湿板写真:硝酸銀溶液のメンテナンス

unnamed-3硝酸銀溶液が白濁する原因とその対応策を模索中。。今日は上げすぎたphを戻す作業。メンテンスで炭酸水素ナトリウムを入れてアルカリ化したのと逆で、硝酸を加えて酸性化し失われた硝酸銀を元に戻せば良いのだが、phを思い切って振ってみないと見えてこないことがある。このあとphと比重を元の数値に戻し再度サンニングをする。
今回は相当使い込んで放置してあった溶液を力ずくでメンテナンンスしているので液にだいぶ負荷がかかっているはず。それでも再利用出来れば処理の引き出しがかなり増えるのだがーーー

小林正昭:広島原爆ドームの内側から見た風景

unnamed-3






















unnamed-4アメリカのコダックに特注で裁断してもらった100x100cmトライXフィルムで、広島原爆ドームの内側からみえる景色を撮影した原寸大のプリント。
今日ご自宅に保管されている多くの作品を拝見してきた。まずは整理を進め恩師の光の軌跡を公開していきたい。   

記憶にとどめておきたい「小林正昭」作品群

硝酸銀メンテナンス:再サンニング

unnamed-1








沸騰→濾過→phと比重を調整、したものを再度サンニングしている。
このあと液がクリアになるまで濾過をして、問題がなければ再利用できる硝酸銀溶液が完成。

硝酸銀メンテナンス:沸騰



加熱して1時間後の状態
今回の硝酸銀はなかなか手強いぞ

硝酸銀メンテナンス

IMG_2967













phの違うサンニング済みの溶液を混ぜた
ph3とph7
あはは、想像以上にミルク状態にーーー
このあと、沸騰→冷却→濾過→体積を元に戻し→比重とphを調整→サンニング→濾過・濾過・濾過→再度比重とphを調整して使用する
メンテナンス中に時々起こる液の白濁化から硝酸銀を生還させる方法を学び中。

光るアンブロタイプを求めて

unnamed-6unnamed-1

ネガ用とアンブロ用それぞれのコロジオン、現像液、定着液のレシピを融合させてギラリと光るアンブロタイプを模索中。まずは分厚く光る1枚のネガの半分に処理を加えて白バックと黒バックで観察。

Radio Garden

スクリーンショット 2023-08-25 3.28.25















30歳の時に雑誌の取材で訪れたインドのニューデリーでロンドン行きのヒッピーバスと出会ったばかりに、帰りのチケットを空に放り投げて、ほぼ陸路での世界一周の旅に出てしまった。今その道程をRadio Garden の音楽でたどっている。先程パキスタンのイスラマバードを通過して今はアフガニスタンのカブール。当時ちょうどソ連のアフガニスタン侵攻の最中でバスはカブールで足止め。おかげで一気に走り抜けるはずだったカブールの町を具に観察できた。いまタリバン政権下のアフガンの現状をテレビで見るととても感慨深い。明日は当時パーレビ国王が政権を握っていたイランに向かってアジアハイウエイをまっしぐら。まだ先は長いな。

コロジオン溶解

unnamed-3















Mark Osterman氏の新旧処方によるコロジオンを溶く
左はスタンダード、右は沈澱物なしで溶解後1~2時間で使えるというレシピ
Bromo / Iodizer は共に臭化カドミウムと沃化カリウム
この画像は溶いて30分後の状態
そしてーーー
翌日になったらオレンジの濃度が逆転していた 

=============================================
記憶にとどめておきたい「小林正昭」作品群
=============================================

もっと光るアンブロタイプを模索中

unnamed






















「光」と「鉱物」と「薬品」の三位一体の化学変化で生まれてくる輝きに勝るものはないのだが、現時点ではそれと並行して考えられる全ての可能性にトライ中

=============================================
記憶にとどめておきたい「小林正昭」作品群
=============================================

今週は硝酸銀溶液のメンテナンスと湿板プロセスの問題点をクリアーにしている

unnamed












WetPlate Collodion Handbook:Lund Photographics の「Troubleshooting:The Method Behind the Madness」のコーナーは湿板プロセスのトラブル解決法として「帰納的推論」と「演繹的推論」に分けて解説していて写真プロセスのマニュアル本としてはなかなかユニークで面白い。

=============================================
記憶にとどめておきたい「小林正昭」作品群
=============================================

過去の記事