2013年11月

クリストフ・ウルリヒ・マイヤー指揮のワーグナー作曲(マイヤー編) 『パルジファル』組曲 

●11月29日、金曜日、7時15分より、サントリーホールにて、新日本フィル定期演奏会●



①マルシュナー作曲 歌劇『吸血鬼』序曲
②マルシュナー作曲 歌劇『ハンス・ハイリング』より ゲルトルートのモノローグ *
③ワーグナー作曲 楽劇『トリスタンとイゾルデ』より 前奏曲と愛の死 *
④ウェーバー作曲 歌劇『オイリアンテ』 op.81 序曲
⑤ワーグナー作曲(マイヤー編) 『パルジファル』組曲 *独唱:藤村実穂子




クリストフ・ウルリヒ・マイヤー(1968~)は、1992年より、バイロイト音楽祭のアシスタントをしているというので40代の若さであるが、髪の毛が真っ白で、ビックリ。歌劇場のコレペティトールを経験しただけあり、苦労したのだろうか????手堅い演奏で、聴き応え十分。

①マルシュナーは、名前しか見たことがありませんが、曲を聴いてビックリ。ロマン派全開で、シューベルトやメンデルスゾーンやウェーバー作品と言われても違和感なし。

②オケのヴァイオリンや木管の半分は舞台から消える、異様な編成。題名通り、最初の3分の1は、歌わずに語り。藤村実穂子のドイツ語の発音もうまい。

③超名曲なので、愛の死は「歌なし」でも良く聴く機会がありますが、やはり、歌はあったほうが良い。
ステージ上のオケのせいもあり、響きがかなり良く、素晴らしい。

④歌劇『オイリアンテ』序曲は、最初聴いたことがあると思っていましたが、聴いても記憶が蘇ってこないので、おそらく、初めて。ソナタ形式で、展開部で穏やかになったかと思うと、後半ベートーヴェンの「大フーガ」を思い起こさせるフーガ風の音楽が登場し、唖然!!!!!!!!


ワグネリアンでないので、お恥ずかしい話、『パルジファル』の実演舞台をまだ経験したことがありません。それでも、『パルジファル』は、ニーチェやハンスリックの否定的な評価があるものの、ユダヤ人のアドルノが比較的評価しているので、できるだけ聴くようにしています。今年もおそらく、3回は、映像で見ているはず。台本の内容には、個人的には、相当に抵抗がありますが、音楽に聴きどころは多い。
今回は、指揮者のマイヤー編で、全体で50分ほどなので、私としてはちょうど良い。(全曲はマル4時間かかるので、演奏する方はもっと大変でしょうが、聴く方ですらも大変。)
さすがに実演でのワーグナー作品の圧倒的な響きの素晴らしさには、脱帽。
クンドリの藤村実穂子も見事で何も言うことがありません。

2015年3月にも東京交響楽団の定期演奏会(ノット指揮)で、『パルジファル』(抜粋)が聴けるので、楽しみ。


クリストフ・
ウルリヒ・マイヤー


写真: 今週末の#518サントリー定期のソリスト、藤村実穂子さんが第44回サントリー音楽賞を受賞!本日、受賞式が行われました。

先日のウィーン・フィルの『第九』にも出演し大絶賛の藤村さん。彼女が絶大な信頼を寄せる指揮者、マイヤー氏との最強コンビは必聴。
年末に向け慌ただしい日々をお過ごしの方こそ、11月29日はサントリーホールで「現代最高のメゾ」の歌声に酔いしれてみては?
http://www.njp.or.jp/archives/10138

ドイツ歌曲集II


ドヴォルザーク:レクイエム 変ロ短調、交響曲 第8番 ト長調 (Dvorak – Requiem & Symphony No. 8 / Jansons, RCO) [2 SACD Hybrid]


マーラー 交響曲「大地の歌」/アルミンク=新日本フィル


マーラー:交響曲第3番(SACDハイブリッド)


ヘスス・ロペス=コボス指揮のショスタコーヴィチ:交響曲第13番「バービイ・ヤール」 (都響定期演奏会)

●11月28日、木曜日、7時より、サントリーホールにて●


①トゥリーナ:闘牛士の祈り(弦楽合奏版)
②ラヴェル:スペイン狂詩曲
③ショスタコーヴィチ:交響曲第13番「バービイ・ヤール」   
バス:ニコライ・ディデンコ男声合唱:二期会合唱団


