ノット指揮の東京交響楽団定期演奏会

●10月21日(土曜日)18:00より、サントリーホールにて、東京交響楽団定期演奏会●

①リスト:バッハの名による前奏曲とフーガ  ★オルガン独奏:石丸由佳
②シェーンベルク:管弦楽のための変奏曲   
③ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 ★ピアノ:児玉桃
④ラヴェル:ボレロ

★かなり興味深いプログラムながらも、②は、かなりハードルが高い。
一見、シェーンベルク作品を除けば、「名曲シリーズ」にも見えるが、甘かった。
とりわけ、①が。

①この曲は、冊子の解説を読めば明らかなのだが、バッハ風と思って聴くと絶望する。
そもそもBACH音型自体がそれほど親しみやすいわけでもない上、BACH音型が多用されているわけでもない。
「BACH音型(シ♭、ラ、ド、シ)と結びつき半音階的に接続されるおびただしい和音の連なりが生み出す、ほとんど暴力的なオルガンの音響効果」と冊子にある通り。バッハとは、全く違う響き。
とは言え、在京オケの定期演奏会で、サントリーホールでオルガン独奏を10分以上聴ける機会は珍しいので、退屈することもなし。

ユーチューブ動画でも聴ける。
https://www.youtube.com/watch?v=hjdjbsWt24w

②BACH音型が使用されているせいか、①と切れ目無しで演奏されるが、十二音技法で「シ♭、ラ、ド、シ」が、離れて引用されているところもあり、むしろわかりにくい。
この曲についても冊子の解説が素晴らしい。
「この作品の難解さ(そして最大の魅力!)は、実際には明確な調性の欠如ではなく、むしろその濃密なポリフォニーにある。(浅井佑太)」とのこと。
ダイナミックレンジが大きい上に、ところどころ繊細な室内楽的な響きもあり大変に興味深いが、大多数のクラシック・ファンにとって最も興味深いのは、初演者がフルトヴェングラー(ベルリン・フィル、1928年)、日本初演、朝比奈隆(大阪フィル、1974年)かも??????
最後の最後に、「ドウダ」と言わんばかりに、12音全部使用した大音量の不協和音で終る。

カラヤンもDGに録音しているので、前日に解説書を見ながら予習してみましたが、さすがに実演の響きは素晴らしい。実演でもう一度聴けば、さらに良さがわかって来そうな予感!!!!






大作曲家 シェーンベルク
エーベルハルト フライターク
音楽之友社
1998-12-10


新ウィーン楽派管弦楽曲集
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ポリドール
1997-04-09

新ウィーン楽派管弦楽曲集
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 カラヤン(ヘルベルト・フォン)
ユニバーサル ミュージック クラシック
2008-07-23

シェーンベルク:交響詩「ペレアスとメリザンド」、管弦楽のための変奏曲
カラヤン(ヘルベルト・フォン)
ユニバーサル ミュージック
2014-03-12




4月にも聴き、男性ピアニストながら、ソフトなタッチで印象的でしたが、児玉桃のソロは、パワフルでビックリ。第7変奏以降の「怒りの日」も明瞭。
ラフマニノフは、交響曲第1番、第1楽章の冒頭で「怒りの日」を使用しているくらいですから、「怒りの日」の旋律は、ほとんどコンラート・ローレンツの言う「刷り込み」とすら言えそう。
いつもながら、主題の「鏡像形」の18変奏が「倚音」の効果もあり、極めて印象的。その前の第17変奏も、小山実稚恵が言うように、ロシアの厳しい冬を思い起こさせ、第18変奏が一層際立つように設計された古風ながらも、極めて優れた作品ではあるのだが・・・・・・
★アンコールは、ラヴェル。
ソロモンの指環―動物行動学入門 (ハヤカワ文庫NF)
コンラート ローレンツ
早川書房
1998-03-01



④名曲過ぎて、定期演奏会では滅多に出会えない。2014年スピノジ指揮(新日本フィル)以来のようである。これほど有名な曲ですが、ブログを書くようになってもうすぐ7年。今回で実演はわずかに3回目のようなので、ある意味、驚きでもある。
たしかに、単純な曲想ながらも、オケの聴きどころ満載で、空前絶後の「異形」とも言えそうな大傑作。
この曲をパロディ化したショスタコーヴィチの交響曲第7番の方を実演ではよほど多く聴いている。

ファゴットの高音や、とりわけ、トロンボーン・ソロが最大の難関らしいが、テノール・サクソファンや、主席奏者のクラリネットが魅力的な響き。










オルガン:石丸由佳


ピアノ:児玉 桃


指揮:ジョナサン・ノット




11月の演奏会

今年も残すところ、2ヶ月と少し。
日没も17時頃で、どんどん日が短くなる。今後1ヶ月さらに40分も。

10月下旬は再度、山形県に帰省して、実家の「冬支度」。
実家から3キロほど離れたライブカメラ。そのうち、冬化粧も見られるでしょう。




11月は、演奏会が多めで、16回。
日本初演であるメシアンのオペラはともかく、それほど演奏機会が多くないモンテヴェルディ、プロコフィエフ、レーガー:「べックリンによる4つの音詩」(10日と14日の2回)なども聴ける。


 3日、14時より、ハンヌ・リントゥ指揮のシベリウス:交響曲第2番など

 8日、19時より、ハンヌ・リントゥ指揮のシベリウス:クレルヴォ交響曲(上野にて)
 
