2006年07月31日

gurigura 姫路市立美術館で開催されている。展示室へいたる廊下の壁面には、創刊以来の「こどものとも」表紙をあしらったパネルがあり、観覧者の記憶に訴えかけてくる。また、拡大された絵本のキャラクターたちのパネルがいくつも置かれており、中でも「タマゴの車に乗ったグリとグラ」のパネルは記念撮影できる仕掛けになっている。それとは別に、チケットの半券をチラシ裏面に記された手順に従って折っていけば、「グリとグラ」の帽子ができあがるという遊びもあった。
 展覧会の方は以下の五つのセクションから構成されていた。
1.みんなのともだち「こどものとも」
2.戦後、日本の絵本はここから始まった−月刊物語絵本「こどものとも」の誕生
3.タテ版からヨコ版へ、字のない絵本−新しい表現方法の追求
4.絵本で世界の旅に出る−昔話で伝える世界の暮らしと文化
5.さらなる50年に向かって−これからの「こどものとも」
 セクション1では「グリとグラ」や「グルンパ」等のロングセラー絵本のキャラクターを紹介していた。
 セクション2は最初の10年間を中心に、様々な分野のクリエーターが「こどものとも」へ参入してきたことが紹介されていた。
 セクション3は版型の変更が絵本に与えた影響や新たな表現の模索が行われた様子をとりあげている。
 セクション4では外国の民話・伝説などを素材にした絵本が紹介されていたのだが、日本人作家による絵だけではなく、それぞれの物語を伝えてきた国の作家によるものもあった。
 セクション5は最近の作家を紹介しており、家族全員の好きな秋山あゆ子作『くものすおやぶんとりものちょう』の原画も展示されていた。

 普段は2倍版の世界で生きているので、原画と仕上がりがほぼ同じだということが何回見てみても新鮮だ。また、原画の方がおおむね製本されたものよりみずみずしい感じがする。また、定番とは言え、読書コーナーも広めに設定されていて、子どもと一緒に愉しむことができた。ただ、一つ残念なことは、この展覧会には図録がないこと(開会1週間で売り切れたのでなければ)である。グッズ販売のコーナーには「こどものとも」の絵本や、キャラクターグッズ(絵葉書・便箋・一筆箋・クリアファイルなど)と共に『おじいさんがかぶをうえた』という福音館が「こどものとも」50周年記念出版として刊行した「こどものとも」の歴史を振り返る本が置かれていた。一部展覧会の内容とも重複する点があるとはいえ(セクション1・2と5の一部)、特にセクション3・4にかけての部分は当該書ではほとんど触れられていない。多くの作家の作品を扱う展覧会であるため、著作権の問題をはじめ作品を印刷物に収録するための手続きが煩瑣であったり、予算的にも苦しいものがあったかもしれないが、「鑑賞ガイド」という展示作品目録だけではなく、8p程度のリーフレットがあるだけでも、新旧「こどものとも」読者層にはありがたかったのではないだろうか。3年ほど前に同美術館で開催された「絵とものがたり」展や昨年の夏休み企画では興味深い図録が作成されていたので、今後の展覧会では是非オリジナル図録を作っていただきたい。


(21:37)

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