★結論から言いますと、ショスタコーヴィチの交響曲第13番の実演は初めて聴きますので、断定的なことは言いにくいのですが、緊迫感十分で非常に聴き応えのある演奏でした。歌手は、体格もいいが、声量もいい。


●3曲、全て20世紀音楽ですが、とりわけ「ゲンダイ音楽」という印象も少なく、選曲が素晴らしい。
ヘスス・ロペス=コボス指揮の演奏は、3年ぶり。

①セビリア生まれのトゥリーナ(1882~1949)の名前は比較的見ますが、これと言った作品は知りませんので、初めて聴く作品。かなり聴きやすい。中間部と終わりの方に確信犯的に『ジュピター音型』を変形させたような、親しみやすい旋律があって印象的でした。

②有名曲で、実演でも何度か聴いているはずですが、最後に聴いたのはいつか思い出せません。
クリュイタンス指揮(東京での来日公演)のCDを良く聴きましたが、実演だけあり、冒頭の弱音が魅力的。

③ロシア人指揮者ではなくスペイン人指揮というのも興味深い。政治的な理由のある作品でもあり、かえってロシア人指揮者のほうが演奏しにくいのかもしれない。
都響は、インバルのおかげで、ショスタコーヴィチの交響曲を毎年演奏しているし、9月には、マルケヴィッチの息子の指揮で、交響曲第7番を演奏したばかり。数えたわけではないので、厳密には不明ですが、この数年では、日本で最も頻繁にショスタコーヴィチを演奏しているのではないでしょうか。そのせいか?めったに演奏されない曲ながらもオーケストラは、充実した見事な演奏。

この曲は、我々日本人には「ハードルが高い」(少なくとも私には)
●全楽章にある歌詞は、ロシア語(字幕があったのは助かりました)。
●詩の内容は日本人には実感しにくい「反ユダヤ主義」批判とソビエト体制批判、その上パロディ。
●曲自体、相当にマーラーの影響を受けているし、マーラー以外の引用もある上、音楽にもパロディがある。

♦第1楽章:
分かりやすいソナタ形式ですが、相当に陰鬱な曲想、展開部の終わりは大音量。ロシア語は、固有名詞でもわかりにくいが、「反ユダヤ主義」だけは(英語のアンチセミティズム)に近いので、分かりやすい。
♦第2楽章:
ショスタコーヴィチ自身の曲からの引用もあり、革命歌の引用もあるらしいが、私はいずれも知らないので、残念。初演で、聴衆の評価を得たのは、これらの理由もあるのでしょう。
♦第3楽章:
マーラーの歌曲集『亡き子をしのぶ歌』風で興味深い。
♦第4楽章:
詩人がショスタコーヴィチのこの曲のために書いた詩らしく、明瞭なスターリン批判。
♦第5楽章:
ニーチェ風の「俗物批判」の詩の内容。明るい曲想と「諧謔性」が交錯する楽章。最後は静かに終わる。
真実や、芸術が理解されない無力感からか?あるいはニヒリズムから???????
ちなみに、フルトヴェングラーは、マーラーの交響曲第5番第2楽章を、「西洋音楽史、初のニヒリズム音楽」と言ったらしいが、マーラーの第5番第1楽章には、『亡き子をしのぶ歌』の引用もある。詳細は、こちら

★来年4月にもアンドリス・ポーガ指揮でこの曲が演奏されるので、楽しみ。ポーガくらいの若い世代だと、政治的な抵抗がないのかも???????



本日11月27日はヘスス・ロペス=コボス指揮による第761回定期演奏会の最終リハーサルが行われました。
最初のリハーサル曲はラヴェルの《スペイン狂詩曲》。マエストロはスペイン出身ですが導き出す音楽は非常に繊細!!この曲冒頭の細かなニュアンスも大切に慈しむように響きを紡ぎます。
今回の演奏会はスペインの作曲家トゥリーナの弦楽合奏曲《闘牛士の祈り》、ラヴェルの名曲《スペイン狂詩曲》とショスタコーヴィチの問題作《バービイ・ヤール》のプログラムで、色彩感や迫力ある音楽づくりとともに神経の行き届いた繊細な響きにも是非耳をかたむけてください!!