9日、13時30分より、山田和樹指揮のドヴォルザーク:オペラ『ルサルカ』(日生劇場にて)
 
10日、14時より、上岡敏之指揮のレーガー:ベックリンによる4つの音詩、チャイコフスキー:ピアノ協奏曲など(すみだトリフォニーホールにて)
 
12日、15時より、ヤノフスキ指揮のベートーヴェン:交響曲第3番など(渋谷にて)

14日、19時より、スダーン指揮のドヴォルザーク:交響曲第9番など

17日、19時より、ソヒエフ指揮のプロコフィエフ:オラトリオ『イワン雷帝』(渋谷にて)

18日、14時より、インキネン指揮のブルックナー:交響曲第5番など

19日、14時より、カンブルラン指揮のメシアン:オペラ『アッシジの聖フランチェスコ』(演奏会形式)

22日、19時より、ソヒエフ指揮のプロコフィエフ:交響曲第7番など

23日、16時より、鈴木優人指揮のモンテヴェルディ:オペラ『ポッペアの戴冠』(初台にて)

26日、14時より、カンブルラン指揮のメシアン:オペラ『アッシジの聖フランチェスコ』(演奏会形式)

 28日、14時より、新国立劇場のオペラ『椿姫』
   19時より、エマニュエル・パユのソロ・コンサート
 
29日、19時より、デニス・ラッセル・デイヴィス指揮のプロコフィエフ:交響曲第6番など

30日、14時より、小泉和裕指揮のモーツァルト:交響曲第35番など(池袋にて)





イワン雷帝 [DVD]
ニコライ・チェルカーソフ
IVC,Ltd.(VC)(D)
2009-03-19

イワン雷帝 [DVD]
ニコライ・チェルカーソフ
アイ・ヴィ・シー
2006-02-24


映画『イワン雷帝』のシーンから








Saint Francois D'Assise
Jeanne Loriod
Deutsche Grammophon
1999-08-10



アッシジの聖フランチェスコ*オペラ
ダム(ヨセ・ファン)
NECアベニュー
1988-06-21





File:Arnold Böcklin - Die Toteninsel V (Museum der bildenden Künste Leipzig).jpg

Dennis Russell Davies

聴き比べ:マーラーの交響曲第2番≪復活≫ (その2)

9月チョン・ミョンフン指揮の演奏会前に聴いておきました。CDを聴いてからだいぶ時間が過ぎました。
テレビが映らないので、「ネット依存」にならないように、PC閲覧もある程度、自己規制しているつもりながらも、映画などを見てしまうと時間の経過も早く、なかなかそうもいかない。

③シノーポリ指揮:フィルハーモニア管弦楽団 ★1985年9月3~6日録音
マーラー:交響曲第2番 ハ短調〈復活〉
ファスベンダー(ブリギッテ)
ポリドール
1997-12-21

①21:01②10:11③10:14④04:53⑤33:23
★バーンスタインほどでもありませんが、劇的な「肉食系」ながらも、テンポの遅い感情移入型。
①:ソナタ形式
メリハリ十分。
②:ABABAの構成
比較的速めのテンポで、想定外に?この楽章は、曲想もあり、あっさり。
③:ABABAの構成
2度めのBの終わりに登場する終楽章の「予告」楽句は強烈。
④ファスベンダーの声質も魅力的。
⑤:ソナタ形式
提示部終わりの大クレッシェンドは強烈。
12分過ぎの展開部の木管の絶叫も印象的。再現部舞台裏でのトランペットのファンファーレはやや遠い。30分過ぎの合唱のテンポは、遅め。




④小澤征爾指揮:ボストン交響楽団 ★1986年12月13~15日録音
①22:42②10:10③11:24④05:49⑤33:52
★以前、テレビ番組で、小澤征爾が若き日の回想場面(バーンスタインの助手時代)で、多くのマーラーの交響曲のリハーサルを見学し、「これなら、自分もやれる」と感じたらしい。
バーンスタインとは、対極的な演奏とも言えるアプローチ。どちらかと言えば、明るく健康的で、クールな現代風。丁寧で手堅く、楷書風な正攻法。
このコンビのマラ2は、1990年?だったか、東京文化会館で実演を聴いた記憶有り。ホルンの響きが立派で、印象的で、その後、数年、ホルンの響きだけが頭の中で響き渡っていたものでしたが、今回のCDを聴いても蘇っては来ませんでした。残念至極。

①:ソナタ形式
10分過ぎの第1展開部は、穏やかでバランスも良好で大変に美しい。
②:ABABAの構成
穏やかなアプローチがこの楽章では聴き応え十分。弦の響きも良好。
この楽章も木管群が良好。
③:ABABAの構成
速めのテンポ。2度めのBの終わりの「予告」(不協和音)は比較的穏やかで「草食系」?
⑤:ソナタ形式
録音が良く、舞台裏からの響きも臨場感十分。
大音量で再現部に入ると、7回の鐘は弱めで、なんとか聴こえてくる。その後の鳥の鳴き声も明瞭で美しい。フィナーレは曲想もあり、十分盛り上がるが、バランスも良好。

コンサートは始まる―小澤征爾とボストン交響楽団
カール A.ヴィーゲランド
音楽之友社
1989-12-01


山本直純と小澤征爾 (朝日新書)
柴田克彦
朝日新聞出版
2017-09-13





小澤征爾: Seiji OZAWA
小澤 征爾
新潮社
2016-08-31



★その3へ続く
★その1は、こちら
★曲目解説は、こちら

 



 
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