クラシック・マイナー曲推進委員会

マイナーな作品を中心にクラシックのCDを聴きまくる私の備忘録的感想文です。
さんざん聴いてるのに忘れちゃうもので。もし読んでくれる同好の方がおりましたら参考になれば嬉しいです。
このブログは全く個人の感想ですので、一般の評価などとは異なることが多いかと思いますが、あしからず。
また、ほぼ耳で聴いただけでの作文ですので、間違ったこと書いてあったらごめんなさい。もしお気付きの誤りがありましたらご指摘ください。

カテゴリ:作曲家M > Mahler

tkc359マーラー:交響曲第9番ニ長調

ブルーノ・ワルター(指揮)
コロンビア交響楽団
録音:1961年1月16日-2月6日ハリウッド
(OTAKEN TKC359)
(SONY SRCR8798-9)
ワルターというと大指揮者ですが、あまり興味がありませんでした。指揮者はショスタコーヴィチを演奏するか珍しい作品を演奏する人にしか興味がわかないもので。自分の基準で良い指揮者はショスタコやマイナー曲で説得力のある演奏する人です(笑)
今回はひょんなことから板起こしによるマーラー9番を入手したので、本当に音が良いのか確認してみたくなって中古で通常のCDを安く入手して比べてみました。

srcr8798まずは演奏の感想です。
第1楽章(29:17)
思ったより速いテンポです。基本イン・テンポで不真面目。第2主題は遅い感じがします。チェロの侘しいところなんて更に遅くなって侘しさ倍増です。
第2楽章(17:33)
ゆったりしています。第2主題というかB主題は結構速いです。録音も分離が良く歪みもなくとても良い。
第3楽章(13:06)
テンポは普通かちょっと遅めで力感があるけど細かいところまで良く聞こえてなかなか良い。盛り上がったところでグッとテンポ落とすところがあるけど独特。
第4楽章(21:04)
スヴェトラーノフやタバコフに比べテンポが結構速くイン・テンポが基本で案外あっさりしています。

というわけで初演者でもある大指揮者には申し訳ないのですが、あまりピンとこない演奏でした。コッテリした演奏ばかり聴いていたせいかもしれません。

で音質の比較です。録音自体は年代相応でダイナミック・レンジは狭いけど各楽器の分離はとても良いです。
SONY盤はちょっと丸みがかった音質。あえて言うとプラスチックぽいけど、そんなに悪くないしロシアの録音なんかに比べるとかなり良い。第1楽章の始めのほうはフォルテは歪みがちだけど、だんだん綺麗になっていきます。
対してOTAKEN盤は確かにヒス・ノイズやパチパチ・ノイズはあるけど輪郭のハッキリとしたリアルな音がします。やはりフォルテは歪みがちで曲が進んでも歪みがちだけど弱音はきれい(ヒス・ノイズは聞こえるけど)。そんなに良い音質とは感じないのですが、確かにOTAKEN盤のほうがこちらにグッと入ってくる感じがします。ただ第1楽章や第4楽章のように長いと終わりのほうはフォルテでの歪みが大きくなるのは残念。
私はイヤホンで聴いたのでヒス・ノイズとかよく聞こえましたが、スピーカーならあまり気にならないかも。
ということで確かにOTAKEN盤のほうがノイズや歪みはあるけどリアルな生々しい音がして気に入りました。
この演奏は何回も再発されたりSACDにもなってるようなのでもっと良い音で聴けるのかもしれませんが、買いません。あとカップリング曲(SONY盤のジークフリート牧歌、OTAKEN盤のブルックナー9番)は省略。

★★★☆☆

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という訳で確認の意味でスヴェトラーノフがロシア国立響とハーグ・レジデンティ管を振ったマーラーの交響曲第9番を聴いてみました。
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rus288132マーラー:交響曲第9番ニ長調

