★「写真と文化財の関わり」

『写真と文化財の関わり』
日本写真学会誌 特別号『写真と文化財の関わり』が届く。中身濃い。こういう研究資料的な冊子を待ち望んでいた。

現在私が代表を務める写真のカスタムラボ The Prints ではアナログからデジタルに写真が移り変わる中で「現在」「過去」「未来」の3つのキーワードを軸に新たな展開をはかっています。それは1)「現在」:アナログ感材が市場にまだ残っているうちにできる限り良い状態の銀塩プリントを作っておこう。2)「過去」:今後美術館や資料館などに保存されているアナログ写真の保存、修復、復元は必要不可欠になるのでデジタルテクノロジーを取り入れつつラボとして復元プリント再生に寄与していこう。3)「未来」:160年以上にわたって続いてきた光と鉱物と薬品の化学変化で画像を生成する各種写真印画法を次世代にきちんと伝えていこう。この3つの「いこいこ運動」は今を生きるひとりのプリンターとして現在なすべきことは何かという答えでもあります。

今回の『写真と文化財の関わり』の発刊は特に上記2)に関して今後の我々の活動の大きな指針となるものです。地道に調査、研究、発表の活動をされているこれらのかたがたに心から拍手と感謝です。

日本写真学会のWEB-SITE  http://wwwsoc.nii.ac.jp/spstj2/hyoushi.html

★藤井春日さんの「サイアノタイプ」

サイアノ年賀状
お台場のホテル グランパシフィック メリディアンにあるギャラリー・ヴァンテアンで開催中の藤井春日さんの写真展 『永遠のピクニック』Eternal Picnics を見にいった。

展示作品はモノクロ、カラー全てキャノンのインクジェットプリント。その中に3点サイアノプリントからの拡大インクジェットプリントを発見。思わぬ再開を果たす。というのもこの中の2点は春日(haruhi)さんが去年と今年の年賀状として送ってくれたもの。サイアノ特有の青の世界が展示会場に一服の清涼感を。

春日さんの使用しているサイアノプリントの感材はThe Printsが「サイアノキット」「ニューサイアノタイプ:ピクニックキット」として提供させてもらっているもの。こういう形で作品にしてくれるのはとても嬉しい、ありがとう。

でもでもでも今はロールサイズの拡大ネガが作れるので、展示してあるサイアノの作品はやはりオリジナルのサイアノプリントでやりたかったですね。ただ露光は日光になるので大掛かりになる分作る楽しさも増すはず。次回は特大布サイアノなどどうかしら。そしたら水道ホースで一緒に現像しましょうね。乞うご期待。

写真展の詳細は:http://www.klee.co.jp/japan_%20Pages/04photo_arts/gallery21/press/haruhi_fujii.html

★須田一政さんの「ヴィンテージプリント」

八丁堀のギャラリー「アートスペースモーター」に須田一政さんの写真展のオープニングに行った。

展示作品は1960年代後半から1970年中頃にかけて今は亡きカメラ雑誌「カメラ毎日」に掲載された写真群。当時私は大学の写真同好会に所属していてリアルタイムでこれら掲載された写真を誌上で見ていた。それが30年以上の月日を経てオリジナルヴィンテージプリントの形で拝見できるとは何か不思議な感じ。展示されている全ての写真を覚えていたわけではないけれど何点かははっきりと脳裏にしみ込んでいて「アーとても懐かしい」。印画紙も今では出せないトーンの感じ、フェロ掛けされたプリントもありその光沢感にまたまた懐かし感倍増。アグファのブロビラ?それとも富士ブロマイド:薄手の光沢?などなど想像を働かせてみた。ただしその答えを知ってしまうことは何故か懐かしい思い出まで白日の下にさらしてしまうような気がして敢えてお聞きすることを控えることにした。

須田さんにはThe Printsがプリントを担当する現在進行形のプロジェクト「Modern Masters of Photography-Japan」(日本を代表する現代写真家のデジタルプリントによるポートフォリオ)で作品を提供して頂いているのでお礼のご挨拶をして退出。

八丁堀の駅までの道すがら頭の中を走馬灯のように過ぎ去って行ったこと。「山岸章二さん」「写真研究部での部活」「大学生活」「当時のガールフレンド」などなど。

ーーー『写真は思い出のたくさんつまった玉手箱』ーーー

★久保田博二さんのプラチナプリント

マグナム所属の唯一の日本人写真家、久保田博二さんの写真をプラチナプリントにしました。久保田さんのダイトランスファープリントのポートフォリオに入る予定だそうです。 今回は全てお任せプリントだったので自分なりのイメージでモノクロのシルバープリントを 作成し、そのプリントをスキャニングしてプラチナ用の拡大デジタルネガを作成しました. デジタル登場以前にアナログプロセスで拡大ネガを作っていたことを考えるともうこれは何 と簡便なことでしょう。でもでもでも最後に1枚のプリントになった時に写真の微妙なニュ アンスを醸し出すのはアナログ拡大ネガを使用したプリントなんですよね。 ーーーと思いつつデジタルの便利さにもう負けそうーーー。

★予定

以下のテーマをクロスオーバーさせながら進めて行く予定です。

■プロジェクトのドキュメント

 *ダゲレオタイプ:「ダゲレオタイプ再生プロジェクト」
 *湿板写真:「生の光を捕まえろ」
 *「Modern Masters of Photography-Japan」:日本を代表する現代写真家のアーカイバルデジタルプリントによるポートフォリオ作成


■古典印画法
   
  ・食塩紙 :ソルテッドペーパー
  ・青写真 :サイアノタイプ・ニューサイアノタイプ
  ・鶏卵紙 :アルビュメン
  ・湿板写真:アンブロタイプ、ティンタイプ、ネガタイプ
  ・白金紙 :プラチナ&パラジウムプリント
  ・焼出紙 :P.O.P.
  ・茶写真 :ヴァンダイク

  ・拡大ネガの作り方(アナログ&デジタル)
  ・紫外線光源
  ・薬品
  ・支持体(紙)
  ・歴史
  ・参考資料(文献、WEB-SITE)

■復元プリント
 美術館、博物館、資料館などにコレクションされている写真のプリント再生

■ゼラチンシルバープリント
 五感に刺さるプリントの作り方

■モノクロデジタルプリント
 アーカイバル・デジタルプリントの作成

★始めまして

皆様、始めまして。

モノクロ&カラー写真のカスタム・プリントラボ「ザ プリンツ」代表のプリンター/久保元幸です。

このブログを通して、私共が従来行ってきた写真ラボというイメージを一歩進めて、アナログからデジタルまでを包括した新しいスタイルの『モノクロ専門工房』として、各種印画法のノウハウや展示・保存・復元方法などを皆様にご提供させて頂きたいと考えております。

興味を持たれた皆様方の御参加をお待ちしております。


久保元幸


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