2006年05月20日

 京都が賑わっていたのに対して、こちらは空いていた。「古密教」展の時にはなかったと思うのだが、今回は会場に解説ボランティアの方が常駐していて、ちょっとした質問に答えてくれたり、研究員に質問を取り次いで、後日回答してくれるようだ。なお、私が疑問に思ったことは『図録』を確認して解決した。また他にも、感想を書くにあたり図録の作品解説を眺めていると、会場キャプションを読んで受けた印象がコロッと変わってしまうものもあって、字数が限られる会場キャプションを過不足なくまとめるのは難しいものだと再認識した(当たり障りをなくしているような気もする)。
 ともあれ、ミーハーな私にとっては結構楽しめた展覧会であった(まあ、知識がないというのも時にはプラスになる)。
 お馴染みの「重源上人」がいくつもあるというの、それが並べて展示されているのも面白いし、仏像に関しては慶派の優品が並んでいるわけで、何となくワクワクする。
 小テーマで一番興味深かったのが「別所の経営」である。金剛峯寺の「執金剛神立像」・「深沙大将立像」・「孔雀明王座像」等は、「祈りの道」展でお目に掛かってはいたものの、重源に関わるものとは意識していなかった(熊野地の優品という事に重点があり、造立背景は問題にされていなかった)。また、重源と兵庫津との結びつきは認識していたのだが、「大部荘+浄土寺」と重源との関係が全くわかっていなくて(固有名詞としての「大部荘」・「浄土寺」は知っていた)、目から鱗状態であった。浄土寺浄土堂(の模型※)は前の職場の常設展示では目を引く存在だったのだが、指定品と言うことを越えて情報を提示するものではなかった。ともあれ、断片的な知識がちょっとだけでも繋がっていくというのは気持ちの良いものであった。
 それにしても「顕密体制」以降の仏教事情というのはややこしい。けれど、教科書的に単純化されすぎた見取り図に比べれば、面白いことは確かだ。
 
※ちなみに、この浄土堂模型(2分割可)は開館当初は全体が展示されていたのが、前のリニューアルで半分だけの展示となった。今年度、再度リニューアルが行われ、常設展示が刷新されると聞いているが、この模型はどうなるのだろう?


(07:09)

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