引き分け、鳥栖戦は延期、セレッソに抑え込まれ負け。現在は負傷者が7人に達しており台所事情は厳しいが、決して好調と言えない広島には勝ちたい。
さて、開き直って仙台のメンバーを見ていきますか。2ボランチかつウイングフォワードが守備に重点を置くようになって4−5−1な感じです。
ワントップは万能未満のゲデス。よく動くし、たまに的確にボールを落とすけど、基本そんなに当たり勝てないしトラップでかい。ポストプレイヤーというには怪しい感じでしたが、本人はわりと手応えを感じていたようです。いいんかそれで。とはいえ長沢駿の代わりに1トップをやれそうなのは彼しかいません。
左サイドの石原崇兆は、うん、他に人あんまいないからな。常時「あと脚が98cm長ければなあ」という印象ですけど、西村拓真もお疲れでしょうし。ポジショニングはいいのでガンバレ。
我「あれ? 兵藤慎剛が仙台ベンチにいる」
兄「まだいたっけ」
我「俺も年末に退団したもんかと」
【流れの悪いチーム同士】
開始6分でベガルタ仙台、
吉野がクリアしたボールを拾われてレアンドロペレイラにつけられ、吉野が一瞬遅れてレアンドロペレイラに食いついて反転されてしまい強烈シュートを浴びてアウトー!
古巣相手にキャプテンマークを巻いて臨んだ吉野ですが、後半にも際どい横パスをかっさらわれて失点モノのミスをかまし、なんとか平岡のカバーで事なきを得ていました。キャプテンになると緊張しちゃうタイプなのかもしれません。
ミスは1試合1回までに。解説の中島浩司さんと同じ年にブランメル仙台(ベガルタの前身)へ入団してそのままベガルタ仙台一筋で引退した千葉直樹さんも1試合1回の致命的ミスがお約束だったけど、運良く失点せず切り抜けたら許されてたからね!
あと点決めると帳消しにされがちだ! 今日はシュート結構打っててよかったぞ! でもミスは減らそうな!
▲他に安定してるセンターバックおらんのや
さて布陣変更してから目立っている左SB蜂須賀孝治、勝てない局面で仕事をする出世できない男、仙台の趙雲(くどい)は今日もがんばりました。
セットプレーからの技あり左足シュート、がクロスバー直撃! 左足での曲線的なクロスを右の真瀬拓海が頭で合わせ、たけど広島GK大迫敬介に片手一本で防がれる!
なんで蜂須賀は頭を抱える姿がこうも似合うのか! あと彼の背後は基本的に狙われやすい!
▲豪傑のように構えてもええんやで
ただ、3連敗中の広島も連敗中ならではの自信のなさを見せます。
早めに点を取っちゃったせいか、ウイングバックがすぐバックラインに合流して5バック状態。これだと仙台の両サイドはボールを持ちやすい。仙台の左を狙う茶島雄介のクロスは時々効いてましたが、有効なシュートにつながるチャンスは少なめでした。
ハイネルと川辺駿のボランチコンビもスペースを空けやすいので神戸戦同様に狙いやすかった印象です。
ついでにドウグラスヴィエイラとレアンドロペレイラが紛らわしい。どっちもそんなに効いてないというところ含めて。
本日ベンチ外の広島MF野津田岳人は去年からあんま出てませんし、天皇杯決勝までいった杜の都でまた輝いてみませんかね。
さて、ベガルタ仙台は69分にSB蜂須賀孝治を下げてMF兵藤慎剛を投入です。右SBの柳貴博が左に回り、ウイングの真瀬が本職なんだけど仙台ではむしろ珍しい右SBへ。
2分後に真瀬がマイナスのクロスを打ち込み、空いてたスペースに飛び込んでいた兵藤が豪快なシュートで同点。誰だよ「兵藤は退団したと思っていた」とかツイートしてたのは。私です申し訳ございません。
▲エイプリルフールになると在籍してる都市に設置される新型信号
その後は10分ほど逆転を狙えそうな勢いでしたが、終盤になったら今度は広島のターンでした。
荒木のヘディングがバーに当たってギリギリクリア! あぶねー! ついでにマークついてた兵藤も頭抱えて「アブネー」みたいなことつぶやいてました。
あと93分佐々木のコントロールシュートもすわーんが止めたけど超あぶねー!
そんなこんなで流れの悪いチーム同士、引き分けと相成りました。
【鏡写しのスタッツ】
試合終了後のスタッツ(シュート数やボール保持率の統計ですね)には実況解説も僕も変な声が出ました。
何このきれいなほぼ互角の数字は。
仙台は前後半バランスよく攻め、前半シュート3本だった広島は後半に猛攻をかけたことになります。
「逆転できるチャンスあったなあ」というのが仙台サポの感想ですけど、広島も「これは勝ち越せた試合だろう」という悔いが残ったはずですね。
それをあまりにもわかりやすく体現していたのが試合終了直後の城福監督でした。
住谷リポーター「勝ち点1を分け合う結果となりました。まずはこの試合を振り返っていただけますか」
城福監督「まあ……悔しいの一言ですね。サポーターの人には悔しい思いをさせたと思います」
住谷「課題を挙げるとすれば」
城福「……ま、見てのとおりです」
ただ、城福監督は感情表現があまりにも率直すぎるので心配になることも多いです。こっちとしちゃあ勝った気分になって酒の味が急においしくなっちゃったよ。
ひとまず連敗しないで終わったのはヨシとしましょうかね。
しかし……余計なおまけ情報がありました。
実況の江本一真さんによると「仙台は怪我人がクエンカ、赤﨑、ジャーメイン、松下、道渕、富田、佐々木、山田。シマオマテは練習に戻ったとの情報があります」
なんかさらに増えてるんですけど、負傷者。
ただ、そんな中で兵藤の復帰とゴールは大きな励みになります。1週間経てば8月が終わり、負傷者の復帰も少しずつ進むでしょう。来週は箕面ビールなどを準備して撃退準備を整えような!