デッドライン仕事術 (祥伝社新書 95)
本の帯にある「残業ゼロを実現」というコピーに惹かれて購入した読者はがっかりするかもしれない。この中に書かれている「残業削減方策」は個人として取り組むのが難しいものばかりで、会社が組織として変わることが前提とされているからだ。
正確に言えば、本書のポイントは残業を削減することですらない。肝は「なるべく早く切り上げて帰ろう」ではなく、「最初から残業しないことに決めて、仕事を組み立てる」という発想の転換により、会社の効率と業績を上げることにある。
その意味で、この本のタイトルは誤解を与える。正しくは、「デッドライン仕事術」ではなく、「デッドラインマネジメント術」とすべきだろう。
なにしろ、トリンプの社長として19年間連続で増収・増益を果たしたという伝説の人物が説くのだ。その論旨は明確で、迷いがない。マネジメント論として読む分には、刺激と示唆に満ち、時に耳が痛い。
特に、「そうそう!」と膝を打ったのは、
そして、特に耳が痛かったのが、
もちろん、その極端な物言いに反感を覚えたり、付いていけない読者もいるだろう。ただ、冷静に考えてみると、「そんなの無理だよ」と最初から匙を投げている自分を発見したりもする。
要は、自分の方法論を信じ、どんな反論があろうとも結果が出るまで貫徹する、その強さこそが成功するリーダーの資質なのかもしれない。
以下、いつか使うかもフレーズ集。
本の帯にある「残業ゼロを実現」というコピーに惹かれて購入した読者はがっかりするかもしれない。この中に書かれている「残業削減方策」は個人として取り組むのが難しいものばかりで、会社が組織として変わることが前提とされているからだ。
正確に言えば、本書のポイントは残業を削減することですらない。肝は「なるべく早く切り上げて帰ろう」ではなく、「最初から残業しないことに決めて、仕事を組み立てる」という発想の転換により、会社の効率と業績を上げることにある。
その意味で、この本のタイトルは誤解を与える。正しくは、「デッドライン仕事術」ではなく、「デッドラインマネジメント術」とすべきだろう。
なにしろ、トリンプの社長として19年間連続で増収・増益を果たしたという伝説の人物が説くのだ。その論旨は明確で、迷いがない。マネジメント論として読む分には、刺激と示唆に満ち、時に耳が痛い。
特に、「そうそう!」と膝を打ったのは、
部下に対して「これは黒だ」と自分の判断を押しつけるのではなく、全員が「これは黒だ」と判断できる環境を作るのがリーダーの役目だ(p82)というあたり。
誰もが「仕事ができる」と認めるような優秀な人たちに聞いてみるといいだろう。(中略)「こういう人にこんな教育を受けました」と具体的に答えられる人は、一人もいないはずだ。少なくとも私は、そんな「仕事のできる人間」に会ったことがない。優秀な人間はみんな、自分で仕事のやり方を身につけてきたのだ。(p124)
自分が上に立ったらどうするか、という視点でものを考える訓練をしてこずに、ただただ上への愚痴を垂れ流していた人間が、素晴らしいリーダーシップを発揮できるわけがない。(p136)
そして、特に耳が痛かったのが、
どんなゲームも、自分が勝利したときのイメージがあったほうが、そのために何をすべきかという戦略も具体的に考えられるようになるものだ。(p138)
自分の仕事に手応えを感じている部下にとって、一番の褒美は「上司が何も言わないこと」なのだ(p172)
社長室や会議室で鉛筆をなめながら書かれる戦略やビジョンが「生きた言葉」として会社を動かす力を持つとは、どうしても思えない。(p188)
もちろん、その極端な物言いに反感を覚えたり、付いていけない読者もいるだろう。ただ、冷静に考えてみると、「そんなの無理だよ」と最初から匙を投げている自分を発見したりもする。
要は、自分の方法論を信じ、どんな反論があろうとも結果が出るまで貫徹する、その強さこそが成功するリーダーの資質なのかもしれない。
以下、いつか使うかもフレーズ集。
みんなで手をつないでゴールまで走れる時代はとっくに終わっている。判断のスピードが遅い企業は、様子を見ているうちに濁流に呑まれて脱落していくのが今の時代だ。(p39)
「能力」を大きく向上させることは難しくても、「効率」は車の運転と同じように、訓練次第で、誰でも上げることができる。(p42)
仕事の効率が悪くて残業ばかりする人間には、「一日の始動が遅い」という共通点がある(p64)
不思議なもので、一緒に笑った人間同士というのは、それだけで同じ釜のメシを食ったような仲間意識を持てる(p179)