2006年10月04日

 「動物園」は企画展スペース、「水族館」は常設展入口の廊下と展示場所が一定しないが、夏休み企画の第3弾である。
 今回は展示場所が、常設展アジアの一角になっていた。虫を象った器物、人間と虫との交渉に関わる道具が展示されている。
 天井からは虫をモチーフにしたアジアのカラフルな凧が吊され、導入部には虫を象った仮面が展示されている。この仮面類の中に、縁日の屋台で売っている「仮面ライダー1号(新)」のセルロイド製のお面が展示されているのだが、これだけに資料キャプションがつけられていなかった。担当者が遊びで混ぜたものだろうか?(後述のように関係書籍のセレクションにもライダーに対するこだわりが感じられたし)。
 養蜂に関わる道具の展示は段ボールでできた蜂の巣(八角形のつつを組み合わせた)状の台におかれ、食用昆虫(缶詰中心)は片田舎の食堂を思わせるテーブルの上にディスプレイされ、メニューを模した説明シートが添えられていた。虫を象ったおもちゃ類は展示台の周囲に長短の段ボール筒を組み合わせて並べ、虫が草むらに潜む様子をイメージしていた。このあたりは「きようよりワクワク」や「キッズ・ワールド」で用いられた手法を取り入れているのだろう。
 また、それぞれのコーナーごとにキャプションの色が変えてあるほか、キャプションの背景に「ハエ・カ・イモムシ」等があしらわれている。そして、14インチ程の液晶ディスプレイが用意され、展示品に隣接して、それらが実際に使われる場面のビデオが数カ所で流されていた。
 展示場の一角には、蚊帳が吊された畳2畳とテーブルからなる休憩スペースが設けられ、昆虫と人間の関わりをテーマにした書籍を眺めたり、昆虫を象った玩具で遊ぶことができる。また、置かれていた書籍だが、民族学関係のものだけではなく、食文化をテーマにした長寿マンガの「昆虫食」を取りあげた巻や「昭和仮面ライダー」を現代に蘇らせた作品も含まれており、後者については仔虎が読みふけって蚊帳の中からでてこないので、自宅にも揃っているからと説得して読むのを止めさせる一幕もあった。なお、昆虫食の一部や昆虫をモチーフとした玩具はミュージアムショップで販売されており、それは展示場でも明示されていた。
 展示はディスプレイ方法も含めて良くデザインされていたと思うのだが、資料の選択が「非ヨーロッパ系」のものに偏っているようだった(一部、南北アメリカの資料があったが、これらが在地系、ヨーロッパ系、混淆系の何れであるかは私には判断できない)。これは虫との関わりが、ヨーロッパでは他の地域と比べて薄いためなのか、それとも民博にヨーロッパ系の資料がないためなのかも定かではない。そのあたりの素朴な疑問に答えてくれるシステムが民博の展示室なりレファレンスにあればなぁというのが、この展覧会に対する不満である。


(18:30)

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