エフゲニー・スヴェトラーノフ(指揮)
ロシア国立交響楽団
録音:1992年モスクワ
(SAISON RUSSE RUS288132)
このロシア国立盤もハーグ盤も1枚に収まっています。
第1楽章 (25:42)
スウェーデン盤よりだいぶすいすいと進みます。ホルンのヴィブラートが嬉しいです。第2主題も活気があります。展開部のオケが薄くなってチェロが寂しく歌うところも遅くせず進みます。冷たいところはもっと厳しくしてほしい。ちょっと淡白でだんだん飽きてきます。
第2楽章 (15:26)
速いテンポなので舞曲風で面白い。第2主題も速い!そう言えばこの楽章は複合三部形式になるのかな?
第3楽章 (10:30)
このスピードは強烈!猛烈に速いのにギクシャクしてます。
第4楽章 (24:32)
この楽章はちょっと速いくらいです。第1主題のホルンが出てくる前のところ、珍しいところで切ったりしています。でも第1楽章と同様に淡白で平坦でだんだん飽きてきます。終わるところなど美しいところでうっとりさせてくれない。
★☆☆☆☆
早回しみたいな第3楽章は面白いけど他はいまいち。ダイナミック・レンジが狭くて、くすんだ音色の録音のせいかも知れません。
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ro94マーラー:交響曲第9番ニ長調

エフゲニー・スヴェトラーノフ(指揮)
ハーグ・レジディンティ管弦楽団
録音:1994年
(het Residentie Orkest RO94-2)
ロシア国立の2年後の録音です。1994年録音ぽいですが、詳しい録音データは記載されていません。
第1楽章 (27:01)
ロシア国立盤より落ち着いてゆったりしている印象。悪くないけど、何だか起伏に乏しくてやっぱり飽きてきます。
第2楽章 (17:01)
やはりロシア国立盤よりだいぶ落ち着いたテンポになっています。第2主題も速いけど自然な速さです。第3主題(C主題)は結構遅い。
第3楽章 (10:47)
テンポはロシア盤に近いけど何故かだいぶ自然に聞こえますが、かえって面白くないかも。オケがマラ9に馴れているからかな。
第4楽章 (23:30)
ここでもホルンが出てくる前の音型切っていますが、あまり目立たず上手くやってます。悪いところは特にない気がするのですが、それにしても何故か面白くない。
★☆☆☆☆
録音はだいぶマシだけどこちらも平板な印象です。オランダのオケだけにだいぶ普通な演奏だけど、何故か面白くない。
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という訳でどちらの演奏も楽しめませんでした。比べてしまうとまだスウェーデン放送響盤のほうが良かったです。
ということでスヴェトラーノフはこの作品を得意にしていたようですが、残念ながら録音には恵まれなかったのかもしれません。

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タバコフのマーラーと合わせて聴いてなかったマーラーのディスクを一緒に聴いてきましたが、ようやく最後まできました。今回はスヴェトラーノフのライヴを一緒に聴きました。
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sss0145マーラー:交響曲第9番ニ長調

エフゲニー・スヴェトラーノフ(指揮)
スウェーデン放送交響楽団
録音:2000年1月21日ベルワルド・ホール(ライヴ)
(WEITBLICK SSS0145)
スヴェトラーノフのマーラー9番は他に1992年のロシア国立響の全集の一環とハーグ・レジデンティ管とのライヴが出てました。以前の2種の録音は1枚に収まっていましたが、このスウェーデン盤は2枚組となっていて晩年様式になっているようです。
第1楽章 (29:19)
出だしはゆったりと遅いテンポで慈しむように進んでいきます。盛り上がってきてトランペットの最初の出はほとんど聞こえません。第2主題は更にちょっと遅くなります。展開部もゆったりなので音の絡み方とか、不協和音になったり協和音になったりがよくわかって面白い。あと少し弱音の美しさとフォルテの爆発力がほしい。
第2楽章 (18:08)
こちらもゆったり目。第2主題は結構速い。
第3楽章 (12:37)
結構速いテンポで一気に駆け抜けます。エキサイティングです。中間部はもっとうっとりさせてほしい。
第4楽章 (24:45)
ゆったりしているけど盛り上がっても濃厚な感じはせず不思議な清潔感があります。
★★☆☆☆
全曲通して悪くないのですが、強さも美しさも流れもあと一歩足りずもどかしい気分になります。スヴェトラーノフならもっと良い演奏に出来そうな気がします。ロシア国立盤やハーグ盤も確認してみようと思います。
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49043マーラー:
①交響曲第9番ニ長調
②交響曲第10番~アダージョ

