fc4b1492.jpg昨日は舞う雪に清められながら澤辺由紀子さんに案内していただいて小林美香さん,松畑強さんと共に、板橋の「内外文字印刷株式会社」に金属活字活版印刷の現在を拝見しに伺った。会長の小林敬さんから活版印刷に対する熱き思いとともに会社の理念や最近の活動そしてこれからの方向性についてお話をお伺いする。熱いです。お若いです。そして工場ではまず壁面一面の活字の多さに圧倒される。ギラギラと輝く鉛の活字の存在感はすごい。別棟ではこれから印刷が始まるところ。印刷と同時に鉛を溶かしながら活版用文字作りも進行している。枚葉機のまわる音、インクの匂い、鉛が融けて漂う煙。この現場を通リ抜けて始めて活版印刷は魅力あるモノとしての形を与えられる。あっという間の3時間。帰り際に小林敬さんから「金属活字活版印刷ものがたり」をプレゼントしていただく。澤辺さんによるとこの本は同社で保有する岩田明朝体の初号(42pt)からルビの3.5ptまでのすべての活字が活版印刷で刷られた約400ページにも及ぶ活字書体見本帳だそうだ。活字が美しい。貴重本です。これから取り組もうとしている活字活版印刷を使ったプロジェクトに大変参考になります。

現在いろいろな分野において、表面的にはデジタル技術が今まで培われてきたアナログ技術を駆逐したかのように見える。変わり行く時の中でジャンルは違うけれど活版印刷とアナログ写真は共通の課題を抱えている。そのような時代に、決して悲観的にならずに今まで培ってきた技術と今ある道具で未来に向かっていく小林敬さんの姿勢は大きな指針となる。「活字と心中するするつもりの男」と言われている小林敬さんからいただいた名刺には「---どこまでもグーテンベルク---私たちは金属活字活版印刷で本造りをつづけます」と書いてある。

澤辺由紀子さんの web site : 「金属活字活版印刷ものがたり」
澤辺由紀子さんの web site : 「temp press」

「小林美香さんのレポート」
「松畑強さんのレポート」

flickr : 金属活字活版印刷の現在 「内外文字印刷株式会社」