cdlx7298①ブルーメンフェルド:交響曲ハ短調Op.39「親愛なる愛する人へ」(1905-06)
②カトワール:交響曲ハ短調Op.7(1889-91/orch1895-98)
マーティン・イェイツ(指揮)スコティッシュ・ナショナル管弦楽団
録音:2012年8月グラスゴー
(DUTTON CDLX7298)
最近のDUTTONレーベルは面白い!歴史的音源の復刻は減り、EPOCシリーズでイギリスのマイナー曲を録音しまくっていて、最近はロシアやアメリカのマイナー曲も増えてきました。この一枚もロシアの同世代のピアニストで作曲家ブルーメンフェルド(1863-1931)とカトワール(1861-1926)の交響曲、それも同じ調性の交響曲をカップリングした好企画。同じようにピアニストで作曲家のラフマニノフ(1873-1943)のちょっと上の世代です。
①ブルーメンフェルドの交響曲はRUSSIAN DISC盤も持ってるけど例によって内容は覚えてません。
第1楽章はラフマニノフぽい長い序奏があります。低弦から始まる侘びしい序奏が徐々にテンポ・アップして運命的な決然とした激しい第1主題になります。第2主題は美しく綺麗なメロディです。序奏が長かった割に提示部は短いです。展開部も激しく盛り上がりますが短い。最後は悲劇的だけど静かに閉じます。
第2楽章は前の楽章から受けたようなクラリネットで美しく切ない主題が奏されます。バックにハープが入ったりして綺麗です。続いてヴィオラとチェロによるやはり綺麗な第2主題。濃厚なロマン派ぽさはラフマニノフぽい。
第3楽章はティンパニの一発で始まるスケルツォ。派手ですが、若干愚鈍な感じもします。かっこいいけど暑苦しい。トリオは始めはハープが美しいけどやはり暑苦しい音楽になります。最後は静まってきてアタッカで第4楽章に入ります。管楽器による清らかな主題で始まり、弦楽器に引き継がれます。ジワジワと盛り上がって終わります。
うーん、如何にもロシア・ロマン派という感じいいですね。チャイコフスキーとラフマニノフを繋ぐ作品、といった感じです。
②カトワールに交響曲があるとは知りませんでした。ピアノ曲ばっかりで、たまに室内楽があるくらいしか知らなかったので軽く驚きです。
第1楽章、冒頭クラリネットとホルンで民族的な主題は序奏かと思ったら第1主題のようです。3拍子の可愛らしいテーマが第2主題かな?展開部は牧歌的だけどクライマックスは悲劇的です。
第2楽章はスケルツォ。快活だけど素朴な感じです。五人組に近いかな。トリオがちょっと長く感じます。
第3楽章はクラリネットの素朴で哀しげなメロディで始まります。ロマンティックな緩徐楽章。
第4楽章はおどけた感じで始まる楽しいフィナーレ。第2主題はちょっと憂いがあります。ラフマニノフぽくて賑やかだけどまどろっこしい楽章。
曲も演奏も最後のほうは息切れ気味か?

①★★★☆☆(これはなかなか素晴らしい)
②★☆☆☆☆(あちらこちらで冗長さを感じます)