2006年10月03日

 A4版4Pのリーフレット、点字でも表記があり(4p目に点字一覧表があって、点字を知らないものでも根気があれば変換可能)、タイトルは凸字印刷。タイトルだけでなく、点字資料の一つ「木刻漆塗文字」の写真1点も外周と文字の輪郭を盛り上げ、擬似的に資料をさわった感触を再現している。
 また、画期的なことは「触文化」をテーマにするだけあって、ほとんどの資料を実際に触ることができる。触ることのできる資料は文字関係だけではなく、「絵画」や「彫刻」も含まれており、視覚に頼り切った生活を送る私にとっては、触るだけでは全容をつかみきれない資料も多かった。
 リーフレットやチラシ類ではなぜだかほとんど触れられていないのだが、会場には海外の点字や凸字関係資料もかなり展示してあって、これらにも触ることができる。この中でムーン式凸字は途中失明者に現在でも広く用いられているということだったが、「見た目」には変わらないようでも、実際に触れてみると他の凸字に比べて明らかに判読しやすい事が体感できた。
 展示を見ていて何となく頭に浮かんだのは、最初から目が不自由な方はどのように周囲のことを認識しているのだろうということであった。私が展示品に触れる場合は、あくまでも視覚から取り入れたイメージをなぞりながら、あるいはイメージと比較しながら展示品に触れている。しかし、形を認識するすべが触覚しかない場合、脳内に浮かぶイメージはどのようなものだろう?想像力に乏しい私はすぐに考えるのを止めてしまったが、印象的な展覧会だった。
追記
 この展覧会に関して、(狭い世界のことであるが)画期的だと思ったことは、『考古学研究』の特集記事の一つとして、この展覧会の企画者である広瀬氏による紹介記事が掲載されたことであった。同時に掲載されていた九州国立博物館の記事に若干キレの悪さがあったのとは対照的で、広瀬氏が考古学の学術誌に執筆することになった経緯も含めて、興味深い。


(22:06)

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