当日券は明日11月28日18時よりホール当日券窓口にてS/A/B席を販売予定。
第761回定期演奏会 11月27日(木)19時■サントリーホール
http://www.tmso.or.jp/j/concert_ticket/detail/detail.php?id=631






9大交響曲



トゥガン・ソヒエフ指揮のチャイコフスキー:交響曲 第5番

●11月24日、日曜日、14時より、横浜みなとみらいホール 大ホール にて●


①リャードフ:交響詩「魔の湖」作品62

西村朗作曲:インド大叙事詩「マハーバーラタ」による室内オペラ『バガヴァッド・ギーター(神の詩)』

●11月23日、土曜日、5時より、サントリーホール、ブルーローズ(小ホール)にて●

西村朗: 室内オペラ『バガヴァッド・ギーター』(台本:北沢方邦)
  • (知と文明のフォーラム委嘱作品/2013世界初演)
  • 指揮:板倉康明
    メゾ・ソプラノ:加賀ひとみ
    バリトン:松平敬
    打楽器アンサンブル:上野信一&フォニックス・レフレクション

    ★室内オペラとは言え、打楽器6名、歌手2名、指揮者1名で10人以内で演奏可能というかなり異質な編成。
    21世紀の「エコオペラ」の嚆矢となるか?????はたまた、不景気の反映か???
    ジョン・ケージの『ユーロペラ』ですら、もう少し演奏家がいたような???(記憶が曖昧ですが)

    『バガヴァッド・ギーター』は、よく見る名前の本ですが、当然ながら読んだことがありません。
    早めに入場して、台本を丁寧に読んでいたら20分近くたっていたので、オペラはどれだけ長いのだろうかと心配してしまいました。台本に「ダーク・マター」や「ダーク・エナジー」という最近の言葉があったので、台本作家が付け加えたのでしょう。
    ●台本の内容は、乱暴な言い方をさせていただきますと、「業(ごう)」や煩悩を断ち切れない戦士アルジュナ(男なのにメゾ・ソプラノ)と、彼に解脱せよと説く神クリシュナ(バリトン)の対話。
    解脱せねば、滅びるしかない、という現代文明批判的でわかりやすい内容。セリフも9割以上は日本語。
    冊子を全て読んでいませんが、東日本大震災後に、台本が書かれたらしい。

    演奏前に作曲者がプレトークで曲の解説をしてくれたので有益でした。作品の長さは80分ほど。

    ★音楽は、打楽器ばかりなので、西村朗が得意とするヘテロフォニーが明快でもなく、バリトンは、最初、歌うというよりは、早口で話すよう。その後、歌いますが、絶対音感があるわけでもないので、不明ですが、歌詞のある音楽は単調な印象を受けたのは音列技法だからか????????
    第4章の「瞑想の音楽」は、分かりやすく聴きやすいとも言えますが、僭越ながら意地悪な言い方をさせて頂くと
    丹波哲郎風の『大霊界』の映画にも使用できそう????????????????
    第6章「クリシュナの変容」は、プレトークで、「千手観音が千人くらい出るよう」と言葉で表現し「音楽的頂点」と作曲者自身が言っていたように、私の耳の許容量を超え、耳を塞ぎたくなるほどの大音量。皆さん、耳は大丈夫だったのでしょうか???????頂点は2度ある。

    音楽自体はさすがに第一人者西村朗だけあり、台本の内容から予想したよりも退屈しない立派なものでした。
    打楽器だけで、80分飽きさせない。
    ただし、二重唱は、日本語でも聴き取りにくいのは、いたしかたないでしょう。

    松平敬氏の声は、音域も広くすばらしい。1年半ほど前のクセナキスのオペラ『オレステイア』の時は相当に圧倒的。(私的に2012年のベストコンサートに選んだくらいです)

    音楽とは関係ありませんが、年末が近いので、敢えて言わせて頂くと、煩悩が108つあるかどうかは、知りませんが、人類が煩悩を断ち切り、解脱できるかは、これまでの歴史を見てくると、相当に疑問。
    ご存じの方も多いかとおもわれますが、万能細胞として有名なiPS細胞は、4つのうち、2つはほぼ「ガン細胞」といえるもので構成。ある意味、解脱とは人間の生命力を否定することにも等しいのでは?????
    要は、バランス感覚に尽きると思いますが、このへんの所を宗教家に聞いてみたいところ。

    最近ちょうど下の本を読んだばかりのせいもあり。音楽とは関係ないことをグダグダ書いてしまいました。
    「清貧」の鏡のような西郷隆盛は極めて稀。例外中の例外。(空海や宮沢賢治同様)
    明治維新の大物は相当に強欲だったらしい。この本によると、乱暴に言いますと征韓論争は、権力闘争(「清貧、正義感」派(西郷やその信奉者)と「藩主の特権を自分のものにしようという維新志士」の代理戦争だったという。(山口県の悪口は言いたくありませんが、とりわけ長州出身者は、強欲だったそうで。現在の首相はどうかは寡聞にして知りませんが??????)



