2012年01月31日
プラチナ & パラジウムプリント 再考

先週は菅原一剛さんの「東京画」展示用に 20 x 24 インチの紙に5点のプラチナ & パラジウムプリントをした。8 x 10 インチの湿板写真アンブロタイプを今回始めて「Cezanne」でスキャニングし、エプソンのPX9500インクジェットプリンターでプラチナ & パラジウム用のネガを作成した。透明フィルムはピクトリコTPS100フィルム。
このフィルム、巷ではデジタルカメラからの銀塩モノクロプリントの密着用フィルムとして話題になっているが、プラチナプリントを始めとするオルタナティブプロセスの世界では既に10年以上前から主に拡大デジタルネガとして使われている。
今回のプラチナ & パラジウムプリントはNa2仕様で現像液はシュウ酸カリウムを使用。紙はフランスのベルゲールCOT320。今まで散々使ってきた組み合わせである。この組み合わせを選んだ理由は被写体である 「朝日が昇る直前の桜の花のもったり感」 を表現する為であるが、次回からは今後展開予定のプロジェクトを視野に入れて従来のオーソドックスな 「テトラクロロ白金(II)酸カリウム : K2[PtCl4] 」 を使ったプラチナ & パラジウムプリントを一から再スタートさせる予定である。
先日Ulbeekで体験したように一度でもこの薬品と光源、ネガ、紙などの組み合わせで出来上がってくる黒の締まりと豊かな階調を見てしまうと、まずはそのクオリティーを出せないと彼らと同じようなワールドワイドの展開はできないことを痛感させられる。これは自分の立ち位置の問題でもある。
そしてサイズである。プラチナ & パラジウムプリントのサイズも年々ビッグサイズに向かっている。ひとつにはアートマーケットの影響もあるかも知れないが大きいサイズで見てみたいというのは人間の純粋な欲望の現れだとも思う。
そこでそのクオリティーとサイズに対応する為に今週から作業現場となるデジタルルームとダークルームの見取り図作りを始めた。プロジェクトの規模からすると流しの全長が12mを越えてしまう。さて---。
2012年01月30日
「Le vocabulaire technique de la photographie」 Fondation Cartier pour l’art contemporain

先日のパリ滞在の際に初日に訪れた「カルティエ現代美術財団:Fondation Cartier pour l’art contemporain」でいきなり出会ってしまった本。「Le vocabulaire technique de la photographie」(写真の技術的手法の数々)とでも訳すのでしょうか、各種印画法の解説と修復・保存に関する事例が過去の名作から現代の作品まで495ページにわたって次から次に登場してきます。こういう本が出せること自体なんと素晴らしいのでしょう。折りしもパリは「SOLDES」の真っ盛り。「カルティエ現代美術財団」のブックショップもたくさんの本が「soldes」になっていてこの本も半額近い値札が。ですので帰りのバゲッジのことも顧みずにワンクリック的な衝動買い。先週はプラチナプリントがらみで3晩 徹夜をしてしまったので昨日の日曜日は久し振りに寛ぎながら頁をめくっていました。そして重たい思いをしてでも持って帰って来て良かったなとあらためて思った次第です。それにしてもフランス語がーーー。
2012年01月23日
新しいプリントシステム構築に向けて
現段階でのインクジェットネガからのプラチナプリントはどうしようもない限界があることをUlbeekで見て・知ってしまったので最近はインクジェットネガの使用には積極的になれなくなってしまっている。プロファイル、インク、メディア全てにいくら頑張ってみても圧倒的な黒の締まりと階調の豊かさという面から見ると全てが徒労に終ってしまうような気がして。そうは云うもののこれからの可能性を考えると、デジタルがらみで何がどこまで出来るのかを知っていることは必要なことだ。これから始めようとしているプロジェクトは今のところ新しいシステムを使ったフィルムによるプラチナプリントと、これまた新しいシステムによるデジタル分解ネガによるカラープリントがメインとなっていくが、同時に今までにないような特大のプラチナプリントの制作も視野に入れているのでアナログ、デジタル両者の得意とするところを上手く取り入れながらコンテンポラリーでクオリティの高いプリント作りを目指したい。何と言っても最終的に出来上がったプリントの質、モノとしての魅力が圧倒的でないとそれをやる意味がなくなってしまうし、やっていても面白くない。
フィルムによるプラチナプリント用ネガ作りのシステムは春頃に構築できる予定なので、昨日と一昨日はしこしこと徹夜をしながら、一定の湿度と温度の条件下でのインクジェットネガと紙と薬品の相性テストをやっていました。今手持ちのプラティンは全く駄目で使い物になりませんでしたが、それに引き換えストックしてあるベルゲールはすばらしいです。さらにいくつかの紙をテストしてスタンダードの紙を決めたいと思っています
2012年01月21日
2012年01月19日
2012年01月17日
Man Ray et Yves Klein : Atelier <14e ArrT : RUE CAMPAGNE PREMIERE>


■GALERIE CAMERA OBSCURA<14e ArrT : RUE CAMPAGNE PREMIERE>
■Man Ray : Atelier
■Yves Klein : Atelier (1958〜1962)
Fondation Henri Cartier-Bresson

■「Fondation Henri Cartier-Bresson」■Henri Cartier-Bresson/Paul Strand, Mexique 1932-1934(Photogravure of Paul Strand : tres bien!!)
■RUE DAGUERRE
2012年01月16日
Coletto : Cyanotype by Nigel Scott
2012年01月15日
Diane Arbus : Jew de Paume

昨日の土曜日、アムステルダムからパリに到着後ホテルの近くのリュクサンブール公園へ。この公園には150年の歴史を誇るフランスで最も古い養蜂学校の実験場も兼ねた養蜂園があり 、そのすぐ近くには娘が5歳の時に遊んだメリーゴーランドや遊園地が今でもそのままの形であってとても懐かしかったです。
さて今日は日曜日ですが朝一番に並んでコンコルド広場のJew de Paumeで開催中のダイアン・アーバス写真展に行きました。これだけまとまった点数を見るのは当時カメラ毎日の編集長だった山岸章二さんが企画した1973年6月1日〜13日の「ダイアン・アーバス写真展」(池袋・西武百貨店)以来実に40年振りです。その上見たことの無い写真も多くあり久し振りに見終わったあとに放心状態になりました。展示は本人がプリントしたものと彼女の死後にプリンターのニール・セルカークがプリントしたものが混じり合っていてプリンターの立場で見ていくと大変興味深いです。写真家がシャッターを押す瞬間に感じていた被写体から漂ってくる気配をいかにプリントで表現できるか。二人のプリントを見ているとその微妙な差が良くわかって大変参考になります。一般的にいわれている諧調が豊かできれいなプリントを作ることは、そのための条件が揃えばそんなに難しいことではないと思うのですが、そこから一歩二歩こちらから向こう側に入っていって作者がイメージするプリント作りをするのは実はなかなか難しいことなのです。今回の展示を見てプリンターとして今後の写真家とのコラボレーションによるプリント作りにひとつのヒントをもらったような気がします。それにしても1960年から1970年にかけての銀塩印画紙は素晴らしいですね。その時代にプリント作りをしていたアーバスの写真はまさに銀塩印画紙でしか表現できなかった世界であることを如実に現しています。
「パリ はちみつマップ」
「Jew de Paume : Diane Arbus」