エミール・タバコフ(指揮)
ソフィア・フィルハーモニー管弦楽団
録音:①1991年3月、②1987年4月、ブルガリア・コンサート・ホール、ソフィア
(CAPRICCIO 49043の14,15枚目)
①第1楽章 (32:33)
スヴェトラーノフよりずいぶんゆったりです。しかし自然にアゴーギクがかかっていて良いです。静寂の中のティンパニのフォルテなんかも強くて良いです。雰囲気もよく出ていて聴いていて引き込まれます。神秘的な弱音のところでは止まりそうなくらいテンポが落ちたり緊張感が凄いです。
第2楽章 (16:40)
良いテンポで起伏があってなかなか良いです。
第3楽章 (12:54)
スヴェトラーノフに負けないくらい猛烈なテンポです。こちらのほうがしっくりきます。中間部もゆったりしていてキレイです。
第4楽章 (28:43)
ゆったりテンポでじっくりとせめています。最後もまるで終わりたくないかのように引っ張ります。
②第9番の次に収録されていますが、だいぶ録音レベルが高いです。
演奏はこの間聴いたスヴェトラーノフより6分も速くて引き締まっている感じがします。自分のイメージより緩急の差がだいぶついていてドラマティックに聞こえます。強烈な不協和音のところはあまり強烈に感じないのは残念。
第9の4年前の録音ということで続けて聴くとオケも粗く聞こえました。(25:57)

①★★★★☆(これはかなり充実しているように聞こえました)
②★★★☆☆(まあまあ)

これでタバコフのマーラー全集聴きましたが、出来不出来の差が大きいような気がしました。

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bis700マーラー:交響曲第8番変ホ長調「千人の交響曲」

ネーメ・ヤルヴィ(指揮)
エーテボリ交響楽団、合唱団
エーテボリ歌劇場管弦楽団、合唱団
ロイヤル・ストックホルム・フィル合唱団
ブルンスボ児童合唱団
エストニア少年合唱団
ウラ・グスタフソン(ソプラノ)
マリアン・ハーガンダー(ソプラノ)、マリ=アンネ・ヘッガンデル (ソプラノ)
カロリーナ・サンドグレン (ソプラノ)、ウルリカ・テンスタム (アルト)
アンネ・イェヴァング (アルト)、セッポ・ルオホーネン (テノール)
マッツ・ペーション (バリトン)、ヨハン・ティッリ (バス)
録音:1994年11月25、27日エーテボリ歌劇場(ライヴ)
(BIS CD700)
この曲も苦手な曲でした。このヤルヴィ盤もセールの時購入したものの何年も放置していたものをようやく聴いてみました。
第1楽章(20:18)
冒頭からハイ・テンションがイヤになる曲ですが、この演奏はスッキリひたサウンド引き締まってして良いです。展開部になりトラック5の「インフィルマ」の部分からは結構速いテンポです。それにしても終盤のフォルテの連続はやかましい。
第2楽章(49:38)
ひさしぶりにちゃんと聴いたら、冒頭からしばらくマーラーらしい美しい場面がしばらく続きますね。トラック12でテノールが歌いだしてテンポが速くなりドラマティックに展開していきます。トラック14では1楽章思い出したり「大地の歌」が聞こえてきたりして面白い。だいぶ進むとマンドリンが出てきますが恥ずかしながら知りませんでした。このあたりは第7番と「大地」が共演してるみたいで面白い。マンドリンとコンビになってるのはチェレスタなんですね。最後のゆったりの盛り上がりは「復活」みたい。万雷の拍手が入っています。
久しぶりに聴きましたが(というか真面目に聴くのはほとんど初めて?)意外と面白かったです。というかたまには聴いてもいいかな、と思うくらいでした!

★★★★☆(なかなか素晴らしくて感動的)
ヤルヴィの速いテンポが良かったし、充実したサウンドで結構感動的でした。この作品で感動的とは自分でもびっくりです。
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49043マーラー:交響曲第8番変ホ長調「千人の交響曲」

エミール・タバコフ(指揮)
ソフィア・フィルハーモニー管弦楽団
ブルガリア国立スヴェトスラフ・オブレテノフ合唱団
ブルガリア国立放送合唱団、児童合唱団
リュドミラ・ハジエヴァ(ソプラノ)
マリア・テメシ(ソプラノ)
ダリナ・タコヴァ(ソプラノ)
タマラ・タカーチ(アルト)、ボリヤナ・タバコヴァ(アルト)
ヤーノシュ・バンディ(テノール)、パル・コヴァーチ(バリトン)
タマーシュ・シューレ(バス)
録音:1991年6月国立文化博物館、ソフィア
(CAPRICCIO 49043の12,13枚目)
第1部(24:54)
ヤルヴィより結構遅いです。ソリストが出てくると更に遅くなります。展開部も遅いけど冒頭音型が出てきてからは猛烈に速くなります。速い遅いを鮮明にしているような演奏です。
第2部(57:31)
冒頭はやはりヤルヴィよりゆったりです。で速いところは速くて、また強弱もコントラストが強いです。録音が難しそうだけどソリストの歌手がでかすぎとか、バランスがちょっとおかしい気がします。でもそんなせいかオペラっぽく聞こえるのは面白い。しかしマンドリンが出てくるまで長くて退屈します。終わりもちょっと聞こえる楽器のバランスがおかしくてあまり感動的ではなかったです。