    西郷隆盛 (人物文庫)

    フルシャ指揮(都響)のサン=サーンス:交響曲第3番ハ短調「オルガン付」

    ●11月23日、土曜日、2時より、サントリーホールにて●

    ①ビゼー:「アルルの女」第2組曲
    ②トマジ:トロンボーン協奏曲
    ③サン=サーンス:交響曲第3番ハ短調「オルガン付」
    (オルガン/室住素子)

    ★結論から言いますと、交響曲は、悠然としたスケール感のある見事な演奏。
    今月のマーラーの7番の同様、オーケストラは、絶好調で、イギリスのメジャーオケ(来日公演という外的状況が異なりますので、単純比較は不適切かもしれませんが、今年、複数回聴いた、フィルハーモニア管、バーミンガム市響)を超えるのでは?????9月に聴いたチョン指揮、フランス国立放送フィルハーモニーを超えるとまでは言いませんが・・・・・・)
    音楽に対して使用するのは適切でないかもしれませんが、「コストパフォーマンス」が日本一かも??????

    ①有名すぎて、意識して聴いた記憶のない作品。実演で聴いているかも不明。にもかかわらず、第3曲「メヌエット」と第4曲「ファランドール」は、明瞭に記憶が蘇って来るから不思議。実演では重低音もメリハリも十分。

    ②トマジの小品は何か聴いた記憶がありますが、この曲は初めて。冊子に書いてあるとおり、第1楽章は、ドビュッシーやラヴェルの『ラ・ヴァルス』を思い起こさせる。第3楽章は、中南米のリズムを使用しているらしいが、半ジャズ風で楽しい曲想。20世紀後半の作品とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    ③落ち着いたテンポで、手堅い「巨匠風」とも言えそうな立派な演奏。
    ♦第1楽章:
    第2部:オルガンが静かに導入後、実演のせいもあり、第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンがズレながら絡み合う所も明快で、素晴らしい。
    ♦第2楽章:
    第1部:主要主題後のピアノは、若干地味か??????。『ジュピター音型』後のカノンも良好。
    第2部:冒頭のオルガンは迫力十分。この楽章のピアノは明瞭。
    後半は力任せになることもなく、丁寧にバランスよく手堅く、素晴らしい。

    ★前回の『アルプス交響曲』の時にも書きましたが、くどいようですが、もう一度。
    大野和士の次の音楽監督に「打診」しておいたほうが良いでしょう。そうしないと、10年後には、欧米のメジャーオケのシェフに取られてしまい、来日公演が減るでしょう。

    ★交響曲第3番聴き比べは、こちら

    4時前に終演で、5時から小ホールで、世界初演となる西村朗のオペラのため、向かいのビル2Fの本屋で時間をつぶす。



    11/19第760回定期演奏会でスークの《アスラエル》他、入魂のチェコ・プログラムで会場をわかせたマエストロ・フルシャ。次の公演は明日11/23(土祝)14時からサントリーホールで《アルルの女》第2組曲とサン=サーンス《オルガン付》の間に都響首席トロンボーン奏者:小田桐寛之との共演で贈るトマジのトロンボーン協奏曲を挟んだフランス・プログラムです。フルシャ&都響の奏でる色彩感豊かな響き、そして管弦楽に加えてホールのオルガンも鳴り響くスペクタクルな音世界は生演奏ならでは!!お聴き逃しなく。
チケットは完売のため、当日(11月23日)13時より整理券を配布し、当日引換のお客様の出席状況により残席が出た場合のみ開演10分前より販売いたします。

11月23日(土祝)14時■サントリーホール プロムナードコンサートNo.356
http://www.tmso.or.jp/j/concert_ticket/detail/detail.php?id=643



    ベルリオーズ:幻想交響曲
    東京都交響楽団 フルシャ(ヤクブ)
    オクタヴィアレコード
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