★★☆☆☆(やっぱり聴くのしんどい)
ヤルヴィに比べるとだいぶ遅い。この演奏だと第2部は結構ツラい。

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kkc2157マーラー:交響曲第7番ホ短調

エフゲニー・スヴェトラーノフ(指揮)
NHK交響楽団
録音:1997年9月11日NHKホール、ライヴ
(KKC-2157)
第1楽章(25:37)
冒頭から引きずるような遅いテンポです。テノール・ホルンはよく歌っていて上手いですが、トランペットはちょっと不安な感じです。第1主題になるとだいぶ常識的なテンポになり、第2主題になると激遅になります。長大な展開部も普通かなと思わせておいて、大げさに遅くなったりして非常に面白い。けどやっぱりトランペットの不安定さが気になる。
第2楽章(21:15)
冒頭のホルンは素晴らしい。かなりゆっくりのテンポで色んな楽器が何をやってるのかわかって面白い。
第3楽章(10:10)
ちょっと遅いかな、というくらいで割りと普通のテンポです。変なこともあまりやってなくて結構おとなしめ。
第4楽章(15:12)
ゆったり目でマイルドなサウンドでとても優雅。
第5楽章(16:05)
こちらも割りと普通のテンポが多いですが、とにかくN響も上手くてマスで迫ってくるし、何よりノリノリで素晴らしい名演。曲想のせいかトランペットの不安定さもあまり気になりませんが、3人のトランペットが「ぱーぱぱぱぱぱー!」とやるところは3人揃って怪しい。終わる前の遅くなるところは激遅になってかなり熱い!

★★★★☆(なかなか素晴らしい)
N響の集中力が素晴らしい名演。トランペットだけは残念。
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rus288117マーラー:
①交響曲第7番ホ短調
②交響曲第10番嬰ヘ長調~アダージョ

エフゲニー・スヴェトラーノフ(指揮)
ロシア国立交響楽団
録音:1992年2月14、15、21日モスクワ音楽院大ホール
(SAISON RUSSE RUS288117.18)
①第1楽章(22:53)
遅めのテンポだけどN響盤ほど遅くないです。速い部分は結構速い。トランペットが強力で冒頭から安心して聴けるし、出番では自由に飛び回ってる感じが素晴らしい。この楽章でのトランペットって本当に重要ですね。展開部の終わりのぐわーっと来る感じは素晴らしい。再現に入ってのトロンボーンも雄弁で素晴らしい。
第2楽章(18:52)
序奏でのソリスト達がまた自由に歌ってる感じが良いです。本編に入ると遅めのテンポでじっくりとニュアンス豊かに歌っていきます。
第3楽章(9:43)
割りと速いテンポで強弱のニュアンスが素晴らしい。各ソロ楽器も表現力豊かです。細かい色んな音が良く聞こえます。
第4楽章(15:43)
のんびりムードでN響盤より遅くてだれる印象。
第5楽章(17:52)
こちらもN響より遅めです。元気が良いところは良いけど経過句的な場所はだれ気味。でもトランペットが浴びせかかってくるようなところは凄まじく、「ぱーぱぱぱぱぱー」は強烈なフォルテぶちかましてくれるので満足です。
②7番の後に10番のアダージョを聴くと思わなかったので、始まった時はちょっと驚きました。
冒頭の弦楽はとても良い感じですが、動きだすとテンポが遅すぎて緊張感がキープできないような印象です。その後も緊張感が出たり消えたりでどうも集中できない。例のビックリする強烈なフォルテのところもコンマス(かな?)がほんの少し早く出ちゃうのは興ざめ。(31:46)

①★★★☆☆(4楽章、5楽章は息切れ気味で残念)
②★☆☆☆☆(ちょっと最初からお疲れのよう)
でもトランペットはグレートでした!

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